見出し画像

漫画『忍者と極道』から入る映画プリキュアのススメ

『忍者と極道』は間違いなく今一番面白い漫画であることは明らかだが、最近はオマージュネタの爆撃が本格化してきたのでプリキュアに興味を持ち始めた読者もいると思う。『忍者と極道』はプリキュアを知らなくても宇宙一面白い漫画であることは間違いない。間違いないのだが、本編中にこれでもかと差し込まれるプリキュアネタを理解することでその面白さが更に弾けるため、ここでプリキュアの布教をすることにした。それほど長くはかからないからまあ座っていけ。

プリキュアは現行作品を含めて17作品も存在する歴史あるシリーズであり、1作品4クールの話数の多さも相まって、なかなか手を出しづらいことになっていると思う。つまり興味はあっても入口のハードルが高い。そこで提案するのがTV版ではなく映画版プリキュアを観るということ。なぜ映画版を勧めるのか?メリットを順を追って説明しよう。

ちなみに私は過去にプリキュア映画24作を連続視聴した経験があり、その言葉には説得力があるので信用してほしい。


①映画一本の尺なので手を出しやすい
映画一本、約90分(2時間もない!)で済むので50話近い本編を視聴するのに比べるとかかる時間は圧倒的に少ない。もちろん気に入ったらそのままTVシリーズを観始めてもいい。
 
②プリキュアの個性や人間関係が理解できる
基本的にメンバー全員の見せ場が用意されているのも映画版のポイントで、誰がどんなキャラクターなのかテンポよく知ることができるはずだ。
 
③オリジナルのストーリーなので前情報なしで楽しめる
本編とは異なる世界が舞台だったり、オリジナルの敵キャラが登場するので一見さんにも優しい。
 
④観る手段が比較的多い
AmazonプライムやU-NEXT、dアニメストアなど各種映画配信サービスでのラインナップが充実している。
 
④TV版で歩んできた関係性や成長に思いを馳せられる
あなたが行間を読むタイプのオタクであればプリキュアたちの言動から本編で培われた関係性を”察する”ことができるだろう。一年間にという長期にわたって放送されてきた物語に無限の思いを馳せられるのは、本編を知らない人間の特権である。


逆にデメリットとしては映画版は基本的に追加戦士の正体バレが済んだ後のため、映画の後にTV版を順を追って観た場合の楽しみの一つを削ぐことになってしまう。注意しよう。


何から観ればいいのか

映画プリキュアは大別して単独作品映画とオールスター映画がある。それぞれに違った特徴があり、単独作品映画はドラマやストーリーに重きを置いている一方で、オールスター映画はシリーズの垣根を超えたお祭り感が楽しい。

とはいっても映画作品だけでも20を超える数が存在する。その中からタイトルとビジュアルにピンときたプリキュア映画を観ろ!……というのも投げっぱなしなのでおすすめ作品をいくつか紹介しよう。


映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?(2010)

「プリキュアって子供向けアニメでしょ?」という固定概念をブチ壊す完成度でストーリー、キャラクター、ギャグパート、作画そのどれもが高水準で劇場版らしいスケール感。迷ったならまずはこれを観るんだ。


映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて2019)

ストーリーの構成が異常に上手く、「出会いと別れ」の描き方、及び付随する感情が鬼気迫っている。お馴染みとなった歌とダンスパートの使い方がシリーズ随一で、端的に言ってヤバい。SF好きならぜひ。


映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ2018)

プリキュア15周年記念作品であり、歴代シリーズのプリキュアが総出演するお祭り映画。「プリキュアのこと全然わからないのにオールスターから入っていいの?」という疑問はあるだろうが、アベンジャーズもアイアンマン1とキャプテンアメリカ1とソー1を観ていなくても大丈夫なので大丈夫だ。前半のHUGプリパートだけで映画一本分の感情が喚起されるうえ、後半に至ってはもはや光の奔流なので長期シリーズの歴史に殴られたいならぜひ観るべき。


後はスマプリやまほプリ、ハピチャも傑作映画だしプリキュア5の映画二作も素晴らしく、初代やSSの映画もチェックするに越したことはない。「忍者と極道」でフィーチャーされているフレプリとドキプリは他のシリーズに比べるとやや弱いが(プリキュア映画は作品ごとの出来不出来が激しいがそれは試行錯誤の結果であり、新たな試みに挑戦する姿勢はリスペクトしている)、十分視聴するに値するだろう。他のオールスター作品ならDXとNT三部作は欠かすことはできない。ちなみにプリキュア映画において「これさえ押さえておけば大丈夫!」というものはない。全部観ろ。いや、観るのが望ましい。

未来へ

もし映画を観ていってお気に入りの作品やプリキュアがあったら、そのシリーズから入ればいい。どのプリキュアもみんな違ってみんな良いところがある。もしも余裕があるのなら現行作品の『ヒーリングっど♥プリキュア』を一から観るのをすすめたい。これはプリキュアに限ったことではないが、シリーズものに初めて触れる際に、まず最新作を観ることは正しい判断だと個人的に思っている。

プリキュアのメイン視聴者層は女児であり、毎年プリキュアに入学する子と卒業する子が存在する。つまりリアルタイムで代謝を続けるコンテンツなのだ。毎年新たな子供たちの心に残るよう、プリキュアという枠組みの中で様々な工夫や試みがなされている。このことを踏まえておけば、また違った見方ができるはずだ。



(終わりです)

ここは記事下のサポートエリア!わたしをサポートしたいと思ったそんなあなたに、わたしのamazonほしいものリスト! https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/1XCLS13WI5P8R?ref_=wl_share