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ミッドサマー

監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー、ウィル・ポーター、ジャック・レイナー、他

Netflixにて鑑賞。
両親と妹を不慮の事故で失い精神的に不安定になっていた主人公ダニーは、恋人クリスチャンとその友人達と共にスウェーデンの奥地のコミューンで90年に一度行われる祝祭に参加する。
独自の文化としきたりを持つコミューンに魅了され戸惑いながらも彼女達はその世界に飲み込まれていく。。。


「ヘレディタリー 継承」の成功で一躍ホラー映画の新鋭監督に躍り出たアリ・アスター監督長編二作目。ホラー映画は苦手なジャンルで(登場人物がホラー演出のために突拍子もない行動に出たり、感情移入できることが少ないような気がするから)人に勧められたり、余程話題ならない限りあまり見ない。本作も人に勧められて鑑賞。

冒頭10分でどん底に叩き落とされる。双極性障害を持った妹が両親を道連れに車の排ガスを使って自殺をしてしまう。うー、うーっとうめき声を上げながら泣くダニー。そんな彼女を放っておけず男同士だけでと予定していたスェーデン行きに誘ってしまう恋人クリスチャン。

コントラストを意識した演出が冴え渡る。冒頭の薄暗く陰鬱な冬のイメージから光が降りそそぎ、全員が白の衣装を着た真夏のコミューンは史上の楽園そのもののような印象を見てるものに与える。
静かな儀式のシーンから一気にショッキングなゴア描写へ、異常な状況でも笑顔のコミューンの人々、美しく彩られた死体、舞踏大会の女王に選ばれたダニーに一番見たくないものを見せたりなどその落差の振り幅が大きいほど怖いもの見たさにぐいぐいと映画に引き込まれていく。

映画のたくさんの仕掛けやタペストリーの暗示、北欧神話からの引用など観終わった後に楽しめる要素がたくさんありカルト的な人気があるのも理解できる。エログロナンセンスを頭のいい監督が撮るとこうなりましたといった感じだろうか。

次回作は映画館で見たい。

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