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どうしようもなくて #0

あれは3年前、2020年10月。高校3年生だったころ。わたしは、人生の岐路に立たされていたんだとおもう。



小学生のころ、人より勉強ができた。特に数学が得意で、公文では小学5年生のころに高校数学を習っていた。あんまりよくわからなかったけれど、数字で遊ぶのはすきだったし、賞状とか綺麗なオブジェをもらえたのはうれしかった。

中学校に入って、ネットの世界に入り浸った。学校に話せる人はいっぱいいたけれど、「友達」と呼べる人は1人もいなかった。放課後に遊んだりしてみたかった。好きだった野球を通じて2chやニコ生を見たりする日々を続けるうち、みるみる成績は落ちていった。

自分のことなんて理解できるわけがないと思い込んでいたから、家族との衝突が増えた。中3の6月に辿り着いた場所がここだった。自分が正しいと驕り高ぶっていたせいで、いろんな人に迷惑をかけた。
はじめて話すことだけれど、2chで2度トラブルを起こした。1回目は親が学校に謝りに行った。2回目は警察が家に来た。

学校でも、家でも、ネットでも、居場所がなくなったわたしは、ベッドの中でよく泣くようになった。枕を濡らして眠る日々だった。
勉強をする理由がわからなかったから、高校受験の勉強はほとんどしなかった。親に「教育費」という名の借金をしたくなかったから、私立校に行く選択肢はなかった。偏差値57くらいの自称自称進学校に入学した。

高校生になった。すこしだけ日々が上向いた。
相変わらず女の子と遊ぶどころか放課後に友達と遊ぶこともなかったけれど、たしかにクラスはわたしの居場所だった。陽キャとも陰キャとも隔てなく話せるただの無キャだったけれど、楽しかった。
ネットの居場所も少しずつ広がっていった。ハイペナ楽天だったり、秘密三国志で4位になれたときはうれしかった。ゴリチュウという謎の代名詞も手に入れた。


そうやって、わたしは必死に空白をかき集めていた。そのことに気づいたころには、もう何もかも手遅れだった。

『あなたは将来、何になりたいの?』


つづきます。
ここまではただの前置きで、次からが本編。

Base Ball Bear - 17才

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