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夜への長い旅路備忘メモ

6/12 ソワレ。少し蒸し暑い!

シアターコクーンはかなり久々で、初めての会場だっけ?と思ったのですが、着席して春馬の罪と罰ぶりだったと思い出しました。
幕間にコーヒーブレイクをしながら(プレコロナの観劇が恋しい…)5×20and more申込みのメールを見たはず。
懐かしいと共に、あの日の春馬の深い声色や筋肉の陰影をまだ鮮明に思い出せるし、この先も忘れることはないのだろうと思いました。


さて、本題ですが、夜への長い旅路はたまたまBunkamuraのメール配信で知って、一度は見て置かなければと思いつつお目にかかったことのない大竹しのぶさんも出演されると知り申し込んでみました。

まずセット。白い靄のような布がかかっていて、最初は一家の暮らす家の蜘蛛の巣かなと思ったのですが、進行するにつれ、「霧」「海」「ウェディングドレス」といった劇中のキーワードを包括的に表現する代物だったとわかって楽しかったです。
特に、杉野くんの海に関する詩の場面、まさにぶつかる荒波の泡出つ様が見事に表現されていて、綺麗でした。
ウェディングドレスとして機能する最後のシーンでは、トップライトが真っ直ぐに強く降り注ぐ様子が教会のステンドグラスから落ちる光のようでもあり、一瞬で空間が変わって面白かった…


キャストについては、兎に角終始大竹しのぶさんのセリフ量と迫力が凄まじく。少女のような人格とスイッチ入っちゃっている時の人格があまりに劇的に切り替わり、また徐々に後者の配分が増えていくもので、とても怖かったです(1幕終わった時点でかなりぐったりしました)。
「昔は今よ」というメアリーのセリフが印象に残っているのですが、なんとなく、マチネの終わりに(過去は現在によって変わることがあるという示唆)の逆を行くような話だなと。
過去が現在の自分を追いかけてきて、SNSもない時代、友達もおらず、ヤブ医者に出されたモルヒネに蝕まれて行く身体。少女人格のメアリーが可愛らしければ可愛らしい程、苦しかったです……

それから杉野くんが流石というか、ママに甘えたような声の愛らしいこと(物凄くスタイルが良い分、メアリーを抱きしめるシーンやちいさく三角座りするような姿が一層幼く見えて興味深かった)、不勉強でハケン(→感情の起伏があまりない役)でしか拝見したことがなかったのですが、ジェイムズ・ジェイミーと遣り合うところの激情も、海での体験を告白するところも素敵で。
後でいつも仲良くして頂いている先輩に、杉野くんストレートプレイ初めてだよと伺って、信じられませんでした。絶対に次の舞台も観たいです。


全体的に、良くも悪くもしっかりした芝居だったので、ちらほら船漕いでる人がいて、なんとなくキャストに興味があって行く……というスタイルだと各キャストが一定時間出ていない場面もあるので、キツいだろうなと思いました(笑)
それでも、私はこういう本気の舞台にきっといつか自担も出てほしいなと強く思いましたね……


チケットは完売しているようですが、公演概要はこちら。
夜への長い旅路

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