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【2023年の振り返り】一年まとめて

こんにちは。東豪です。

2023年はいかがお過ごしでしたでしょうか(笑)

現在は2024年2月4日ですが、まったく記事を書けなかった2023年について振り返ってみたいと思います!

(このnoteは一齊堂の活動の記録でもあるので、これでも大丈夫)

さて、いってみましょう!




1月

【6日】一齊堂の開業

2023年の代表的なできごとはこちらでしょうか。

救真堂での弟子入りと4つの治療院を掛け持ちしていた修行時代の5年間、東洋鍼灸治療院での7年間、間借りしながらのジプシー時代の2年間。

患者様を始め、各方面の方々から温かいお言葉と御祝を賜りまして、胸が熱くなりました。

開業準備をお正月から手伝ってくれた友人や、開業に向けて各方面でサポートして下さった知人、これまでも幾度となく場所が変わっても信じて通い続けて下さった患者様方。そして長い下積みの時代を見守ってくれた家族に、心から感謝申し上げます。

これからは患者様をどこまでも一齊堂が支える存在であれるように、これからも地道な活動と挑戦を続けて参りたいと思います。


【15日】漢法いろは塾

さて、本年も師・伊藤瑞凰先生の講義録を紐解いて、伊藤先生の鍼灸治療を継承していく姉弟子らが運営する「漢法いろは塾」が始まりました。

年頭の講義は、いつも私、東が担当させて頂いております!

(順番の関係なので、意味はないです!笑)


これまでの講義では、最低限は押さえておきたい東洋医学の歴史概略という位置づけでお話してまいりましたが、今年度からは伊藤瑞凰先生の治療方法に関わる古代の治療家を深掘りするという、新しいフェーズに入りました!

今回取り上げた古代の治療家は、金元四大家の一人、張従正(1156年-1228年)です!

攻下派 張従正(ちょうじゅうせい)
図の参照:https://www.newton.com.tw/wiki/%E5%BC%B5%E5%BE%9E%E6%AD%A3


伊藤先生の臨床実践で代表的かつ特徴的な治療方法の一つである鼻の鍼は、なんと今から800年前の鍼医が行っており、その目的や方法を彼の著書の言説(『儒門事親』)から覗いてみました。

当院でも鼻の鍼を継承しており、副鼻腔炎花粉症に用いて奏功しております。

 ▼鼻の鍼


【後記】

この時期は、開業後のこまごました作業と、一齊堂のご近所のお家やお店にご挨拶に伺わせて頂きました。

突然のお伺いに際しても、皆さんが温かくお迎えして下さったことが印象的でした。

また、開業告知のためスタッフの男の子とチラシを撒いたりと、地道な活動をしておりました。

かつては新聞の印刷場だった場所に何ができたのかなと興味を持って下さった方や、すぐにチラシをみてご連絡をくださった方や、ずいぶん後になってからチラシからご連絡を下さった方もおりました。

少しづつ近隣の方からもお問い合わせを頂き、ご友人様やご家族様をご紹介頂いたり、最高の門出だったなと感謝の気持ちでいっぱいです。

初心を忘れず、地道な挑戦を続けて行きたいです。


2月

【16,20日】東塾の再開

「師・伊藤瑞凰先生の意思を伝える会」をコンセプトに始めた鍼灸の勉強会。通称、東塾も再開しました。

現在では卒後研修を兼ねて、臨床のための技術伝授を筆頭に、東洋医学の考え方世界観を、硬軟合わせてお話ししています。

浩瀚で深遠な東洋医学を学ぶには、長い時間が必要です。

長い時間をかけて学び続けるには、声を掛け合い励まし合える良い仲間がいるのは、とても大事な要素と思っております。

規模は小さくても、そのような環境をつくることが私の役割の一つかなと思いながら、ゆっくり続けていきたい活動です。

3月

【9、15、16日】東塾 腹診概説

この月の東塾は【診察篇】

ミゾオチから恥骨にかけての腹部において、緊張弛緩寒熱湿潤などから五蔵六府気血水の状態を診ていく東洋医学の伝統的な診察法の一つ、腹診(ふくしん)の概略について説明と実技をしました。

腹診の良いところは、腹診で得られた情報(腹診所見)を他者と共有できる点です。

東洋医学の診察は、基本的に自身の感覚に依存する【主観性】の高い診察技術です。

その中でも、圧痛や柔らかさを患者さんや他の術者と共有できる点は、東洋医学の初学の時期においては学びやすい診察技術かと思います。


【19日】漢法いろは塾

定例会に参加しました。

古典を学ぶ上で必要なことは、「わからなくても、沢山触れること」だと感じています。

接触回数が命!


4月

【4日】歌舞伎

知人の紹介でスーパー歌舞伎を拝見しました。

IHI STAGE AROUND TOKYOの360度シアターも非常に迫力がありました。


 ▼IHI STAGE AROUND TOKYO


毎年のように「毎月、文化的なものに触れる日(通称、文化の日)を作りたい」と思いながら、なかなか出来ない日々でしたのでとても楽しく観覧できました。


【16日】お世話になった先輩

2015年から2020年まで、東洋鍼灸治療院でお世話になった先輩の鍼灸師の先生が訪ねて下さりました。

イニシャルK先生には、大学院時代(2015~2019年)の様々な苦難の時期に、技術的にも精神的にも助けて下さった恩人です。

K先生には大きな階段を上らせて頂いたように感じています。

それとは別に、「東洋鍼灸治療院を東洋医学の研究所にしたいですね」と語り合った日の想いは今も変わりません。

将来的には研究活動を、東塾でできたら良いなと思っています。

今は基礎実技の修得段階で、臨床家として活動できる基盤づくりのフェーズですが、将来的には症例報告や論文など、ペーパーワークができるような人材が育つことを望んでいます。


【17日】合宿

名前は伏せますが、イニシャルN先生と東洋医学の歴史合宿を行いました。

今後の活躍を期待しています。


【18日】師匠のお宅へ

この時期は東塾の生徒達を師匠・伊藤瑞凰先生のお宅へ連れて行きました。

みんな連れていくことは叶いませんでしたが、「弟子が孫弟子を連れてきた」と、訪問歯科の先生方に笑顔で話していたことが印象的でした。


【21、26日】新スタッフ

一齊堂に二人の助手兼研修生兼弟子が入りました。

これからの成長が楽しみです。


【後記】

2024年1月16日に伊藤瑞凰先生が93歳で逝去されました。

伊藤瑞凰先生のご逝去を悼み、謹んで哀悼の意を捧げます。

故人が安らかにご永眠されますよう、心よりお祈り致します。


5月

【4日】モグサ採集

2年振りに北海道の実家へ帰省しました。

私の田舎は人口2500人ほどの小さな町です。

かつては10000人を超える人々が住んでおり、炭鉱を掘ることで栄えた街で、現在は酪農と林業が主な生産活動です。

「緑と清流の町、置戸」がキャッチフレーズです。


 ▼置戸町HP


(あれ、「人と、木と、おけと」に変わってる笑)

要は、とても自然豊かな土地だという事です!

艾(もぐさ)の原料ヨモギと呼ばれるキク科アルテミシア属(ヨモギ属;Artemisia)植物の総称で、こちらは広義のヨモギです。

日本では一般的に本州から九州にかけて自生するカズサキヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczii (Nakai) H.Hara)を指し、北海道はオオヨモギ(A. montana (Nakai) Pamp.)、沖縄のフーチバーはニシヨモギ(A. indica var. orientalis (Pamp.) H.Hara)と呼ばれ、狭義のヨモギは地域によって異なるようです。


 ▼日本メディカルハーブ〔参照〕


(何このサイト、、スゴイ詳しい。。)

40年以上に渡る山菜取りが趣味の父に、ヨモギの生えている土地に案内してもらい摘む。

兎に角、摘む。摘む摘む摘む。



それを10日間、陰干しで乾燥させてからスリ鉢でゴリゴリすると、葉の裏にあるモコモコとした繊維が出てくる。これがになる。

一齊堂の灸治療のバリエーションが豊富なので、直接肌にお灸をするキメの細やかな上質艾から、間接的に温灸をする粗艾(あらもぐさ)を使用する。


粗艾


温灸用の粗艾はベースに2種類をブレンドして、燃焼具合に合わせて4種類を混ぜて調節する。


竹ザルでブレンド


こんな感じで用いる。


灸頭鍼(きゅうとうしん)



父と採取した艾は、とても香りが良かった。

4種類のブレンドに、二つかみほど北海道産艾を合わせるとなんとも言えない香りの良さが出た。

長く通っている患者さんは「今日のお灸は香りが良いですね」とすぐに違いがわかったようですね。


【21日】漢法いろは塾

今回は鍼灸の新しい時代を作った名人・竇漢卿(とうかんきょう)について、彼の歴程と鍼法の概略に触れました。

鍼灸の名人 竇漢卿(とうかんきょう)
参照:https://f.hatena.ne.jp/kyougetu/20090221141438


【後記】

この月は、BERSINAR BODY&FACEmakingsalon 塚本真理恵さんとの出会いがありました。


 ▼BERSINAR BODY&FACEmakingsalon


詳細は書けませんが、また足を向けて寝られない方が増え、将来的には立って寝るようになるのではないかと思っています。


6月

【20日】打鍼の製作

一齊堂のnoteではチョコチョコと登場する SuRADAS矢野さんです。


 ▼SuRADAS


神戸源蔵の打鍼をモデルに造った伊藤瑞凰先生の打鍼。その伊藤先生の打鍼をモデルに作成した一齊堂モデルの打鍼が出来ました。


 ▼一齊堂の打鍼


今年も新しいモデルを作りたいですね!


【26日】治療院見学

知人鍼灸師の紹介で、お二人の鍼灸師さんが一齊堂の治療院見学にいらっしゃいました。

良い交流になりました。


7月

【16日】東洋鍼灸専門学校時代の同窓会

何年振りの出席だろうか。。。

みんなそれぞれ進んでいて、刺激になりました。

(そういえば、卒後10年経つとクラス30人中5人くらいしか鍼灸をやる人間は残っていないと講師は言っていたけど、12,3人居たな。。うちのクラスは、結構頑張っているんだな)


【27日】ユニカVISION

新宿駅のユニカVISIONに写りました(1:39と4:07に笑)。



8月

【13日】初めての山登り

山梨県で初めての山登り。

慣れている方からするとハイキングコースだったようですが、上り下りで4時間。

それなりにキツかったですが、気持ちも良かった。


【16日】お灸部

東洋鍼灸専門学校の2年生でお灸部の方々が、竹輪灸(たけのわきゅう)について話を聞きにました。


竹輪灸(たけのわきゅう)


師・伊藤瑞凰先生が考案された竹輪灸が、学生らに受け継がれているのはとても嬉しいですね。


【22日】Yojo Fes '23 @Karuizawaに参加

ワークシンフォニー代表で鍼灸師の佐藤志穂さんらが主催した Yojo Fes '23 @Karuizawa に参加してきました!


 ▼Yojo Fes '23 @Karuizawa


大御所先生らの登壇。

その間繋ぎで30分、「瘀血(おけつ)について」一般参加者の方々にお話しさせて頂きました。

その他はずーっと4時間、鍼治療。25名の方々に体験して頂きました。

少しでも鍼灸の啓蒙になれば嬉しいですね。


9月

【本の整理】

毎夜毎夜、AM1:00までクローゼットの本棚の整理。。。

この時期が一番キツかったですね。


10月

【28日】寺マルシェ

第二回目の参加。


 ▼第一回目の寺マルシェの参加風景


今回の開催地は、地下鉄東西線・早稲田駅にあるオケタニ母乳育児相談室

Cache-cache coucou!(かしゅかしゅくくー)代表で助産師の真木智子先生と合同で、鍼と身体均整法の治療体験会をしてきました!

(今回も4時間で25名やりました)


 ▼オケタニ母乳育児相談室|早稲田


 ▼Cache-cache coucou!


少しでも鍼の啓蒙になれば嬉しいですね。


11月

【18日】指輪造り

「シルバーの指輪を作ってみると、金属の性質が良く分かるから」

といわれて参加した矢野さんのワークショップ。


 ▼SuRADAS|ワークショップ



銀の延べ棒を加熱!


名を打つ


丸くする


何かの機械でマットにする


とても勉強になりましたね!


【26日】日本鍼灸史学会に参加(京都)

急遽、日帰りで京都まで行って現地参加してきました!


 ▼日本鍼灸史学会



鴨川


京都御苑の空


懇親会は前日だったのですが、懇親会費はすでに振り込んでしまい、、。

でもでも、本来は参加できない運営の方々の打ち上げに参加させて頂いて、とても有意義でした!

できればペーパー出したいが、、今年はいけるかな。。


12月

【30日】竹取りの翁プロジェクト

2020~2022年の3年間は、知人のお母様の埼玉のご実家の竹林に竹輪灸用の竹を採取させて頂いておりました。

しかしながら、なんと100年振りに竹の花が咲いて見事に竹林が全滅。

採取場がなくなり途方に暮れていたところ、患者様の千葉のご実家に竹林があるとのことで、12月30日となんとも迷惑な日程で伺わせて頂きました。

本当に感謝感謝でございます。

31日に北海道へ帰省したのでいくつか竹を持ち帰りきれいにカット。


竹を並べる
後ろには我家の猫(ナッツくん)


猫はわりと大きい


冬と竹


こんな一年でした。

細かなことは端折りましたが、2023年もたくさんの人に助けてもらいました。

地道に挑戦することで報いたい。そんな気持ちです。

では。


今回も読んで頂きありがとうございます。ISSEIDO noteでは、東洋医学に関わる「一齊堂の活動」や「研修の記録」を書いています。どんな人と会い、どんな体験をし、そこで何を感じたかを共有しています。臨床・教育・研究・開発・開拓をするなかで感じた発見など、個人的な話もあります。


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