シェア
濃く深い闇が降りている 質量のある闇だ 手を突き出せば 粘りけのある弾力まで感じる もやは闇の肉だ 肉襞だ 生きるということは この闇の襞を喰らい 突き破りながら 前に進むということだ 闇の臭いを嗅ぎ 噛みちぎり 闇の呼吸で肺腑をどす黒く染めながら 喘ぎ 呻き のたうち回ってもがくことだ 星々が蠢く音だけを道標に