移動祝祭日々
旅をした。
書かないあいだに、旅に出かけた。
カカオ入りのフランスパンにカマンベールチーズと発酵したトマトがのっているのを味わい、生まれてはじめての新幹線にものった。
キーホルダーをつけて歩いた記憶がそこまでない。いつか部屋を掃除したときに
「これはだめだ。使い道がなさすぎる」
となって以降、買おうという考えから遠ざかっていた。
福岡で、友達が札幌でするのと同じ手つきでガチャガチャをよく回した。つられてわたしもめんべいのガチャガチャを回した。
引き当てた辛いめんべいをリュックにつけてくれた。写ルんですで背中を撮ってくれた。
もう落としてしまってない。
背中を撮っていてくれてよかった。
JRで砂川へと向かった。駅前通りがおばあちゃん家のそれだった。場所と場所が似通うことはもちろん寂しくないことだ。
眩しくて池と太陽の反射を見ていることがほとんどできなかった。夕焼けが落ちてほっとした。
としまえんも舞浜も、陽射しがジュージューだった。
二階建てのバスにのった。
風がびーびーと鳴って、看板が近くて、取り返しのつかないことになりそうで、その緊張と東京タワーとレインボーブリッジの灯りのバランスがとれていた。
夏をわんぱくに切りとるとこうなる。
点線に沿って居たら日々がくすんで困る。
🍎
おしまい
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