コピ本交換会感想会場その2

③祈りと火/星野いのり・西川火尖

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俳人の合同誌。互いの俳号から一文字ずつとって句に読み込んだり、タイトルになっていてコラボを感じる、火尖るさんは『祈求』いのりさんは『火に呑まれ』というタイトルをそれぞれつけている。日々の暮らしとガザの火。暮らしのなかの祈り。『祈求』から気になった句をひとつあげる。「雪の書庫点る唇から渇き」ガザに雪は降るのだろうか。灰が降る。建物を効率よく破壊するための爆薬。人が居住するところに落とされるべき爆弾ではないものが落とされている。ハイテク国家の技術が破壊のために使われている。ヒロシマで人々は学んだのだろう。放射線で土壌を怪我すことは血で穢すことよりもずっと罪深い未来への負債であることを。つまり血は放射性物質よりも軽い。ほんとうにそうか? 日本に住む私たちは簡単に流れた血のことを忘れている。中東ではどうか。仲間の血の流れた土地のことを彼らは簡単に忘れるだろうか?
いのりさんの近況報告からやばな毎日を送っていることが伝わってくる。「夜ごと穢に呑まれて寒の月傷む」は作者の心境でもある気がした。一度暴力にさらされた人間が身も心も安全な環境を実感するためには多くの時間と努力を必要とする。イスラエル兵から逃れたところで、巻き込まれた人間の戦禍は続くのだろう。では「国家の法の許す範囲で」虐殺に加担した人間は?日常は簡単に彼らを受け入れるだろうか?
最後にすみっコぐらしのプロフ帳コーナーがあり、なごんだ。火尖さんのイラストからは闇を、いのりくんのイラストや文字からは真面目さを感じる。火尖ページの落書きがこわい。でも小学生のころ、男子にプロフ帳頼むとこういうのが返ってきたよな、とぃう懐かしさもある。

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