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私だけの宝箱【#あのころ駄菓子屋で】

「駄菓子屋さん」

それは幼少期、誰もが一度は訪れる場所のような気もしますが…。残念ながら、私は小さい頃に駄菓子屋さんへ行った記憶がほとんどありません。

というのも、当時私が住んでいた家の近くには個人が経営しているような駄菓子屋さんはありませんでした。私の中で駄菓子と言えば、スーパーの製菓コーナーに並んだ小さなお菓子たちのこと。だから「駄菓子屋さんでの思い出」というものはあまり持ち合わせていないのですが…。有り難いことに「駄菓子」に関する思い出ならたくさんあります。

何故「駄菓子屋さん」での思い出は少なくて「駄菓子」に関する思い出は多いのか。それは、私の祖母が大の甘党だったから。

私の祖母は自他ともに認めるほどの甘いもの好きで、家の中には常に甘味が常備されていました。駄菓子も当然のようにストックされており、家の中はちょっとした駄菓子屋さん状態。だから私にとって駄菓子は割と身近な存在だったように思います。

ふわふわの麩菓子に甘い香りのキャラメル。種類豊富なうまい棒に一口サイズのカステラ。祖父母が大好きだったボンタンアメやマーブルチョコ。噛めば噛むほど美味しいスルメイカ。

どの駄菓子も思い出深く大好きですが、そんな駄菓子たちの中でも私が特に好きだったのがカンカンに入った色とりどりの「果物ドロップ」です。

ここだけの話、ドロップ自体はあまり得意ではありませんでした。もちろん自分の好きな味も入ってはいるし美味しいけれど、それ以上に。私にとっては甘ったるすぎて、ドロップを全部食べ切るのにいつも苦労していたのを覚えています。

それでもなお、私が果物ドロップを好きだった理由。それは「ドロップの色合いが綺麗で、まるで宝石みたい」と思っていたから。

カンカンから出すと光を浴びてキラキラと輝きだす、色とりどりなドロップたち。それを見ていると何だか嬉しいような、特別な気持ちになれていた幼少期。

「自分だけが知っている、自分だけの特別な宝箱。」

そんな思いもあったのかもしれません。キラキラ輝くドロップを飽きることなく眺め続けてよく怒られていたのも今となっては良い思い出です。

月日が流れ大人になった今、ドロップを口にする機会はほとんどなくなってしまいました。口にする飴玉と言えばのど飴ぐらい。でも、この記事を書いていて忘れかけていた思い出と再び出逢うことが出来ました。

この連休中は久しぶりにカンカンに入ったドロップを買ってみようと思います。そして、昔の記憶に思いを馳せつつ自分だけの宝箱を手に。キラキラ輝く宝石を眺めながら、昔のように少しだけ特別な気持ちを思い出したいと思います。


こちらの企画に参加させていただきました。

拝啓 あんこぼーろさん、楽しい企画をありがとうございました。


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