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うたがわきしみの宇宙Ⅱ

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140文字では収まりきらなかった、うたがわきしみの世界観。コラムやエッセーやうわごとじゃない。あくまで、なにかしら、きしみの宇宙を匂わす作品になっているものたち。主に詩。ギャグ系…
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2021年2月の記事一覧

虚無が散歩してる 頭の中で 青いポリバケツの中 ゴミ袋に入った妻の死体が出た 3年前のあの日から ずっと 足音も 匂いも 影もない 虚無が散歩してる 僕の中で 許すことも 許されることもなく 無数の赤子の亡骸が浮遊する 遺書の紙吹雪が舞う暗い道を ただ 虚無が散歩してる

いえ観覧車のゴンドラ一つ一つが 全て巨大な目玉なのですよ それがグリグリと絶えず 都心をねめ回しているのです いわゆる環視社会というやつです もちろんメリーゴーランドも ナマコ色の目玉になっています 粘着性の高い透明な涙が 滴り落ちているでしょう もう穴という穴が覗かれていますよ

欠点を含めて好きなら それはもう愛です

そこに心が光る瞬間がないと

僕は「おまえ」って言う人が好きじゃない とはいえ僕も使うときがある それはそこで「おまえ」って使うことでギャグが成立するとか何か意味があるときだけ 普段は、あなた、とか、君 あと「感動を与えたい」っていってる人も嫌い 言葉を選んで「感動を"届けたい"」って言えてる人を信用してます

「あなたの席はここです」 案内されたのはいわゆる窓際。 「本日の作業ですが、汁をつけて頂きます」 「汁?」 「例えば三角定規汁とか宇宙汁とか意味汁とか、普段ならつけないであろう言葉に汁をつけ、イイのができたらテキストにメモって終業時にゴミ箱に捨てる、以上です。質問は?」 「……」

地球人全員ジンベイザメになっちゃえ! っていつも思うけど (夕暮れ時の教室なんかでは特に) それだとプランクトンがすぐに食べ尽くされて 僕らはあっけなく絶滅しちゃうんだろうなあ 知恵の無い、ずだ袋みたいに 君も僕も

もしもあなたが 水滴だったなら とっくに 恋に落ちていましたよ 滑り落ちる しずくのように

『考えたら負けの日』 銀色のレストランに虹がたむろし ふと温かいカラメルの匂いが 湖底の森の中を散歩しに出掛けので とうとう青い魚が釣りを始めた 冷たい空が絵の具に広がり 水彩雨が世界を切り刻んだ日 黄色いバケツの少女が 赤い水溜まりに犯された きっともう 誰も息を吐けない

どうも 毎日宝石みたいな言葉を紡いでます しかしアイルランド国教会のジョージ主教は言いました 「誰も居ない森で一本の木が倒れたとします。その際、木は“音を出して”倒れたでしょうか」 学者たちは音はしなかったと答えています 認知されないものは存在し得ないから 僕こそがその木です

その男は「豚男」と呼ばれている。小太りで手足はまるで切断されたかのように短く、常にモゴモゴと白く蠢き、顔が醜く潰れているせいだ。周囲の誰もが彼を蔑み足蹴にしたが、村外れに住む盲の娘だけは彼を愛した。二人は見世物小屋に飼われ、今では毎日豚のごとき交尾を披露し、鳴きながら稼いでいる。

アンダージョーク『伝家の“宝刀”(ほうとう)』

アンダージョーク『伝家の“宝刀(ほうとう)“』 山の手のとある資産家夫婦。 毎晩旦那がおさかんで夜も寝かせてくれないとか。 そんなある日の営みの途中、奥方がとうとう昇天しかけ、“せいし”の境目にまで達したという。これではさすがに身がもたないと奥方が文句を口にした。 すると旦那はこうこたえた。 「文句ならうちの”むすこ“に言ってくれ」 一瞬、頭をかかえた奥方が、やおらむくりと姿勢をただし、サイドテーブルにしまってあったデザートナイフを取り出すとこう言った。 「ええ、そ

まるで全人類が 為すすべもなく いっせいに泣きじゃくってる そんな歌声だった

毎度!えーと、えーとのボクでーす! えーとーボクの体はほぼ水分で出来てるんだけど なのにイロイロ思ったり 泣いたり笑ったり怒ったり 飛んだり跳ねたり恋したり オヤツ食べたり、孤独感じたり、酒に溺れたりできるっす! げ!?もしかして皆さんもそーすか? えーとー…なんか、スゴイすね!