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トラウマだ。
悲しい事にそのトラウマは大変美しかった。

時間を止まったような人、というのがいてね。
いつの季節もいつの街を歩いても同じ歩幅で同じ顔つきでその瞬間の風を絶えず浴び続けている。

そういう人はなんだか良く笑う。
泣き顔のまま、なんだか良く笑っている。
瞼に刺さる秒針は濡れて動かぬ時計の目玉だ。
悲しい事に人はそれを美しいと思った。
儚いものが好きな不埒な客だ。

仰向けで泣けば耳に入ってきて不快だよ。
落ちる少女の手を引いて助け出す少年の装画の小説があって、返して貰えかった。
私は平気な癖にずっと助けて欲しくて堪らない。
振り払った手を本当は、握り返したくて
4回まばたきした。
青痣は金色に光りながら
あいつを殺しにいくのかもしれないね。
そうだといいかな?私はもういいかも。
許した訳じゃないけどさ。

窓際の席で寝ているふり

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