朝の情報番組に求められるもの【テレビ自由研究】

どうも、あずきです。テレビ自由研究の第4弾です。

先日Twitterで何気なく呟いたところ

予想以上にプチバズしましたので、少しだけまとめていきたいと思います。

切り口としてはめざましテレビが何故こんなにも堅調なのかというところと他局(特にTHE TIME,)の浮上への切り口まで踏み込めればいいかなと思います。


まず結論

「朝の視聴者層は新しく始まる1日への期待感と活力を求めている。それを安心感と信頼感で演出するのか、ガツンと殴りつけるのかで番組色の差が決まる。」ということです。

詳しく見ていきましょう。

「めざましテレビ」における擬似家族作成手法

私はいつもこういう時に言うんですが「めざましテレビとは軽部真一アナである」と言うことです。

別にずっとレギュラー出演し続けているわけではなくて、軽部アナがめざましで果たしている役割は「めざましをめざましたり得ている」と考えています。

私が見始めた時はもはやアヤパン全盛期の時からでしたが、あの頃からめざましテレビにある根幹の「擬似家族観」と言うのは変わっていなくて、あの時代は家長である大塚さん、女房役の高島アナ、末っ子っぽいお兄ちゃん役のアミーゴ伊藤、末娘として大切にされている新人アナやお天気キャスター陣などの擬似家族を形成しており、軽部アナはそこでずっと「近所の気のいいお兄ちゃん→おっちゃん」であり続けています。

家族だけだと煮詰まりそうな時でも軽部アナがいるだけで何となく雰囲気がうまく回ることとかあるんですよ。たとえばイマドキ系のコーナーで大塚さんがついていけなくても軽部アナが「あーこんな感じで使うんだー」って言ってちょっと使い方間違えてたりパック系なら量が多かったりなどして「いやいや兄ちゃん流石にそれ違うでー」とあえて大塚さんや周りに突っ込ませる。それでいて面白いエンタメ情報を豪華なゲストと共に持ってくるというめざましをめざましにした立役者それが軽部真一なんですよ。

と、熱くなってしまいましたが同局で放送しているサザエさん的な家族を番組で擬似的に作り続けているのがめざましテレビで、軽部さんはそこに出てくる三河屋だったりノリスケおじさんだったりするわけです。

で、家族の長である大塚さん→三宅アナがしっかりと家族を包み込むことによって、あの擬似家族はみんな成長して巣立っていくわけです。番組的には卒業ですけどあれ言わば巣立ちや嫁入りなんですよね。

つまりめざましテレビは三宅アナがメインの番組で軽部アナが近所のおっちゃんである限りぶっちゃけていえば「他の出演者は誰でもいい」のです。そこにフジらしい華やかな女子アナ陣を彩らせることで朝の華やかさと視聴者の信頼を両方得ることができると言う朝番組の完成系がめざましテレビなわけです。これが圧倒的すぎるので他局も真似し始めてると言うわけですね。

ただ、ZIP!では水卜アナを筆頭に他のアナウンサーが支えると言うものですが水卜アナをビシッとコントロールする人がいないように思えます。支えようとして変に気を遣っていたりキャピキャピしていたりなど頑張ってるシングルマザーにあんまり無理はさせちゃダメだけどビシッと締める責任感のある人がいるようには見えなくて水卜アナが孤軍奮闘であとは若手がキャピキャピしてるだけと言う番組に見えてしまうのがイマイチ支持が上がりきらない理由かと考察します。(燃えるぞ)

ズームイン!朝におけるとにかく地方からの活力と中継を捌いていく「競り」方式

さて、90年代はめざましの対抗番組としてその前は圧倒的朝の番組として君臨していたズームイン!朝に関しては一言で言えば「競り」方式なわけで、やっぱり原始的に活力があるように画を見せれば視聴者も自然と元気が出てくると言うわけです。

とにかく中継を矢継ぎ早に繋いで次から次へと競りのように情報を仕入れて捌いていく様は早朝の魚市場で、いつの時代も普遍的に活力がある場所としてみなされていますよね。

それを捌き切るためにはやはりめざましほど高齢なメインではなく中堅の元気に現場で走り回れるアナウンサーだったわけで、初代の徳光さん2代目福留さん、3代目福澤さんと続いたわけです。

今のTHE TIME,に関しては6時代が完全にこの競り形式で矢継ぎ早に情報を繋いで行ってる感じですね。7時代がちょっと落ち着いた競りが終わった魚市場から場外市場の一般人向けの中継をしているみたいなイメージになりますね。

しかし、今の日本の地方にそこまでの活気があるかどうかと聞かれると・・・微妙なところがあるためズームイン!やTIME,と言う番組自体が成り立たなくなってしまっているんですよね。ただ、これもあと数年後には情勢は変わってるかもしれませんが何とかそこまでTIME,には耐えてほしい。

ちなみにおはスタはどちらかといえばこの方式で飽きやすい(通学時間帯)の子どもが見ると言う前提で長尺コーナーはほぼなく、1分単位でコーナーが移り変わると言う手法はこの競り方式の最たる例ですね。

「朝ズバッ」における「叩き売り」方式

TBSの朝番組で最長寿だった番組「朝ズバッ!」これはズバリ「情報の叩き売り」だったわけで、みのもんたの語り口で「おら、起きろ!朝だぞ!これが今朝の情報だ!!!」と叩いて強制的に流し込む感じがよかったわけで、彼が去ってから現Nスタの井上アナが引き継いでからは短命に終わってしまいました。誰もみのもんたの代わりに叩き売りできる人がいなかったんですよね・・・。

ただ、彼のアクの強い語り口は時に炎上騒ぎを起こしたりしてました。現代にあったらおそらく火柱は当時の非ではないレベルになっていた可能性が高いですね・・・。

このどれかを徹底できて出演者がハマるようになれば視聴率が稼げるようになると思います。それか自分の想像しない形でいい朝番組がまた出てくるのかも知れません。

おはよう日本におけるフォーマット形式

今のが民放形式で、NHKのおはよう日本は基本的に金太郎飴的なフォーマット形式になっています。それでも同じ繰り返しに見えないように工夫はされています。

正時か30分から時報と共に冒頭の挨拶とトップニュース。時間帯に合わせてヘッドライン形式なのかストレートニュース方式なのかが変わりますが、そこからスポーツ・天気予報・為替株はマストで残りは時間帯に応じて、詐欺特集だったり、世界のニュースだったりを伝えていくという方式を採用しています。

それでも7時代からはゆったりとした編成になり7時45分からのローカル枠(土曜日は7時半から)を挟んで朝ドラの視聴者を見据えた編成になっています。

早朝〜朝番組の視聴者層の変化

実は早朝や朝番組って時間帯に応じて視聴者が目まぐるしく変化する恐ろしい番組でもあります。
各局共通するのは7時まではテンポ良く、7時台は比較的ゆっくりとした編成になるということ。これは基本的に視聴者層に応じた展開を各局しています。そして少しラジオの視点も入れながら語っていきましょう。

早朝4時-主に男性労働者向けゾーン

ここら辺は大体が男性が多く、夜勤明けの人、遠距離通勤が必要な人、早朝勤務が必須な人など多くの働く男性向けゾーンになります。

日テレのOha!4もかつてはこの層を狙い撃ちにするため「女性出演者しか」出演していなかったという経緯もあります。

この時間帯の人たちはとにかく時間がないのでテンポ良く次のコーナーに移り変わる必要があります。

早朝5時-早出のサラリーマンや朝活を見据えた人たちゾーン

このゾーンになると首都圏だと混雑回避のために早出するサラリーマンや朝活をする人たち向けが起きてくるため、早朝4時代ほどのテンポ感はなく少しゆっくりしつつも朝活の邪魔をしない程度のお得情報などを伝える局が多い印象です。ラジオ局の編成の起点が朝5時で一部のワイド番組が開始するのもこの時間です。

朝6時- ゆっくりテレビなんて見ている暇はない?テンポ良く時計がわりにするゾーン

ここら辺のゾーンは完全に学生も起きてきて、ザ忙しい人むけ情報をお届けしていくゾーンになります。多くのラジオ局の朝ワイドもこの時間から開始になり通勤や通学に向かう人たちの耳を借りるという形になります。

この時間帯のポイントはとにかく「短く濃く」3分以上の長尺コーナーなんてもっての外という空気に支配されることです。コーナー自体は10分でも項目はとにかく短くなるようになっていますね。

6時代後半になると学生たちをターゲットにしたコーナーが増えていき、6時代後半は中高生向けコーナーが中心です。

朝7時前半 引き続きバタバタするが対象年齢が下がっていくゾーン

ここまでいくと小学生も起きてきて、ニュースを伝えながらもエンタメニュースはもっと軽い話題が中心になってきます。

ただ項目名に7時前半と書いたのは多くの小学校が8時すぎに登校時間を設定しているので7時代後半の時間帯に入ると多くの小学生は家を出てしまっています。そこで朝番組は7時代は後半になるとガラリと空気を変えるわけです。おはスタが7時半終了なのは完全に小学生の登校時間に合わせているわけですね。

朝7時後半 家には主婦か暇人しかいないのでゆったりするゾーン(※ラジオは家を出た人たちを狙い撃ちにする。)

ここまでのバタバタが嘘みたいに各局ゆったりモードに入ります。勤め人やこの先の時間帯にテレビを見ない人たちはもうテレビを消しているので家にいる主婦向けの編成にテレビは入ります。

対してラジオに関しては移動中に聞くという人が多いので、家を出た勤め人の人たちに向けた情報を強化し始める時間帯です。車通勤の人たちむけの交通情報も7時代後半に2回放送したりする局も珍しくありません。

朝8時 完全にゆったり腰を据えてみる番組が始まるゾーン(※ラジオは引き続き勤め人の朝の準備のお供になる曲を届けるゾーン)

朝ドラをはじめとして主婦層に向けてテレビはゆったりとした番組が始まりますね。

ラジオは引き続きコーナーは10分程度に納めて勤め人の人たちの移動や会社などについて始業までの準備をしている時のBGMとしての役割が強いわけです。あとは9時開店のお店とかでも8時代の情報色強めのラジオをきいて9時からの一般ワイド番組に移行するみたいな個人商店もある感じですね。だからラジオとテレビでは情報朝ワイドの終了時間が1時間ずれているわけです。そのラジオのような編成に挑戦をしているのが日テレのZIP!延長であり、DayDay.な訳ですね。

まとめ

みたい番組を見続ければいいわけですが、そういった意図があるという視点で見るとまた面白く見ることができますよ。

よかったら早朝からザッピングして見るという視聴スタイルも面白いですよ。それではまた。

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