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この世界は僕らを待っていた

いかがお過ごしでしょう、皆さん。

私はというといい感じのマークを考えて頂いて上機嫌です。
❌🎮❌

アホ毛

髪留めも意識しつつゲームにバツを付けてクソゲーも表現する…
いいセンスです。
オセロットも大絶賛でしょう。

今後色んな所に貼っておきましょう。
ポケモンのカートリッジとかメモリーカードとかコントローラーとか。
借りパク問題ともおさらばです。

前回は聖竜を封印し、私の時代が来た所までお話しましたね。

しばらくしてから知ったのですが、この私が支配する時代の事は「彷魔暦」と呼ばれていたそうです。

聖竜を封印した私は、その「聖竜が封印された」という人々の絶望により身体の大きさが倍くらいになりました。
別に絶望を食べたら身体が大きくなるだけじゃないんですよ?
色々と強くなっているのですが、一番わかりやすい変化がそこなので。

最早大陸間などひとっとびです。
軽く凱旋してやりました。

やはり聖竜が封印されたと話に聞くのと、実際に空を我が物顔で飛び回る私を見るのとでは感じ方も違うらしく、元居た所に帰ってくる頃にはまた一回り大きくなっていました。

恐らくこの星中の大陸や国を見て回りましたが、一番大きくて発展しているのは移転した先のあの国のようです。

私は軽く見せしめとしていくつかの国を喰らい、一番大きな国の周囲を長い身体で囲みました。
私の身体からは生物の身体にも影響を及ぼすような負の気が溢れていましたし、まるで歯が立たない存在に四六時中監視されている訳です。
負の気のせいか、絶望の末にただ正気を失っただけなのか…
内輪揉めが頻発し、国は国としての体をなしてはいられなくなっていました。
しかしながら生かさず殺さず、いい感じに絶望を生み出し続けてもらいます。


ちょっとまた宗教の話なんですけど、そんな状態でもなお聖竜を信じる宗教は絶えませんでしたし、私を奉る宗教なんかもできたりしました。
人間、話の通じない猛獣にも命乞いをするって本当なんですね。
まぁ私は話通じた上で殺してたんですけども。

聖竜の方が何してたかは知りませんが、私を奉る方はよく「献上品」とかなんとか言って生贄を捧げてました。
生きたままであったり、そうでなかったり。

まぁ喰えって事なんでしょうけども、そもそも私その時点で大変大きな国の周囲を二周くらい巻ける程の体躯でしたからね?
人なんて数千人食べた所で味なんかしないし美味しくもないわけですよ。
別に好き好んで国ごと食べた訳じゃなくて、ただの演出として食べただけですし。
その上その宗教の信者達は「私に喰われる事が幸せ」みたいな感じで全く絶望していないんですよ。
絶望を喰らう竜の信者が幸せになってどうするんですか!

なんて事も今思い返せば感想として出てきますが、その時の私は聖竜を封印し世界を掌握した事により若干の燃え尽き症候群になっていました。
人間共は相手にもならない絶望を生み出す家畜に過ぎず。
そんな世界で希望を糧とする聖竜がもう一度私と相まみえられる筈もなく。
たま~~に所謂勇者が来たりもしましたが、やはり相手になりませんでした。


そう、勇者!

勇者ですよ!!

私がこっちの世界に飛ばされる少し前くらいから、妙な勇者パーティを見かけるなぁと思ってたんですよ!

何か見慣れない技術を使ったものを引っ提げて(こっちの世界の技術でした)、見慣れない食べ物食べて、見慣れない魔法やスキルで無双して、防御力あるんだかわからないヒラヒラした服の女の子ばっかり引き連れた勇者パーティが!

こっちの世界来てわかりましたけど、ある時からそんな感じの勇者を異世界に送るのが流行ってたんですね! 

面倒くさいんですよアイツらの相手するの。
何か上から目線で人に説教垂れるようなガキばっかりでしたからね。
洗脳した信者とかで襲ってはみましたが、一応は並みの人間よりは強かったりもするので。
ああ忌々しい。

そもそも「私が作った世界」に来る時点で私が気付かないというのもおかしな話ではあるのですが…

もちろん異世界から来た勇者だけでなく、周囲の国からも数えきれない程の勇者や討伐の為の軍隊が何度も何度もやってきました。
先述の通り私は最早大陸並みに大きいですし、魔法やスキルも効きやしません。
私こそが世界の理です。
重力や摩擦を倒す事ができますか?
私を倒すとは、世界の理を倒すという事なのです。

数えきれない程の人間共が、私によって異空間に閉じ込められ、焼かれ、喰われ、狂わされ、屠られ、嬲られていきました。
途中からは少しズレた次元からエネルギーだけ行き来させていたので、殆どの人間には最早災害としか捉えられなかったと思います。
私の存在自体を認知した者がどれくらいいたのか気になりますね。

そんなこんなで長い間絶望と惰眠を貪っていました。

彷魔暦586919年、あの日までは…

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