呪印感染シナリオ:「誰がxx殺したの?」

■システム

本作は、「著:力造/N.G.P.、新紀元社」が権利を有する『テーブルトークRPG 呪印感染』の二次創作作品です。

■概要

ある夏、PC達は揃って出かけた山で、奇妙な現象に遭遇する。

■登場NPC

このシナリオに、NPCは登場しません。

■参加者とPC

GM1名、PC最小2体~最大4体に対応しています。PC達が過去に数度〈十の災い〉を経験しており、知り合い同士であることを想定しています。
GMはPCの呪印に応じて、〈なにか〉の《正体》を重複させてください。

■場所表

このシナリオはP284「場所表【田舎】」を使用します。シーンに合わせて改変してください。

■特別ルール

このシナリオでは、アイテム乗用車は使用できません。事件フェイズ終了後、同価格帯の任意のアイテムに持ちかえさせてください。

■〈何か〉の正体

猿の霊群。
この地域で昔に食害被害から駆除された猿たちは、慰霊碑を建てられ静かに眠っていた。
しかし、現代に生き残った仲間をイタズラで殺された怒りから怪異へと変じる。通称〈ヤマノケ〉。
〈ヤマノケ〉は次の《正体》を持っている。
《恐るべき群体》《霊体》

■事件フェイズ

 PC同士で誘い合う、或いは自治体主催で、PC達はハイキングイベントに参加する。初夏の頃、日差しは真夏と言うほどではなく、木々は青く萌え、爽やかな日和だった。
 山に入る直前、地元の少年達が何やら虫かごや袋を抱えてはしゃぎながら山を下りてくる。ガイドによると、地元の人達もよく登る山で、山菜なども採れるという。
 しっかりとしたハイキングコースから、徐々に踏み固められた獣道程度のコースになり、森はどんどんと緑の濃さを増していく。
「はーい、ここで10分休憩でーす」
 ガイドが声を上げると、列のあちこちでほっと息をつくのが聞こえてきた。思い思いに腰を下ろし、水分を補給したり、軽くおやつをつまんでカロリーを補給する者もいた。
「ガイドさん、ワシちょっと顔を洗いたいんだけど…」
「ぼくもー!汗かいたー!」
「はぁい、じゃあ沢の方に行きましょうか、ちょっと歩くんですけど水が綺麗で気持ちいいんですよー」
 話す声が遠ざかっていく。
 それから何分かして、顔を洗いに行った客達が血相を変えて戻ってきた。
「大変じゃ!ガイドさんが!ガイドさんの気がおかしくなってしもうた!!」
 男性の声をかき消すように、けたたましい嗤い声が響いた。

​■解決フェイズ

解決フェイズ内のGMシーンはありません。

■キーワード

C-1:ガイドの女性
C-3:沢沿いの道(追加キーワード)
D-4:森(追加キーワード)
F-4:石碑(追加キーワード)
F-6:真相①
C-6:真相②

■キーワードの情報

C-1情報:ガイドの女性
ケタケタと声を上げて笑っている。彼女の声に耳を傾けると、同じ言葉を繰り返し呟いているようだ。「ハイレタハイレタハイレタハイレタハイレタハイレタ」…。追加のキーワード「沢沿いの道」「森」が公開される。
C-3情報:沢沿いの道
澄んだ水が流れる沢に平行している道。木の杭とロープで出来た手すりがあり、粗末ながら一応のハイキングコースになっている。しばらく歩くと、猿の死骸が落ちているのに出くわした。首と片足が無くなっている…一体誰がこんなことを…。傷口はまだ新しく、血が滴っている。
D-4情報:森
鬱蒼と木々の茂った森。何かの虫が木の表面を這い、何かの獣の鳴き声のようなものが響く。何とも薄気味悪い…。来た道を戻ろうにも道が草木に閉ざされ分からなくなってしまっている。歩いても歩いても森、森、木、木…同じ所をぐるぐる回っているような気にさえなってくる。…いや、これは同じ所をループしている…!?追加のキーワード「石碑」が公開される。
F-4情報:石碑
白い岩で出来た石碑。『猿塚』と彫られている。裏面には塚の由来も彫られていた。昔、このあたりは猿による農作物の食害がひどく、止む無く猿の駆除を行った際に建てられたらしい。追加の真相②が公開される。
F-6情報:真相①
おかしくなったものは叩けば直る、古いテレビと同じだ!
【特殊イベント】★「決戦」に判定可能
C-6情報:真相②
獣がやったのか人間がやったのかはさておき、猿の亡骸をこのままにもしておけない。どこか埋めるに適した場所はあるだろうか…
【特殊イベント】★「儀式行使」に判定可能

■結末フェイズ

★「決戦」をクリアした場合
「あたっ!?」
ガイドの女性が声を上げる。殴られた頭を擦りながら抗議の声を上げる様子には、もう異常は見当たらない。
★「儀式行使」をクリアした場合
猿を埋葬し、静かに祈りを捧げる。
どれくらいだっただろうか、ガイドの女性が「…あら?」と声を発した。
きょとんとした顔であたりを見回し、「えっと、何かあったんですか?」と問いかけてきた。
どうやら自分の身に起こったことは覚えていないようだ。
見れば登ってきた道が開かれている。ともかく、これで無事下山できそうである。

その後、GMは行動順に従って、PCのエンディングを1体ずつ演出させてください。
命運が-1以下、あるいは★「イベント」をクリアできていないPC全員がいた場合は、P273終焉表に従って処理を行ってください。