匿名を読んで



わたしは生粋のぶんちゃんファンだ。
6年前、パオパチャンネルというYouTuberを知り、
そこからみるみる”ぶんけい”という人物にハマった。
この小説の発売を知ったのは
パオパオチャンネルの最後のイベントの一枚のチラシだった。
「ぶんちゃん、本を出すんだ・・」
というのが最初の感想だった。
ぶんけいという人物が好きだった。
でもそれ以上にパオパオチャンネルのぶんちゃんが好きだったのだ。
そんなことを思いながらも、発売日にちゃんと購入した
「匿名」 著:柿原朋哉
サイン本を電話で通販し、サイン本を汚すのは気が引けたので
読むためにもう1冊購入した。
イベントでの発表にもやもやしていたくせに
本屋さんで表紙を見つけたときは嬉しくて誇らしい気持ちになっていた。

ぶんちゃん・ぶんけい


最初に読んだとき
「ここの表現ぶんちゃんらしいな」
とか
「あーあのインスタの投稿はこの小説のためだったのか」
とか
わたしは”ぶんけい”として、”ぶんちゃん”が書いた匿名を読んでいた。
それを感じられるくらいにわたしは彼が好きで
それがわたしは苦しかった。
彼のことを好きだからこそ
彼が本名である”柿原朋哉”としてこの本を発売したのは
”ぶんけい”ではない自分として書きたかったのではないか
柿原朋哉としての作品を読んでほしかったのではないか
と考えてしまった。

今思えば考えすぎのヲタクである。
それでもわたしは苦しかった。
彼の作るものを見せてもらっているのに
彼をちゃんと見れていないのではないか。
彼の見ている世界を見たい。
こんなnoteを書くことすら本当は迷惑なのではないか。
それでもしっかりとわたしはこの気持ちを残したくて
今このnoteを書いている。


柿原朋哉


わたしは柿原朋哉と向かい合いたくて、気持ちをリセットしたくて
その前にたくさんの本を読んだ。
一度目に読んでから2か月近く経っていた。
彼に向けて、彼の著書に向けて寄せられた
たくさんの著名人のコメントも見た。

その中でYouTuberである東海オンエアの虫眼鏡さんが
残したコメントが一番印象的だった。
【登場人物全員が自分の周りにいるような親近感。ということは自分は?】わたしは一体誰なんだろう。
そんな気持ちでもう一度この本を開いた。

本の内容をどこまで書いていいのか
著作権的にとかモラル的にという部分が素人のわたしにわからないので
内容にはあまり触れません。

でも、わたしはたくさんそこにいた。
主人公、「越智友香」「F」
物語の中で出会う「アカネ」
その他の人物たち。
そしてその誰もがわたしの周りにもいる。

これが虫眼鏡さんのいう親近感。
周りにいる人だけじゃない。
自分と似ているというのも親近感なのだ。

一度目に感じたぶんちゃんは感じなくなっていた。
主人公たちに感情移入して、
自分と重ねて泣いてしまった。

それでも一番ぶんちゃんを感じたのは
「できない自分をそのまま、受け止めてみる」
これはぶんちゃんが言ってくれているような気がした。
わたしが越智友香だから、Fだから。

最初に書いたわたしの葛藤を
ぶんちゃんへの気持ちを許してくれている気がした。
これだってわたしの自己満足だ。
こんな特大のラブレターのような感想をつらつらと書き
世の中に放つこと。
こんな1ファンの素人が書く文章なんて誰も読まないかもしれない。
それでもわたしは今のわたしはこの気持ちをどうしても
どこかに残しておきたかった。

これを書き、自己完結することで
やっと柿原朋哉と向き合えた気がする。
わたしはきっとこれからも
彼の書く文章を作品を安心して読める。
そんな自信をくれた。

ぶんちゃんへの気持ちだけじゃない。
きっとこれからもできない自分をすぐに認められないかもしれない
責めてしまう日がくるかもしれない。
それでもわたしは好きな人が残してくれた一言で
受け入れられる日が来る
そんな気がする。



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