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さらば、ソウル ベター・コール・ソウル 

原案、脚本:ヴィンス・ギリガン、ピーター・エガード
出演:ボブ・オーデンカーク、ジョナサン・バンクス、レア・シーホン、ジャンカルト・エスポジート他

麻薬王ハイゼンベルグ事件後、名前と身分を変え別人として逃亡していたソウルは遂に警察に捕まることとなる。過去と現在の自分、そしてかつての妻キムと向き合う事を余儀なくされたソウルの物語の結末はー

全世界を熱狂させ、ドラマシリーズの歴史を塗り替えた「ブレイキング・バッド」のスピンオフ。最終シーズンの最終エピソード。
制作はブレイキングバッドに引き続きヴィンス・ギリガン。
出演はもちろんソウル役にボブ・オーデンカーク、その妻キムにレア・シーホン、彼が画面にいるだけでワクワクする頼れる男マイク役にジョナサン・バンクス。また最終エピソードにはブレイキング・バッドの面々がカメオ出演する。

逃亡し、潜伏していたソウルは一つのミスから自分が指名手配犯であることがバレ、逮捕されてしまう。アルバカーキの麻薬王ハイゼンベルグの右腕として働き数々の重犯罪を犯してきたソウルだったが、検事たちとの司法取引中に持ち前の頭の回転の速さと口八丁で懲役7年プラス刑務所の指定まで持ち込んでいく。そしてかつての妻キムが過去の罪を告白していることを知ると彼女を裁判所に連れてくるためにもう一芝居を打ちはじめる。

スピンオフとして7年続いた本作は、正直にいって中だるみも多く登場人物をじっくりと何話かにわけて描くヴィンス・ギリガンのスタイルはもどかしい部分がたくさんあった(ブレイキングバッドでは成功していたが)。特にソウルが行なっている事になんの説明もなく、三話後にその意図がわかるような作りになっていたりする。それでも続けてみれたのは、マイクやラロ・サラマンカ、ナチョという魅力的な登場人物たちがいたからだろう。

物語全体を通して盛大な失敗と事件を起こしたソウルとキムは受けるべき報いを受ける、ウォルターホワイトと同じように。自分と他人を選ぶ時、常に自分を選んできたソウルだったがキムにだけは違った。
物語の結末は切なくロマンチックでもある。

成就しなかった恋だけがロマンチックだ。

そう思う。


エルカミーノ

ブレイキング・バッド、もう一つの結末

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