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イマーシブシアターで愛について考えた話

イマーシブシアター「反転するエンドロール」千秋楽おめでとうございます👏
千秋楽迎えたということは感想を書いてもいい、という認識でいきます。

私は登場人物チケット9番「九条くるみ」役で一度だけ参加してきました。
そうつまり、物語の全容を把握せず完全なるくるみちゃん主観、この点はご容赦くださいませ

舞台は映画の試写会、映画研究会の友人であり試写会会場のカフェで働くアリサの招待によりくるみは参加することになります。監督から出演者、映画評論家や業界関係者が集まる中、どのように物語が動いていくのか………(完全くるみ視点のあらすじです、正式な情報は是非公式Twitterをご覧下さい🙏)


以下盛大なネタバレを含みます。
再演があるかもしれないので、お気をつけください。



端的にまとめると、くるみはカフェ店員アリサちゃんに対し『熱烈な恋心を抱いて』います。
そして私が参加した10月6日の回では、盛大にフラれてきました。(ここは毎回エンディングが違うそうです)

この演劇体験を通じて考えたのは、「恋愛の身勝手さ」

参加中、アリサちゃんしか見ず、他の人には目もくれないことで熱烈な愛を表現してみました。(それで傍観者に伝わらないかと期待してたり)
一方で、「恋心を伝えることで友情が無くなってしまうのでは」と不安を抱いてる、というのも勝手に付け足して参加していました。

その結果、他で何が起きているのか、この世界はどのように収束していくのか、見えない世界で何が起きているのか、ぜーーーーんぶ興味が無くなっちゃったんですよね。
監督夫妻のやり取り、親子の確執(?)、若手俳優の卵、不思議な世界観の真相、恋の前には全てどうでも良くなってしまった。「恋は盲目」を地で体感してしまった。
そして、エイトの方へアリサが向かった瞬間、自分が世界で一番不幸な人だと本気で思いました。
舞台中一瞬ハートマークを作ってくれたじゃないか、どうしたらいい?と聞かれた時は止めたし、最後に決断を迫られた時にも止めたのに、何故行ってしまうのか………

でもよく考えたら、くるみから見えてる世界って本当に狭くて、きっとアリサはアリサなりの体験や考えがあって、他の登場人物もきっとそれぞれの主観で動いてる。
そして恋に夢中なくるみは他を見ようとしていないので、その事に気づかない。自分が世界一不幸だと信じ、愛する人に裏切られた気分でしばらく過ごすんでしょう。(勝手な推測ですが)

ではここで、「愛する」ってなんでしょうね
好きな人には幸せになって欲しい、出来ればそれが自分の隣で叶えられたらいい
……でもラストの(私が演じた)くるみは、完全に手に入らないことに絶望していた。アリサが選んだ幸せを祝福は出来ていなかった。
愛するとはなんでしょうか、好きとは?恋とは?愛とは?
あなたが望んだことなら応援したい、という想い。
でも出来ることなら自分が手に入れたいという身勝手さ。

私が演じたくるみちゃんは、「行かないで」と止めてしまった時点で友達としての関係性は終わらせる覚悟があったんですよね。だから、この後アリサと仲良く元通りにはなれない。大好きな映画からも離れてしまう……気がする。
何度も参加してる方からは、あそこまで引き止めた人は初めて見たと言われましたね。もし引き止めなかったらずっと友達でいられたと、確かに思います。
でも伝えざるを得なかった、抑えきれなかった。私の演じたくるみちゃんはこれが正解だったと思います。


(………そういや他のくるみちゃんを演じた方でここまでメンタルズタボロになった方はいるのかしら……?)


つらつらと書きましたが、一つの演劇作品でここまで没入して心を動かされるのは中々無いと思います。
普通の舞台を見ていても色々な所に気が散って集中できない自分としては、最高の演劇体験をさせて頂きました。

千秋楽おめでとうございます。再演待ってます!!!

あと最後に、アリサちゃん本当に可愛かったです!!!大好き!!!

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