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精神分析的臨床の基盤となるもの(2)ー精神分析を臨床に活かすためにー

日本心理臨床学会 自主シンポジウム144
2024年10月6日(日) 19:15〜21:15

▶ 司会 浅井真奈美 (小泉心理相談室)
     永田悠芽(上町カウンセリングオフィス)
▶ 話題提供① 山﨑篤 (JPS精神分析的精神療法家センター) 
▶ 話題提供② 吉村聡(上智大学)
▶ 指定討論  畠山雪恵(医療法人北仁会旭山病院)
      疋田基道(中国短期大学)

 精神分析はプライベートプラクティスに端を発しており、一対一の有料の設定で行われる表出―洞察的な個人心理療法を範型としてきた。しかし近年、心理臨床・精神分析の実践において、学校、乳児院、学生相談、産業、福祉、司法といった個人心理療法とは隔たった応用的な「現場」において、精神分析・力動的な視点を活かす臨床家も増えてきた。背景として心理職に向けられる期待が多様化したことがあげられ、多職種連携が求められ、限られた時間や構造で対応せざる得ない現場も増えている。

 さらには、ユーザーも変化しており、伝統的な精神分析的心理療法を行う際の心理的土台となるコミュニケーションの質や情緒について考える力に問題を抱えるユーザーの増加もあげられる。このような現場の変化の中、精神分析的な臨床とは何を指し、その実質は何なのか、という基本的な問いがある。
 
 これまでのシンポジウムを通して、精神分析的な臨床の要素として、ユーザーの選択、アセスメントの重要性、目標をどこに設定するか、治療構造の立ち上げと維持、の問題と課題があることが見出された。そして、分析的セラピストの質はどのような訓練と実践を積むことが必要なのか、という問いも議論されてきた。また、昨年の「基盤」の議論では、学問的な基盤、臨床を行う上での基盤、また、どのように精神分析を学んできたかという個人的な基盤について語られた。

 これらの議論を重ねることで精神分析的臨床の輪郭が徐々に明確になってきたといえよう。
 本年も引き続き同じテーマで、精神分析的精神療法の実践を長年積み重ね、現場の実践も営んでいる山﨑、吉村が精神分析的臨床の基盤と精神分析を臨床に活かしてきた経験について発表し、年代や地域を包括した議論にするため、畠山、疋田が指定討論を行い、さらに議論を深めたい。

 日本精神分析学会臨床心理委員会ではシンポジウムを継続して行きたいと考えています。皆様の今後のご参加やご意見をお待ちしています。

企画者:池田政俊(帝京大学大学院、南青山心理相談室)・日下紀子(ノートルダム清心女子大学・大学院)・平井正三(御池心理療法センター)・平野直己(北海道教育大学)・北村麻紀子(個人開業)・髙橋靖恵(京都大学)・増尾徳行(個人開業)・岩倉拓(あざみ野心理オフィス)・鈴木菜実子(駒澤大学)・鈴木誠(くわな心理相談室)・松森基子(南青山心理相談室・明治学院大学)・浅井真奈美・永田悠芽・畠山雪恵     

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