日本プロ野球セ・パ両リーグの前半戦を終えて
7月21日をもちまして、2024年度の日本プロ野球セ・パ両リーグのレギュラーシーズンは「オールスターゲーム前までの全日程」(つまり前半戦)を終了しました。
通常リーグ戦が再開した6月21日から7月21日の間、交流戦を終えてからも白星を重ねて躍進した球団もあれば、逆に黒星を重ねて転落して行った球団もありました。
そこで、前半戦を終えた全12球団について語ろうかと思います。
なお、交流戦終了時点のセ・パ両リーグの順位に関しましては以下の記事にて。
セントラル・リーグ
↑1位:読売ジャイアンツ(OP戦9位、最下位予想)
交流戦終了時点31勝30敗5分(セ・リーグ3位)
+6/21~7/21:15勝8敗0分
→前半戦終了時点46勝38敗5分(セ・リーグ1位)
残り54試合
「OP戦9位の呪い」や「週ベの呪い」に苦しめられながらも、エリエ・ヘルナンデスの活躍で何とか交流戦を乗り切った巨人は、交流戦明け最初のカード(対ヤクルト3連戦)こそサンタナ(ヤクルト)の猛打の前に負け越したものの、6月最終週を3勝2敗、7月第1週を4勝1敗と勝ち越すと、マツダ2連戦+東京ドーム6連戦+バンテリン3連戦の(難敵揃いの)11試合を7勝(森下(広島)、ジャクソン(横浜)、吉野(横浜)、才木(阪神)、大竹(阪神)、メヒア(中日)、松葉(中日))3敗(ケイ(横浜)、ビーズリー(阪神)、高橋宏斗(中日))1雨(九里(広島))で乗り切り、貯金を8にまで増やして首位ターンに成功。
ただ残り54試合もあり、後半戦こそが優勝争いの本番であるので、全然安心なんて出来やしない。
何せ、過去23年間でBクラス15回という「OP戦9位の呪い」があるのだから・・・・・。
果たして阿部慎之助監督は、過去23年間でたった2回しか達成していない「OP戦9位チームのリーグ優勝(リーグ勝率1位)」を達成出来るのであろうか?
そして、過去23年間で1度も達成していない「OP戦9位チームの”日本一”(リーグ優勝+CS勝ち抜き+日本シリーズ優勝)」を達成出来るのであろうか?
↓2位:広島東洋カープ(OP戦10位、順位予想2位~5位)
交流戦終了時点32勝25敗4分(セ・リーグ1位)
+6/21~7/21:11勝12敗0分
→前半戦終了時点43勝37敗4分(セ・リーグ2位)
残り59試合
投高打低の今シーズンを、大瀬良、森下、九里、床田という実績豊富な先発陣に栗林、島内、森浦という強靭なブルペン陣からなる強力投手陣と、4番に小園を据えて繋がりと機動力と守備力を重視したスタメンを形成する野手陣を以て優勝争いを繰り広げ、前半戦最終戦で阪神相手に3-12と惨敗して首位から陥落したものの、首位から僅か1ゲーム差の2位という好位置に着けて前半戦を終えた。
(開幕カードで故障した)左肩を手術した新外国人野手・レイノルズを契約解除した上に、追加補強を実施しない事が明言された者の、もう一人の新外国人野手・シャイナーが来日初本塁打を記録し、更に昨年ブレイクした末包も復帰すれば、繋がりと機動力を主体とした打線に飛距離という更なる武器も追加される事になり、新井監督の胴上げも見えて来るであろう。
また、優勝争いをしている他球団よりも残り試合数が多い事もアドバンテージとなるかもしれない。
↑3位:横浜DeNAベイスターズ(OP戦同率6位、順位予想2位~5位)
交流戦終了時点32勝31敗1分(セ・リーグ4位)
+6/21~7/21:13勝11敗0分
→前半戦終了時点45勝42敗1分(セ・リーグ3位)
残り55試合
交流戦まで「ホームゲームで勝てない」横浜だったが、通常リーグ戦再開後のホームゲーム11試合(横浜スタジアム10、新潟1)を7勝1敗1雨と勝ち越して、その傾向が改善されている様に感じられた。
その要因は何と言っても強力打線。
筒香が故障離脱したものの、交流戦から復帰したオースチンがここまで故障する事無く機能し続け、実績のある佐野、牧、宮崎に加えて山本祐大も当たりに当たっており、セ・リーグ最強の打線と言っても過言ではない。
ただその打線も、過去1~2シーズンにおいて時折機能不全を起こす事もあり、打線の好調を年間通して維持出来るかに優勝が懸かっていると言っても過言ではない。
また、前半戦最終戦で見せた東以外の投手陣(特にブルペン陣)の疲弊も気になる所。
↓4位:阪神タイガース(OP戦最下位、優勝予想)
交流戦終了時点32勝30敗4分(セ・リーグ2位)
+6/21~7/21:11勝12敗1分
→前半戦終了時点43勝42敗5分(セ・リーグ4位)
残り53試合
交流戦が明けても得点力不足に悩まされ、2軍調整を進めていた大山、サトテル、森下を復帰させたものの一向に改善されない阪神。
交流戦まで日曜の先発担当だった才木(交流戦終了時点でチームトップの8勝)を火曜の先発担当に代えたものの、今度は才木も勝ち星から見放される事に。
また、得点力不足によって僅差での逃げ切りを強いられる事となり、石井大智、桐敷、岩崎、ゲラといった勝ちパターンのリリーフ投手達の登板数が嵩んでおり、後半戦の投手運用に不安を残す事に。
そんな「笛吹けども踊らず」というどうにもならないチーム状況に、試合終了後の岡田監督の発言内容が何やら焦げ臭くなって来て・・・・・。
ただ、7月12~14日の対中日3連戦や7月19~21日の対広島3連戦では2連敗しながらも3戦目を拾って同一カード3連敗を回避したり、何度も勝率5割になっても次の試合に勝利して借金生活を回避している所に、「ギリギリの所で踏みとどまれる」昨年の日本一チームの底力を感じさせられる。
それに加えて、残り53試合もあり、その間に去年の強さを取り戻せば、球団史上初のリーグ連覇ないし連続日本一は可能であろう。
→5位:中日ドラゴンズ(OP戦同率1位、順位予想2位~5位)
交流戦終了時点27勝33敗5分(セ・リーグ同率5位)
+6/21~7/21:11勝13敗1分
→前半戦終了時点38勝46敗6分(セ・リーグ5位)
残り53試合
例年通りに投手力頼みのチームである中日は、交流戦明けも相変わらずの投手陣頼みの野球で乗り切っていた。
広島相手に(全てバンテリンドームではあるものの)6試合5勝1敗、阪神相手に(甲子園3試合、バンテリン3試合で)6試合3勝2敗1分、巨人相手に5試合2勝3敗と善戦した一方で、横浜相手に6試合1勝5敗、ヤクルト相手に2試合2敗と出入りの激しい戦いをして、借金を更に2つ追加してしまった。
前半戦最後のカード(対巨人3連戦)で細川と中田翔に一発が出た事もあり、何とか得点力を向上させて順位も上げていきたい所。
↓6位:東京ヤクルトスワローズ(OP戦3位、順位予想2位~6位)
交流戦終了時点27勝33敗4分(セ・リーグ同率5位)
+6/21~7/21:9勝14敗0分
→前半戦終了時点36勝47敗4分(セ・リーグ6位)
残り56試合
「弱小投手陣を強力打線でカバーする」という基本戦術で交流戦勝ち越しを決め、交流戦明け最初のカード(巨人3連戦)を勝ち越したヤクルトだったが、7月5日の巨人戦(神宮球場)でサンタナが故障離脱した途端に打線が機能不全を起こし、黒星を積み重ねて最下位を独走する事に。
しかし、前半戦の最終カード(神宮での対横浜3連戦)で、それまで不振だった村上宗隆やオスナが当たりを取り戻し始め、横浜打線との打撃戦を制してカード勝ち越しを決める等、サンタナ不在の間に打線(特に村上宗隆、オスナ、長岡)が本来の破壊力を取り戻し、更にサンタナが復帰すれば、まだ巻き返しは可能であろう。
パシフィック・リーグ
→1位:福岡ソフトバンクホークス(OP戦同率1位、順位予想3位~5位)
交流戦終了時点41勝19敗2分(パ・リーグ1位)
+6/21~7/21:14勝10敗1分
→前半戦終了時点55勝29敗3分(パ・リーグ1位)
残り56試合
交流戦明けの直近3カード(9試合)を8勝1敗と勢いの止まらないソフトバンクでしたが、7月に入って第1週の5試合で2勝3敗、第2週の5試合を1勝4敗と、過去2シーズンでの失速を思い起こさせる様であった。
それでも、第3週の6試合を4勝2敗で終え、広州線終了時点で9ゲームだった2位との差を10ゲームにまで離した。
柳田が今季絶望となり、クローザーのオスナも不在ではあるものの、元来の選手層の厚さから彼等の穴を埋められる事もあって、首位転落の危険性はそうそう無いと思われる。
→2位:千葉ロッテマリーンズ(OP戦11位、優勝予想)
交流戦終了時点31勝27敗5分(パ・リーグ2位)
+6/21~7/21:13勝11敗1分
→前半戦終了時点44勝38敗6分(パ・リーグ2位)
残り55試合
何とか首位ソフトバンクとの差を縮めようと奮戦するロッテであったが、他の4球団からは白星を稼げ(対西武に至っては開幕からここまで11勝0敗)はするものの。肝心の首位ソフトバンクとの直接対決で勝てず(交流戦後の6試合で1勝4敗1分)、首位との差が縮まらず。
佐々木朗希の復帰の目途が立ってないものの投手陣はそれなりに機能しており、やはり「首位ソフトバンクに勝つ」事自体が課題と言えよう。
→3位:北海道日本ハムファイタース(OP戦同率6位、順位予想3位~5位)
交流戦終了時点32勝28敗3分(パ・リーグ3位)
+6/21~7/21:11勝11敗2分
→前半戦終了時点43勝39敗5分(パ・リーグ3位)
残り56試合
交流戦で3つも借金を作り、交流戦明けからも思う様に勝てずにBクラス転落が見えて来たものの、前半戦最終カード(対ロッテ3連戦)を3連勝する等して何とか持ち直し、3位で前半戦を終える事が出来た。
これまで打棒を振るっていた万波や水谷達に加えて、交流戦期間中に再昇格したレイエスや交流戦最終戦に再昇格した清宮もその打棒を振るっており、BigBoss政権3年目にして初のAクラス入りに向けて、後半戦に期待がかかる。
→4位:東北楽天ゴールデンイーグルス(OP戦4位、最下位予想)
交流戦終了時点31勝31敗1分(パ・リーグ4位)
+6/21~7/21:12勝10敗1分
→前半戦終了時点43勝41敗2分(パ・リーグ4位)
残り57試合
交流戦明けの直近3カード(9試合)こそ2勝6敗1分と負けが込んだものの、7月に入ってからは西武やオリックスに3タテを食らわせる等して10勝4敗と貯金を稼ぎ、「交流戦優勝は伊達ではない」所を見せつけた。
現在4位であり、首位からも12ゲーム差と遠いものの、2位とは僅か2ゲーム差であり、Aクラス入り(CS出場権獲得)のチャンスは大いにある。
ただそのためには、「火~木のカードの勝率の悪さ」(6/21~7/21の間に行われた月~水の8試合で2勝8敗)を克服数る必要があると思われる。
→5位:オリックスバファローズ(OP戦5位、順位予想2位)
交流戦終了時点29勝33敗2分(パ・リーグ5位)
+6/21~7/21:11勝12敗0分
→前半戦終了時点40勝45敗2分(パ・リーグ5位)
残り56試合
逆転でのパ・リーグ4連覇を諦める事無く、交流戦明けの対西武3連戦を勝ち越したオリックスだったが、その後2カード連続で負け越し、7月に入って5連勝したものの、その後3カード連続負け越し(前半戦最終カード(対楽天3連戦)に至っては3連敗)で前半戦を終えた。
首位から15.5ゲーム差と離され、パ・リーグ4連覇は無くなったと言っても過言ではなく、ロッテ(5.5ゲーム差)、日ハム(4.5ゲーム差)、楽天(3.5ゲーム差)との「2つの椅子を巡る、4者による椅子取りゲーム」に勝つしかなくなってしまった。
→6位:埼玉西武ライオンズ(OP戦8位、順位予想3位~5位)
交流戦終了時点19勝44敗0分(パ・リーグ6位)
+6/21~7/21:8勝15敗1分
→前半戦終了時点27勝59敗1分(パ・リーグ6位)
残り56試合
交流戦明けてから2件のトレードを成立(巨人から松原、ソフバンから野村大樹を獲得)させたものの、西武の弱さは相変わらずで、7月に入ってからも8連敗する等して、交流戦終了時点で25もあった借金がとうとう32にまで増えてしまった。
ちなみに、シーズン100敗するには残り56試合で41敗する必要があるのだが、残り56試合で勝ちと引き分けを合わせて15以下に収めるというのはさすがに無理だろう。
最後に
以上、ここまで前半戦を終えてのセ・パ12球団について語りました。
本文内での文章の量からお察しの通り、大混戦のセ・リーグばかりに目が行って、「2つの椅子を巡る、4者による椅子取りゲーム」はあれどソフトバンクの優勝が揺るがないパ・リーグはあまりチェックしておりませんでした。
さて、オールスターゲーム2試合の後、7月26日(金)からはまた両リーグの公式戦が再開されます。
どの球団も残り50数試合の中で1つでも多くの勝利を、1つでも上の順位を目指し、全てを尽くす事でしょう。
それでは、NPB全12球団の健闘を祈りましょう。
以上、長文乱文失礼致しました。
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