アストロボティック、月面電力サービス計画を発表(spacenews翻訳9/19)
パリ - アストロボティック社は9月19日、月面の商業電力サービスを開発する計画を発表しました。同社は、月面に長期的なインフラを構築するために不可欠であると主張しています。
同社が開発中の太陽電池アレイとテザーローバーを組み合わせ、月面の顧客に無停電の電力を供給するものです。
このような電力システムは、月面で長期間生存するシステムに不可欠であると、アストロボティック社のCEOであるジョン・ソーントン氏は述べています。
「私たちに必要なのは、月面で何年も使える長期的なインフラなのです。私たちは、これを月の表面、主に極域のグリッドと見なしています」
この電力は、垂直方向に配置され、太陽が常に地平線上にある月の極点での運用に最適化されたソーラーアレイであるバーチカル・ソーラー・アレイ・テクノロジー（VSAT）によって生成されるでしょう。
アストロボティック社は、8月23日にNASAから620万ドルを獲得し、この太陽電池アレイのプロトタイプを開発・テストしています。
電力は、同社のキューブローバーの設計に基づき、VSATアレイからテザーローバーを通じてユーザーに配電されることになります。そして、ワイヤレス充電技術によって、ローバーから顧客の地上設備に電力が送られます。最初は10キロワットの電力を発電するが、時間の経過とともに規模を拡大することができます。
VSATアレイは、ローバーに搭載され、必要に応じて移動するのです。
ルナグリッドは、NASAや他の顧客のために建設中の商業用月着陸船で知られる同社が、何年もかけて開発してきた技術の集大成だとソーントンは言います。
「最終的には、月での電力供給は、当社の他のどの事業よりも長期的に大きなビジネスになると考えているからです」
ルナ・グリッド・システムの最初の運用は2028年に計画されていますが、初期の要素はより早く準備できる可能性があります。
「10年以内には、アルテミスの宇宙飛行士が実際に接続できるようになる可能性があります」と彼は未来図を描きます。
「これは、継続的な開発を必要とする長期的な技術ではありません」
アストロボティック社は、ルナ・グリッドの最初の顧客は主にNASAとそのアルテミスパートナーであり、彼らの月探査計画をサポートすると予想しています。
「このようなものが存在するまでは、おそらくこの状態が続くでしょう」とソーントン氏は言います。
「その時こそ、より多くの商業的な機会を開くことができるのです」
ルナ・グリッドのようなものが利用できるようになれば、月面の電力システムを独自に開発する必要がなくなるため、ミッションはより安価になり、夜間も活動できるようになります。
独自の電力システムを持つ必要がなければ、乗り物はよりシンプルで頑丈になるでしょう。
「アルテミスのアーキテクチャにこれを組み込めば、全車両の電力系統が不要になり、採算が合う局面があるはずです」
ソーントン氏は、アストロボティック社がルナ・グリッドを通じて供給される電力に対して請求する価格について議論するのは時期尚早だと述べます。
彼は、このシステムの開発コストを「数十億ドルではなく、数億ドル」と見積もっています。
ルナ・グリッドの発表は、アストロボティック社が今月初め、破産オークションでマステン・スペース・システムズ社の資産を450万ドルで買収することを確定した後に行われました。
アストロボティック社は9月13日にこの買収を確認し、カリフォルニア州のモハベ航空宇宙港にあるマステンの施設を開放し、同社のサブオービタル技術実証機の飛行を継続するとしています。
「マステンのサブオービタルロケットと推進試験センターは、宇宙産業にとって国家的な資産である。私たちは、企業、政府、宇宙機関のために、これらのサービスを国際的に運営し、拡大することに興奮しています」と、ソーントン氏は買収についての声明で述べています。
アストロボティック社は、マステン社の従業員も再雇用し、モハベとアストロボティック社のピッツバーグ本社の間で、従業員を200人以上に拡大する予定です。
しかし、同社は、マステン社が開発していた月着陸船技術やNASAの商業月ペイロードサービス（CLPS）賞の利用計画については沈黙を守っています。
マステン・スペース・システムズ社の創設者であるデイブ・マステン氏は声明の中で、「マステン・チームを代表して、私はアストロボティック社に加わり、宇宙を世界に身近なものにするという共通の使命を果たすことに興奮しています」と述べています。
「この統合された組織は、私たちが顧客に重要なサービスを提供し続けることを可能にし、宇宙における人類の未来に大きな影響を与えることを支援します」
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