援デリ業者の真実 #23 堕落

【打ち子】として仕事を始め1ヶ月が過ぎた。
初月のわたしの戦績は48本。

仕事には慣れてきている。
48本で19万2000円の給料を稼いだ。

前職のコールセンターが色々差し引かれ手取り18万くらいだったことを考えると悪くはない。

しかし、こうなってしまうとわたしはダメだった。

昔からそうだが夢も希望もなく学校を卒業し、就職し何となくご飯を食べ、何となく起きて何となく働き毎日を生きる。

向上心というものが無いのだ。

お金持ちに成りたい！とは思ったことはある。

ただ本気ではない。

貧乏が嫌だから現状を何が何でも打破しようなんて心から思ったこともない。

そんな考えであるが為に、行動もやはりそんな感じで【打ち子】としての結果にも現れた。

2ヶ月目は58本で23万2000円。

本数と収入は月単位で見ると伸びているが店長代理になるための128本なんて程遠い。
ダブルスコア叩き出しても足りないくらいだ。

誰が攻めるワケでも無い。

「それなり」の結果は残している。

まぁ来月もこれくらいやればいいっか。

わたしはぬるま湯に浸かり切っていた。
そんな折り、様々な出来事が立て続けに起こる。