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書籍レビュー

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本を読んで学んだ知識や、普段思ったことをまとめます。
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#読書感想文

今こそビジネスマンは『おぢいさんのランプ』を読むべきかもしれない

『ごんぎつね』『手袋を買いに』で有名な新美南吉の作品。 多くの人は教科書でしか読む機会のない作家だと思う。 (自分もそうだった) 自分はたまたまSNS上でこの作品を知り、読むに至った。 80年前の作品だが、物事の本質を突いた作品なので紹介したい。 この先はネタバレありで書評をしてきたいと思う。 1.未知との遭遇この話は、技術の進歩によって職を失う人間の心情をリアルに描いている。 巳之助(主人公)は、町でランプの存在を知り、行燈の時代が終わることを知る。 文明開花を肌で感

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.07)

01.活字本01.八月の銀の雪(再読) 表題作が好きなので再読。 就活浪人の主人公とコンビニで働くベトナム人の話。 忘れられない短編の1つ。 この作品は科学×人間の組み合わせが上手い。 科学や生物の魅力をロマンを込めて語ってくれるので、頭に入りやすい。 そして、社会問題もテーマに織り込んであるので、話に深みもある。 勉強にもなって、感動もあって、短編でタイパも良い。 今の時代にあっていると思う。 02.ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師 セールで購入し、2

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.05)

01.活字本01.爆弾 このミス2023受賞作品。 爆弾魔vs警察官のミステリー。 『羊たちの沈黙』のレクター博士を思い出させる犯人が良かった。 取調室を中心に犯行が進んでいく展開はアツい。 展開も二転三転し、オチは全く読めなかった。 不満点と言えば、ラストがアッサリとしていたところ。 緊迫した展開から数ページでサラッと終わったのが気になった。 ミステリーということでギミック重視の部分が大きかったと思う。 映像化向きの作品なので、犯人役のスズキだけは拘って選んで欲しい。

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.04)

01.活字本01.人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 https://amzn.asia/d/5hCYqkn タイトルに惹かれて購入。 序盤は面白いのだが、中盤以降が冗長気味だった。 この本で初めて知ったのがイスラエルのキブツで行われた実験。 子どもを一箇所に集めて、集団で育てるというもの。 一見合理的に見えるが、このシステムで育った子達は成長すると情緒不安定な傾向が見られた。 つまり、0歳から預けられる保育園というのは愛着障害のリスクは多少ありそうだ。 02.恋