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うたがわきしみの宇宙Ⅱ

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140文字では収まりきらなかった、うたがわきしみの世界観。コラムやエッセーやうわごとじゃない。あくまで、なにかしら、きしみの宇宙を匂わす作品になっているものたち。主に詩。ギャグ系…
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2021年12月の記事一覧

詩は涙に似ている 皆自分にしかない海を何処かに隠し持っている 寄せては返す穏やかなさざ波は 普段は静かに自分の中に収まっている けれどひと度人生が大きく揺らいだ時 海は荒ぶり 猛々しい大波が次々と砂浜乗り越え 出口目掛けて押し寄せてくる そうして溢れ出た海こそが この詩(涙)です

表面張力はおやつに入りますか?

「駄目でした」って言えない

奇術師が事も無げに女性の秘部に 次々とモノゴトを押し込んでいくのを 嫌悪感と罪悪感で一杯になりながら それでも目を離せず むしろ涙を垂れ流し 笑って生きていました (ただ死ねずにいただけの愚者) どうせ誰も彼女を救えやしなかった 結局彼女は散りました 砕けたマリオネットのように

女は秘密を抱いて産まれてくる

誰でもない人が好きです あなたのように

毎日ちょっとずつ地球が沈んでる

オムレツの空に孤独なヨーグルト プノンペンのドレミの声 「オオカミの列車に乗ってはいけない」 ご覧なさい 明日の曲がり角に夕陽が隠れております 貴方がそうやって死ぬまでひたすら少しずつ 閉じていくだけの生命に成り下がるなら 我々は互いの闇を持ち寄って 夜を咲かせてみせましょう

ちゃんと、正しく、悲しんだのか ちゃんと 正しく 悲しめたのか

命の名前を教えてください

まだ終わってもないし 始まってもない

ちょうどピアノの声に似ていた

例えば目の前にA・B二つの飲み物を用意し、どちらを飲むかを決める。仮にAを完全に飲む気持ちで寸前まで行く。瞬間、差し替えてBを飲む!運命の奴てっきりAを選ぶと思ってたところを寸前でBにされ敷くはずだった世界線が僅かにブレて揺らぎが生じたはず。運命に対し無駄な抗いを試みる日々

こんなことがあっていいのか分からない だが事実として 何もかもが理路整然として 実に完璧なのだ しかし何かが 確実に足りない 完璧ゆえに 完璧では無くなっている? そんな馬鹿な 完璧であることを手放した瞬間 本当の完璧が成立するとでもいうのか それでは一体 完璧とは何だ