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ブライトン・ビーチ回顧録備忘メモ

9/25ソワレ、雨上がり。

ちょりぽんのビジュアルが出た時から気になって見ようと決心したのですが(13RWのAlex Standallみがある)、あの、ガチで思ってた100倍良かったです。心の底から立ち上がって拍手を贈りたいと思う舞台でした。

第二次世界大戦前夜のアメリカに住むユダヤ系の家族の、夫々が抱える悩みに関するお話。
セットが1:1で作られたドールハウスみたいでカワイイ!とか、脚本がいい!とか、周りの俳優の皆さまが本当に流石!とか、素敵だったところは山程あるのですが、まず最初に言いたいのは、ちょりぽんのイキイキとした芝居が最高だった。
舞台、大好きなんだろうなと思うし、待ち望んでたんだと思うし、会話の間とかが絶妙に上手くて、ユージンを何とも憎たらしくも可愛らしく演じられており、兎に角凄かった。
外部舞台主演初めてって、まじで、マ???って感じだった。

何ていうか………言い方間違えるとdisに聞こえると思うので凄く気をつけて書くのですが、ちょりぽんって、アイドルとしてもいつまでも子供でいてくれるじゃないですか。めちゃくちゃ良い意味で。ちょっと踏み込むと、ジャニーさんの好きな少年で居続けてくれるというか………
多分、その彼にしかない「永遠の少年性」が存分に発揮されていて、私はめちゃくちゃいいなと思いました。


お話も凄く面白かったです。
思春期のユージンに纏わるすったもんだには最高に笑わせてもらったし、長女シンドロームのノーラとケイトがブランチとやりあうところは私のための台詞かと思って爆泣きした。
大昔アメリカに住んでいた頃、私も長女で、父に怒られたくなくてお利口さんを演じていたのですが、ある日この芝居の中のノーラが重い病気になるように祈った(病弱な妹のように構ってほしかった)、というのとまったく同じ思考回路で目が見えなくなったと嘘をつき、一度嘘をつきはじめたら撤回するタイミングを失って父まで慌てて帰宅、叱られるでもなくやれやれ……な空気にしてしまったことを今日まで忘れていたのに思い出しました。
なーんだ、みんな同じこと考えるんだと20年の時を経て安心したり……

それから、その流れでブランチが自分の不幸を盾にして……と語るところも深く突き刺さりました。
私も、よく我が家の教育方針が私を私の思う「普通」の女性でなくしたのだと深夜に一人で泣いたりしたものですが(※最近は精神が安定しているので大丈夫です)、いつまでも他人のせいにしちゃだめですね。もっと自分の人生に責任持とうと思いました。


最後に、個人的な解釈ですが、ユダヤ系の一家・自伝・思春期というところから、アンネの日記を思い出さざるを得ませんでした。
私は特別この手の話には、思い入れと言うと変ですが……大学の第二外国語の選定にさえ引っ張ってきたような分野だったので、最後親戚の皆さんが無事に欧州から北米に辿り着いたと聞いた時は、心の底からよかった……と思って勝手に泣いてしまいました。
(ご参考まで、留学当時のメモ)

さらに個人的な受け止め方ですが、同じグループの二人が同時期に同じ池袋という街で、日清/日露戦争戦間期に陸軍養成学校を目指す日本人の若者と、第二次世界大戦前夜のユダヤ系アメリカ人の少年(兄が陸軍に入ることを一時検討する)を演じたこと、不思議な巡り合せですね。


胸いっぱいでスタオベはフライングしたんじゃないかというくらい前のめりで立ち上がってしまったのですが、本当に良かったです。ちょりぽんの次回作もとても楽しみです。



ブライトン・ビーチ回顧録@東京芸術劇場
東京は10/3まで、地方は京都で公演が予定されています。

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