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まぁいっか

「過去に戻りたいって思ったことある?」

高校時代の友人と電話をした。そして彼女にこう聞かれた。私は答えに迷うことはなかった。

「思わない」

彼女は、自分は「完璧だね」と言われた時代に戻りたいのだと言った。


私は過去を振り返ることがあまり好きではない。いつも楽しい思い出よりも反省してる思い出、後悔している場面が真っ先に浮かび上がってくるからだ。そしてそれは、周囲からの評価が高かった時ほど覚えている。

そう。今の私は、とっても適当で、気もまわらず、できないことで溢れている。無気力になってぼーっとしていることも多い。頑張っているかと言われたら頑張ってないなと思う。周りからの評価はよっぽど過去の方が高かったなと思う。

でも、戻りたいなとは思わない。

完璧では全くないけれど、まぁいっかと思って生きている。

色んな人と出会う中で、色んな見えないものと出会う中で、自分が良いと思ってたことがある人にとってはとても嫌なことなんだと知ったり

自分がいけないと思っていたことを、ある人にありがとうと言われたり。

一つの太い軸で進んでいた線があらゆる方向に伸びる細い線の集まりに変わった。


見えないもの、聞こえないもので溢れているんだろうなと思いながら、もう一度出会ってみる。自分や周りの人たちに。向き合いたくない時は少し脇道に逃げておくことだってある。ぶつかってみなければ分からないことだってある。だめな自分を開いていくとすっとその人と繋がれる時もある。もちろんそうやって生きている今の自分を嫌になることだってあるけれど

「大丈夫よ!」「いいよ、いいよ!」

と内側から声が聞こえる。まぁ、いいかと思える。

これはきっと私の声ではないのだと思う。今までそう言ってくれた人たちの声だ。そう言いながら見捨てずに見守ってくれた人たちの声だ。

私もいつか誰かの…子どもたちや電話をくれた友人のそんな声の一つになれたらいいな。





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