人間の顔を上手く認識できない。顔。まぁ写真で見たらわかる。さすがに。しかし動いている人間や立体の人間の顔を認識しようとすると上手く行かない。人間の顔を機械に学習させ自動生成させると思いもよらぬ恐ろしい画像をひねりだしてくることがあるが、わたしの脳もそんな感じである。たぶん連続した時間の中から「瞬間」を切り出すことができないのだ。顔。両親とか子供とか肉親の顔を思い浮かべる。ぼんやりとした何かが像を結ぶ。像は絶えず変化していてある時点までは現実の顔に接近していくのに、またある時点からはどどん架空の顔に近づいていく。人が人の顔の美醜の話をするのに上手く混ざれない。それをごまかすために、思春期の頃などは、ついルッキズムを強調するような会話をしてしまうこともあった。より良い顔、より良い暮らし、より良い行い。目の前のものを目の前のなにかと比べることは簡単だ。でもなにかとなにかを比べるとき、私たちはそこにないものの存在を忘れる

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