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のほ…ほ……Zzzz…

Zzzz…
……はっ!?

のほほ…
聖竜アズオートですわ~~~

さてさて前回のお話の続きですわね!
こンのアズオート、邪竜の方に封印されましたわ~!!

最初の方こそ暴れてみたりしたものの、内側からは出られそうにもございませんでしたわ…
そもそもこの封印は邪竜の方を封印する為に作られたもので、全盛期と比べても力の弱まったこンのアズオートにはとてもどうにもできませんでしたわ。
よくできた封印ですわねぇ。
どなたが作ったんでしょうねぇ……

ともあれこンのアズオートにはどうする事もできず、外の世界の状態もよくわからないまま時が過ぎていきましたわ。
そうしてこンのアズオート…聖竜の存在が伝説になりかけた数十万年後、外界からの声が聞こえましたわ。

所謂テレパシーみたいなものなのですけれども、誰にでも彼にでもテレパシーできたら色々面倒だとは思いません?
こンのアズオートの世界でのテレパシーは、こちらの世界で言う所の「携帯電話の番号」のように「魔力の周波数」のようなものがあり、各人それは微妙に異なりますの。
その周波数がわからなければお互いにテレパシーを使う事はできないし、周波数さえ一度わかればある程度距離があったりしてもすぐに連絡が取れる…
ってな具合ですわ。
どうやら今回の場合はこンのアズオートが封印されている(とされていた場所)の近くで片っ端から周波数毎にテレパシーを試みていたようですわ…
勿論魔力の周波数など数え切れないほどございますので、本当に何代にも渡って…

要約すると、こンのアズオートが封印されてから数十万年が経過している事、その間邪竜の方が世界を支配しており、最早法も秩序もない混沌の世である事、自分たちはそんな世界を昔のように戻すべく様々な活動をしている事、正直言ってまさか本当に聖竜が封印されているとは思わなかった事…等々を聞きましたわ。

今のこの世界ではこンのアズオートが力の源にしている夢や希望も大変少なく、現状で封印を解除して外に出た所で秒で邪竜の方に屠られるのが見え見えでしたわ。
なのであくまでも封印されたまま、外に出た時に一気に希望を吸収できるように準備しておく…という説明をされましたの。

……いやそんな希望とかって作り置きみたいな事できるんですの????
とは思いましたけれども、その時は彼らを信じる他にありませんでしたわ。

その間にも邪竜の方に色々準備しているのを悟られないように、大変心苦しいのですが所謂勇者の方々に邪竜の方に攻めに行って頂いたり……
こンのアズオートは外の様子は見えませんでしたし、何か介入できる力も残っておりませんでしたし、他の手立ても思い当たりませんでしたし……

勇者と言えば…
何か突然現れて、聞いた事もないような武器や能力で女子を侍らせた勇者が何か多数現れたとかなんとか……
まぁ全員邪竜の方には敵わなかったようですわねぇ…

ともあれそこから更に数百年、やっと準備ができたので封印を解く、という話が出ました。
封印自体はほぼ人類側の技術でしたし邪竜の方がより強固にしたりもしていなかったとはいえ、邪竜の方を封印する為に当時の人類の最高峰で作られたであろう封印の装置でしたが、数十万年という時をメンテもなく、ただ荒廃した土地で過ごしてきたそれは、最早物理的に壊せるレベルになってきているとの事でしたわ。
とはいえそれを壊せるだけの魔力を使うとなると邪竜の方に気付かれる恐れがある為、魔力を極力使わず壊す事にしたようですわ。

第4次世界大戦があったとして、使われる武器は石と棍棒だ。

みたいな事を言った学者がこちらの世界にいたそうですが、どこの世界も似たような事になるんですのねぇ……
封印は別の次元のような場所の筈ですのに、ガンガンガンガンと外から聞こえてきて正直怖かったですわ……

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