また見たくなる、オススメのゲームやりこみ動画10選inニコニコ前編

はじめに

 「やっぱりニコニコ動画が一番いい」
先日の友人との会話である。こんな話を令和も馴染んだ2022年にするとは思わなかったが、実際にそうなんだから仕方がない。
 今ゲームの実況や解説、配信動画といえばyoutubeがマージで最強。その投稿数も視聴者数も他のサイトをぶち抜いてtierSSSぐらいになっている。一方ニコニコ動画といえば全盛期はとうに過ぎプレミアム会員が減っていくネットニュースぐらいでしかその存在を確認しない人も多いのではないだろうか。だがしかし、そんなニコニコ動画がyoutubeに勝つ動画ジャンルがある。RTAをはじめとするゲームのやりこみ動画である。
 そもそもyoutubeには共通のタグでの検索がない。また投稿数の多さも相まって、漠然と「RTA」みたい検索の仕方では面白い動画の1000倍量の駄動画によって検索を妨害されてしまう。しかし、そんな問題点を解決してくれるのがニコニコ動画。タグ検索機能はもちろん、サイトが不人気になったおかげで投稿数も絞られ「RTA」「制限プレイ」などニッチな動画も見つけやすい。一部もの好きものが上げてくれる動画を一部の好きものが喜ぶオタク向けの環境として仕上がってきているのだ。
 そんな感じでありがたい存在になっているニコニコ動画に感謝をしつつ、やりこみプレイ動画勢として好きな動画の話が書きたくなったのがこの記事です。暇な人は見ればいいと思う。

 





クロノトリガー ランダム封印

 ( https://www.nicovideo.jp/watch/sm38385314 )

やりこみ内容:SFC版クロノトリガーにて
 ①レベルアップごとにランダムに技・アイテム・装備が封印(えちごやのさいふ禁止)
 ②逃走禁止
 ③最速アクティブ100%クリア
 ④状況再現・バグ禁止

の条件で全ボス撃破

 つい一週間前の2022年1月30日に完結。制限プレイにおいて最も難しいことは「どこまで縛るか」というハードルの設定に尽きると思う。あまり低く設定してはプレイヤーからはやりこみがい、視聴者からは見ごたえがなくなる。かといって高く設定しすぎると完走できずに失踪することとなる。
そんな中で、本シリーズは最後まで走り切れるかどうか、その難易度調整が完璧だった。

 クロノトリガーにおける正攻法のやりこみは”神縛り( https://www.nicovideo.jp/watch/sm26698591 )”および”神縛り難易度倍プッシュ( https://www.nicovideo.jp/watch/sm33119700 )”という金字塔がそびえたっており、これを超えるやりこみは難しい、というよりそもそもどう縛ったら超えられるのか見当がつかない。そこで本シリーズは縛り内容を”ランダム封印”とし、その難易度調整を天に任せた。これがズバリ的中。要所で行動が封印されていく中、その都度チャートを練り直していく必要があり、そこで他に類を見ない戦略が生まれていくオリジナリティに思わず唸ってしまう。

 またこの”ランダム封印”は、最近のニコニコ制限プレイ界隈で大流行してるやりこみだが、これがクロノトリガーのシステムとの相性がすごくいい。4~7キャラの中から3人選択するパーティ編成や各キャラの技を組み合わせることにより発動する連携技など、システムの柔軟性が高く封印された行動に合わせて組み替える妙が他RPGとは一線を画す面白さがあると思う。最終盤、ラスボス”ラヴァスコア連戦”やその前哨戦の”ジール”においてなおとれるパーティの幅が広いのにはおどろかされた。

なお次シリーズとしてクロノトリガーやるつもりらしい。すっきだねぇ~。
オススメ。



ドラクエ8 チートプレイ

 ( https://www.nicovideo.jp/watch/sm27016457 )

やりこみ内容:PS2版ドラゴンクエスト8にて

①初期ステータス固定 ※チート
  ・LvUP時、スキル以外はステータスUPしない
   ※ きのみ・たね系アイテムでの強化は可能
② [にげる] コマンド禁止
   ※ せいすい, トヘロス, しのびばしり等は使用可能
③きのみ・たね系アイテムは
  [落ちているもの] [100%落とす敵のもの] のみ使用可能

の条件で全ボス撃破

 ドラクエシリーズの中でキャラごとの個性がハッキリしていてスキルシステムにより取れる選択肢が多いため多くのやりこみが生まれてるのがこの8。その長所を最大限に生かしたやりこみとして色々な人の記憶に残ってるであろうやりこみがこのシリーズ。レベルを上げないとスキルをおぼえず面白くない。レベルを上げるとステータスが高くなってスキルに頼らずとも戦えるのでやはり面白くない。その矛盾をチートにより解決する超剛腕の荒業によって独自のやりこみ世界を構築した。
 
  ドラクエはFFやその他RPGと比較して(属性、回避、特殊能力他による)無効化が少ない。これにより敵のパワープレイによるごり押しを食らいやすく低レベル進行自体が難しくなっている。普通のやりこみプレイではそれを”ボス戦で必ず経験値が入る”などの仕様を駆使し適切なステータスを確保するが、本シリーズではチートによりそれが行えない。どこまでいってもHPも身の守りも初期状態。いつまでたっても殴られればワンパンで吹き飛ぶ確一圏内である。一体どうしのぐのか。装備やスキル、種によってステータスの底上げを計算しつくし、そこに装備やキャラごとに設定されてる属性軽減効果を掛け合わせていく。この綱渡り感がたまらなく今でもたまに見たくなるシリーズだ。

 現在ドラクエ8動画勢の98%は”ヤンガスはメラ系や炎系を軽減できる”と知っているけど、それはこの動画で鍛えられたからじゃないかなぁ。オススメ。


ドラクエ6 道具のみ

( https://www.nicovideo.jp/watch/sm14532995 )


やりこみ内容:SFC版ドラゴンクエスト6にて ①使えるコマンドは「どうぐ」だけ  の条件で全ボス撃破 緻密に計算された制限プレイもいいけど、「できるかな?まあ多分いけるだろ、やっちゃえ~」ぐらいのノリで始めてあとは試行回数で無理やり進み続けるタイプの制限プレイもいいよね。完全にそういうノリの動画。

 本シリーズにおいて最も大きな山場、シリーズ通して最強の敵と名高いボスの名前は「とうのへいたい」。既プレイヤーすらほとんど覚えていない彼は「どうぐのみ」の縛りにおいて絶望の象徴となる。ていうかその時点で道具でまともにダメージを与える手段がない。その解決方法とはいったい!こうご期待!

 なお本シリーズ、途中から結構ぬるくなっちゃうので動画の最中も脱線が多くなるんだけど、その脱線が面白い。投稿者が「セーラー服」のガチ勢でありその拘りを延々語るやばめの人なのでヤバイ人ウォッチが好きな人はそういう意味でも楽しめるだろう。『え、こいつマジで犯罪者では?ああ、まあ、服だけならセーフなのか。・・・・・・セーフなのか?』みたいに困惑しながら見れる。オススメ。

地球防衛軍5 エアレイダーINF縛り+仲間生存

https://www.nicovideo.jp/watch/sm36159888 )

 やりこみ内容:地球防衛軍5(ハード不明)にて
①エアレイダーで難易度infernoのみをプレイ
②一度クリアしたミッションの再出撃禁止
③アンカー、輸送船を利用したアイテム稼ぎは原則禁止
 (ビークル等功績確保の為やむを得ない場合を除く)
④合流可能な隊員を最低3名は生還させる事
※3名以下、もしくは3名しか居ないミッションを確認中(あれば折衷案)
⑤合流あるいは設置の為の峰打ち禁止
⑥完全安置での籠城禁止
 の条件でDLC含む全ミッションクリア

やりこみの本質とは何だろうと考えた。行き着くしかない人が行き着く場所とはどこだろう。その答えの一つは「言われてもいないことを勝手にやり始める」ことじゃないだろうか。本プレイはそんな余計なお節介の極致である。

 地球防衛軍シリーズはプレイの難易度が選択できる仕様で、まずEASY~HARDから選べる。そして全ミッションクリア後に追加要素としていわゆる”2週目”として難易度HARDEST及びINFERNOが追加される。「INF縛り(いきなりINF、いんしば)」とは、”2週目”で選択するべき難易度INFERNOに装備体力が成長していない段階で飛び込んでいき稼ぎをしないままクリアする(縛り条件①~③に該当する)やりこみプレイであり、地球防衛軍界隈では最もポピュラーなやりこみの一種だ。(ちなみに僕を始めとする一般ゲーマーにとっては縛らないINFERNOですらひーひー言いながらやるか、下手すりゃやろうともしない程度の難易度である) 本シリーズはそんなやりこみでは飽きたらんとし、さらに変なことを言い出した。ミッションごとに配置されるNPCを救いたいというのである。

 地球防衛軍シリーズでは、各ミッションごとにNPCが若干名配置されている。配置数はミッションによって違うが、武器の火力などのステータスはプレイヤーとは比べるまでもなく貧弱で、大抵放っておくと敵にすりつぶされている。まして難易度INFERNOではその命の軽さはリアルに蟻んこ程度だ。
そんなNPCを、時にはファンネルとして護衛に、時には敵の攻撃のタゲ取りを任す盾に、そして生きたデコイとして敵の注意を引き付けさせてそこに地雷を設置や空爆を仕掛けるなど、いかにその命を使いつぶすかが熟練のプレイヤーの腕の見せ所だといえるだろう。

 しかし、当プレイはそれをさらに乗り越える。ちょっと目を離した隙に糸にくるまっておねんねしたり勝手に敵に突っ込んで返り討ちにあったり、要介護認定のNPCたちを見捨てることなく少しでも多く助けていく。そのやりこみはまさに戦場の英雄、ストーム1の姿だ。

本気の余談だけど、steam版地球防衛軍6が出る前には5のINFクリアしたい。オススメ。

 

カービィボウル 保証対象外

( https://www.nicovideo.jp/watch/sm28689184 )

やりこみ内容:壊れたSFCでSFC版カービィボウルを
①できる限り低打数でクリア

 動画勢が動画を開くときに期待しているのは「なにこれしらない」の感情であろう。好奇心を満たすために、人類はサルから進化し地球上をくまなく探索し文化を発展させた。現実のマップはすでに全部開けられ、それでも満足できてない今日の我々を楽しませてくれる動画こそ本シリーズである。

 この動画はやりこみのすごさでは他の追随を許さない。なんていったって「投稿者のスーファミが半分壊れているため、カービィが物理演算を無視してすっ飛んでいく」という唯一無二の環境こそがやりこみの肝だからだ。
誰にもマネできないこの環境を、なんかしらんが一人で面白がって遊びだし、挙句そのバグ挙動を制御しプレイに活かし始めた。こんなもの、世界中探しても類を見ない、まさに奇跡のやりこみなのだ。

 ていうかやりこみ云々以前に、カービィの吹っ飛び方がなんの前触れもなしに勢いよく吹っ飛びすぎて笑ってしまう。何はともあれ一度は見てほしい。オススメ。


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