【Ⅳ】001 加速
「…………」
「……途絶えた」
「ふん……所詮、街のゴロツキども……情報収集すらままならんとは……」
こめかみを押さえていた指をはなすと、運転手に車を止めるよう指示する。
「ここからは、歩いていく」
「ボスには、夜明けまでに、確保すると伝えろ」
「ご無事で」
クロウズが降りると、運転手は一言だけ呟き、車をユーターンさせた。
「しくじれば、夜明はこないだろうな……」
その身体は、コートがひらめくよりも速く、暗闇に溶けた。
・・・・・
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