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「まちがよくなる仮説を立てる」第二回錦江町役場職員研修を実施しました。

錦江町役場職員がまちの将来をよくしていく「変革の担い手」となることを目指す研修を、株式会社エーゼログループが担当しています。2023年6月の第一回研修に続き、9月28日には第二回研修を実施しました。
今回は「まちがよくなる仮説を立てる」がテーマです。研修内容の一部をご紹介します!

参考:
『役場らしくない役場へ。 西粟倉村地方創生推進班の活動を振り返って』
https://throughme.jp/idomu_nishiawakura_suisinhan2/

役場から錦江町の未来を!第一回錦江町役場職員研修を実施しました。
https://note.com/azero_kinko/n/n7aae3ce3d417



視点を定め、将来像を妄想する

2年間の研修の流れ

第一回研修では、2年にわたる研修の柱となる、自分自身の「視点と要素」を定めることに取り組みました。自分自身が気になる視点(問題意識)と、その視点で見たときに、物事を詳しく説明できる要素を定めます。ここでの「自分自身の視点と要素」は、思いをめぐらす中で変わってもよく、回が進むごとに深め、明確にしていきます。

第二回研修のテーマは「まちがよくなる仮説を立てる」。

「仮説を立てる」とは、まちをよくする取り組みの計画を立てていくのですが、その考え方には順番があります。
まず、「将来像」を描きます。

「将来像」は、自分が気になる視点でまちを見たときに、こうなったらもっと楽しい、もっとおもしろい姿を妄想して、書き出します。

少し細かくなりますが、「将来像」を描くときには、四つの要素から検討します。
1.自分の「ねがい」が反映されていること。
2.経済や社会の状況といった外部環境を考慮していること。
3.まちや人、自分たちの強みが生かされていること。
4.実現できる可能性が必ずあること。
検討したそれぞれの要素が、今後、仮説を立てていくときに役立ちます。

次に、「将来像」を実現するための「課題」を明らかにします。

「課題」とは、望ましい将来像に向けて、超えなければいけないハードル。つまり、将来像を描かなければ、課題は発生しません。現状が同じでも、将来像が違えば課題は違い、解決する取り組みも変わってきます。

「課題」を解決できそうだと当たりを付けた取り組みが「仮説」です。
「課題」が明確であればあるほど、乗り越える手段を探しやすくなり、具体的な手順を踏んだ「仮説」を設計することもできるようになります。

一連の流れを講師から紹介した後は、個人の意見をまとめたワークシートの記入と、グループ内で共有してまわりからの意見をもらうディスカッションを組み合わせて、実際に仮説を立てていくことに取り組みました。

自分自身の「ねがい」を確かめる

自分を形成するものは何かを語りあう

ワークシートの記入を始める前に、ウォーミングアップのディスカッションとして、グループ内で自分を形成するものを語り合っていただきました。

自分が大好きなもの、どうしても気になること、これを外して自分は語れない、自分の根っこにあるもの。ご自身の定めた職域に近い視点につながる話もあれば、普段のお仕事とも全く異なる、思いがけない話も飛び出し、にぎやかな笑い声も聞かれました。

冒頭で自分の根っこを語っていただいたわけは、「将来像」を描くときに必要な要素の一つ、ご自身の「ねがい」を確認していただくためです。「ねがい」とは、自分自身を形成する柱となるもの、自分のものの考え方の中心になっているもの。将来像に反映された「ねがい」は、将来像を自分事とし、実現を後押しする力になります。

一人ひとりに自分自身を形成する大事な「ねがい」があり、たくさんの「ねがい」が集まり、このまちをつくっています。

今回の研修の参加者と同じ行政職員の方々や、地域に根ざした仕事をされている方々には、まちの「ねがい」とご自身の「ねがい」を振り返ってみていただけたらと思います。

まちがよくなる仮説を立てる

まちをよくする将来像を書き出す

第二回研修ではワークシートを4枚用意しました。順番に書き出し、自分の考えをグループで共有し、意見を出し合っていただきます。

前半は3枚のワークシートを用いて、ご自身の気になる視点・要素で見た時の、最も意識したい要素について、ご自身の根っこにつながる、望ましい将来像を描いていただきました。

ご自身を形成する大事な根っこを言葉にしたことで、教育や地域コミュニティ、福祉、観光、住宅といったそれぞれの視点で描く将来像に、少し現実感をもたらしたようです。実現したら自分自身がおもしろいと思える未来のまちの姿の共有に、もっと楽しくするには、もっとおもしろくするなら、と意見も相次いでいました。

後半は、望ましい将来像と現状とのギャップを踏まえて、将来像が実現するための仮説を見出します。

ワークシートの記入時も、考える順番は、まず視点と要素を決めて、将来像を描くこと。そして、現状を正確に把握して、現状と将来像のギャップである課題をしっかりと見出すこと。限られた資源をどう活用して、将来像を実現していくのか、課題を的確に言葉にできれば、解決策の糸口もつかめます。

普段の仕事とは勝手が違う思考の整理に、時には手が止まり、頭をひねり、またペンを動かしと、集中して取り組んでいただきました。

共有の時間は、チームで支え合うことを実感する時間でもあります。自分の考えを書き出しきれなくても、まわりからヒントや応援がもらえます。一つの共有に寄せられた多様な意見の中から、ご自身の将来像をさらによくするヒントに気づかれ、ワークシートに追記する姿も印象に残りました。

第三回研修に向けて

最後にこの日のふりかえりとして、改めてチームごとに「最高におもしろい、最高に魅力的なこのまちの将来の姿」を発表してもらいました。

直前まで描いていた将来像をさらにクリアにして、実現できそうな未来を描かれる方や、ご自身の根っこにつながる新たな視点でユニークな未来を描かれる方があり、グループでの共有も大いに盛り上がりました。

今回の研修では、たくさんの人と意見交換していただくために、第一回研修とはメンバーを入れ替えたグループで取り組んでいただきました。その意図もすぐにくみ取っていただき、相手の将来像にご自身の将来像を重ねたコメントが次々出され、「こんなことができるんじゃない」と斬新な意見も飛び交っていました。多様なメンバーが、錦江町のよりよい未来をともに作る、そんな今後が楽しみです!

第三回研修のテーマは「プロジェクトを設計する」。
改めてご自身の視点で最高におもしろい将来像を描ききり、現状とのギャップをどう埋めていくか、「まちをよくする仮説」をプロジェクトとして設計していきます。

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