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花とともに

母が花好きで、実家ではいつでも花がある生活をしていた。
小さいながらも花壇があって鉢植えもあり、冬には家の中で鉢植えや切り花を楽しむ。
私が花好きなのは母ゆずりなのかもしれない。

実家を離れてからも花のある生活をしたいと思っていたけれど、花を買う余裕がないかもしれないし、冬は留守中の冷えこみを考えると諦めていて。

引っ越して近所のスーパーに買い物に行った。
スーパーには仏花が売られているところが多いが、もちろんそこにもあった。

でもちょっと違ったのが、そこの花コーナーには普通に飾れる花も多く、時には素敵なミニブーケもあるということ。

さすがにスーパーなので、高価になるような綺麗なものは少ないのだけれど、弱々しく微笑む彼女らを見て思った。

「買い物に来るついでに救出しよう」

そうして私の “救出作戦” という名の “花のある生活” が始まった。


いつものように買い物の最後に花を選んでいると、カートを押したご婦人が隣に来た。

私はユリを救出することにしたのでその場を離れたのだけれど、少し離れて様子をうかがっていると、ご婦人はひとつ、ふたつ…と花を手にとっていらした。

お店の人でも花屋でもないのに、なぜか嬉しかった。
貰い手が増えたことに。

スーパーでは花担当がいるわけではないから、花屋ほどの管理ができず早いうちに弱ってしまうらしい。
だんだん値下げされて、残れば処分。
当たり前のことだから、それに文句はない。
だから「救出」という言い方もスーパーの人たちからすると迷惑な話だろうと思う。(ごめんなさい)

長持ちする花であれば、200円程度で買ってもけっこう長い期間楽しめる。
クリスマス前に買ったミニブーケは2週間以上も綺麗でいてくれた。
高くても300~400円程度。500円でおつりがくる。

長持ちさせる秘訣は、毎日の水換え。
花瓶は洗わなくても軽くゆすいで中を綺麗に。

水換えのたびに少しずつ茎を切る。
ほんの少しだけ、水に漂白剤を入れる。
(10円玉を入れると良いという話もあるけれど、お財布から出した10円玉は雑菌だらけなのでやめたほうが良い)

そして、愛情。
「今日も綺麗でいてくれてありがとう」と笑顔で水を換えてあげると、花もとびきりの笑顔でいてくれる。
これが一番大事なのかもしれない。


花のある生活、花とともに歩む日々。
それはいつもと少し違う。
良かったら、お買い物のときにでも花売り場を見てみて。
あなたが連れて帰ってくれるのを待っているかも。