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舐められるのがお仕事

格闘技に対するイメージというのは、当然だが「怖い」だろう。
なにせ他人に暴力を振るう競技なのだから。

プロ選手の顔つきを見ても、他のスポーツ選手とは一味違った雰囲気を出している。
ガタイがよいので見た目はカッコよくても、色気の中に狂気があるというか「できることなら関わり合いたくない」風貌をしている選手は多い。(山本KID徳郁や、五味隆典など…)

一方で、世間では格闘技ブームが起こりつつあり芸能人、モデルなどが趣味であることを公言している。
有名なトコロでは川口春奈さん、広瀬すずさんがキックボクシングの動画をあげていましたね。

その流れからなのかは分からないけど、キックボクシングをやってみたいという女性はかなり多いようだ。
でも怖い。全身入れ墨男とかモテない村出身のゴリラとか汗臭マッチョマンなんかがひしめき合うジムで、厳しい指導が待っているかと想像すると「できることなら関わり合いたくない」世界にも感じられるだろう。

そこで登場するのが私。ジムインストラクターとして働く主夫のアザレアです。

顔出ししていないアカウントで行っても説得力がないが、私の見た目は非常に弱そうである
もとい、「公園とかに普通にいるパパ感」をかもしだしている。

そんな見た目の男がジムで出迎えると、入会したての人はもちろん体験の人もホッとしたような顔をする。
ゴツくて怖い人をイメージしていたら尚更だろう。

そのおかげか、私のクラスは結構人気で「入りやすい」と評判だったり、体験からの入会率も高い。ありがたい。

学生時代はこの見た目には苦労したもんだった。
ボクシングをやっている割に弱そうな見た目。よく人に道を聞かれるレベルの無害感。「強そうな見た目になりたい」というのは、学生時代の口癖だった。

でも今では、その弱そうな見た目に助けられている。
怖い」「キツイ」「野蛮」のイメージが強い格闘技を始める際に感じるハードルを出来るだけ低くする。「自分でも出来そうだな。」「これくらいならやれそうだ」そう感じさせるのが私の仕事。

いわば、舐められるのが仕事なのかもしれない。

メンツが大事な仕事は数多い(もちろんインストラクターも人によっては舐められたら終わりな仕事)だが、そこを上手く舐めてもらえるように工夫するのも技術なんだと、自画自賛してみる。

とはいえ、人に指導できるレベルで格闘技やってる人間がそんな弱いはずはないのだけれども
「もしかして殴り合えばアザレアに勝てるんじゃね?」と思わせる技術は、ある種の詐欺な気もしてくる

自分の個性を上手にコントロールしながら、本当に私に向かってくる人が来ないことを祈りつつ頑張って働きます。出来れば人間を殴らずに生きていたい。

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