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書籍レビュー

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本を読んで学んだ知識や、普段思ったことをまとめます。
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今こそビジネスマンは『おぢいさんのランプ』を読むべきかもしれない

『ごんぎつね』『手袋を買いに』で有名な新美南吉の作品。 多くの人は教科書でしか読む機会のない作家だと思う。 (自分もそうだった) 自分はたまたまSNS上でこの作品を知り、読むに至った。 80年前の作品だが、物事の本質を突いた作品なので紹介したい。 この先はネタバレありで書評をしてきたいと思う。 1.未知との遭遇この話は、技術の進歩によって職を失う人間の心情をリアルに描いている。 巳之助(主人公)は、町でランプの存在を知り、行燈の時代が終わることを知る。 文明開花を肌で感

観たもの、聴いたもの、読んだもの(2024.05)

01.活字本01.爆弾 このミス2023受賞作品。 爆弾魔vs警察官のミステリー。 『羊たちの沈黙』のレクター博士を思い出させる犯人が良かった。 取調室を中心に犯行が進んでいく展開はアツい。 展開も二転三転し、オチは全く読めなかった。 不満点と言えば、ラストがアッサリとしていたところ。 緊迫した展開から数ページでサラッと終わったのが気になった。 ミステリーということでギミック重視の部分が大きかったと思う。 映像化向きの作品なので、犯人役のスズキだけは拘って選んで欲しい。

『カルトブランディング』書籍まとめ

1.カルトブランディングとはカルトブランドの見分け方については以下の2点がある。 イデオロギーが革新的であること ※普遍的だったり既視感があったりする場合、カルトブランドには該当しない。 明確なコミュニティーを持っていること ※外に開かれていない、アンダーグラウンドすぎるコミュニティーはカルトブランドとして認められない。 また、車に貼られているステッカーはカルトブランドであることが多い。 敢えてコストと労力をかけて貼っているということは「信者」になっている可能性が高い。

『マインドコントロール』書籍まとめ(後編)

前半に引き続き、マインドコントロールについて要約していく。 後半は主に技術的な説明にスポットライトを当てている。 中身が複雑になってしまったので、別の記事で簡易にまとめたいと思う。 4.無意識を操作する技術催眠を医学的に用いたアントン・メスメル メスメルは催眠状態に導入するためには、施術者と被験者との間に、ある種の信頼関係(ラポール)が必要であることを発見した。 メスメルの催眠は心因性の疾患には有効であっても、器質性の疾患には効果はなかった。 自己暗示療法を確立したエミー