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UFC観戦雑記【2022年5月】

暇だった訳ではありませんが、今月は仕事が早いです。
相変わらず自分好みのチョイスとミーハー感丸出しですが
お付き合いくださいませ。

①チャールズ・オリベイラ vs ジャスティン・ゲイジー (5/7 UFC274)

オリベイラ2度目の王座防衛戦。
オリベイラは32勝の内、
KO勝利が9、一本勝ちが20と脅威のフィニッシュ率。
現在は10連勝中でこの10勝も全てフィニッシュしている。
対する挑戦者ゲイジーも、
23勝のうちKO勝利が19、一本勝ちが1とこちらも脅威のフィニッシュ率。
そしてUFCでの9戦のうち敗れたヌルマゴメドフ戦以外でパフォーマンスボーナスを獲得している超激闘派。
昨年11月マイケル・チャンドラーとの年間最高試合に勝ってこのタイトルマッチに駒を進めた。
追って記述しますがスタイル的にもめちゃくちゃ楽しみなライト級タイトルマッチ。

がまさかのオリベイラの計量失格により王座剥奪。
オリベイラが勝利した場合は王座空位、ゲイジーが勝利した場合は新王者誕生の変則タイトルマッチに。
なんだか計量機に問題があったとかなかったとか…
ツッコミどころはありますが、
楽しみ半減ですよね。そりゃあ。

僕の戦前予想は全くの五分。
オリベイラはガードを高くして圧をかけてクリンチからの膝、肘、テイクダウンでグランドへ持ち込むスタイル。
ただ被弾もするし、決して打たれ強くない。
ポイエー戦、チャンドラー戦も先にダウンを喫している。
ゲイジーはもうとにかく強振の選手。
オリベイラがいつものように圧をかけていけば、ゲイジーのパンチは当たるだろうし
オリベイラの打たれ弱さ、ゲイジーの破壊力を考えると、ガードの上からでも終わってしまう可能性も低くない。
ただオリベイラの強みは効かされた後だ。
先述したようにポイエー戦、チャンドラー戦と先にダウンを喫している。
オリベイラは柔術のテクニックも超一級品で下から極めることもできるし、
最近は自分の弱点を理解してか効かされたあとのリカバリーも早く上手い。
ポイエーもチャンドラーも仕留めることが出来なかった。
というよりオリベイラの土俵であるグランドまで追っていくことを避けた。
オリベイラの柔術スキルに対して、ゲイジーはレスリングでオールアメリカンに選出されたトップレスラー。
グランド・組みの展開も楽しみの一つ。
ただ出来ればゲイジーとしても、
一発で意識立つような攻撃を打ち込みたいところ。

問題はオリベイラの計量失格。
オリベイラはフェザー級時代は、極めきれないと途中で折れてしまうところが見られた。
ライト級に転向し連勝してからはそういった場面は見なくなったし、そういった部分も含めて自分を理解しているように感じるが
計量失敗による調整不足などがどう出るか。

めちゃくちゃ楽しみにしてただけに
計量失格により楽しみが半減した反面、オリベイラの真価が問われる気がしてならない。

試合はジリジリとオリベイラが圧ををかける予想通りの展開。
ゲイジーもフックやローなど強烈な打撃を振るって行く。
オリベイラやはり圧が強い。
前蹴りも長くて良い。
リーチがあるからあの前蹴りがあるだけで遠くなるしゲイジーは入りづらくなる。
パンチから半ば強引に首相撲狙いか首に手をかけるオリベイラに、ゲイジーのショートアッパーがヒットしオリベイラがダウン。
この試合でも先にダウンを喫したのはオリベイラ。
さあここから。
ダウン後グランドで待つオリベイラも、ゲイジーは立たせる。
やはりグランドの展開は避けるか。

スタンドに戻るとオリベイラは再度パンチから首相撲のように首へ組み付き膝。
しかし距離が近くなったところにまたゲイジーのパンチがヒット。
再度ダウンするオリベイラ。
付き合わないゲイジー。
いやダウンと言うよりも誘っているよう。
オリベイラはスタンドでもガンガン勝負かけるけど
一発もらうとそこでの勝負を捨てて次の展開=グランドへいち早く移行していく。
余分なダメージを減らすというか、粘らない。
スタンドで何発貰おうが、サブミッションで極めれば良い。
それだけサブミッションに自信があるのだろうけど
どんどんどんどん不必要なものを切り捨てていくことができる強さ。
だからいつも先にダウンするけど
真後ろにひっくり返るようなダウン・ダメージは負わない。

スタンドに戻るとオリベイラも果敢に打撃を繰り出す。
右のアッパーがコンパクトで良い。
どうしても大振りなゲイジーに対してアッパーや膝などオリベイラのコンパクトの攻撃が当たりだしているようにも見える。
今度はオリベイラのストレートでゲイジーがダウン。
倒れたゲイジーのバックへ回るオリベイラ。
バックから三角そしてリアネイギドチョークへ素早く移行して一本勝ち。
速い。必勝パターン。
いや、強い。。。

ダウンした後もスタンドで変わらずに圧かけるし、パンチから首相撲、首相撲から肘、膝、テイクダウン。
一発当てられればまたグランドへ誘い込む。

穴が無いというか穴はあるんだけど
その穴を穴と理解しているから
その穴を差し出せるし
その穴自体に罠を沢山仕掛けておくことができる。
穴さえも仕掛けにしてしまう強さ、
自分の弱点をよく理解した上で昇華させ、
なんかその弱点の部分で強気に勝負できる精神力の強さ。
綱渡りの状態で大剣を振り回してるような
でもそれは火事場の馬鹿力とか、苦し紛れのとか、玉砕覚悟のとかじゃなくて
全部計算している感じで
穴穴うるさいしすごく説明が難しいんだけど
そんな印象を受けます。

GSPやヌルマゴのような完全無欠のチャンピオンて感じじゃなくて
弱点も穴もあるし人間味溢れるんだけど
精神力の強さ、強心臓ぶりが凄い。

次は新王座決定戦でvsイスラム・マカチェフか?
マカチェフが何かで
『オリベイラがダウンした後、グランドまで追いかけていく奴はいなかった。誰もコントロールしようとしなかった。でも俺たちは知っている。オリベイラは本当に苦しい展開になると勝負を諦めてきた。俺は彼をテイクダウンするし、トップキープして徹底的に消耗させる。オリベイラはギブアップすることになる』と発言しているようだけど
まさにその通りで、フェザー級時代のオリベイラは苦しい展開になると心が折れるところがあった。
そしてさっきもチラッと書いたけど
ポイエーもチャンドラーも誰も侵攻することができなかったオリベイラの領域に
侵攻、そして侵略する強さがマカチェフにはある。
レスリング力という面でも、精神力という面でも。

オリベイラvsゲイジーというめちゃくちゃ楽しみなマッチアップの後に待ち構えていたvsマカチェフ。
人類最激戦区ライト級アツすぎる。


② マイケル・チャンドラー vs トニー・ファーガソン (5/7 UFC274)

2連敗中の5位チャンドラーと3連敗中の7位ファーガソンによるライト級戦。
好カードなんだけど今じゃないというか、
勝っても次に繋がりにくいし、負けたらもう次はないような…
サバイバルマッチ。
数年前に観たかったと言うのが正直なところ。 

フットワークを使い素早く踏み込んで打撃を出すチャンドラーと
スイッチを繰り返しながら蹴りや入ってきたところに肘など合わせたそうなファーガソン。
ただファーガソンはチャンドラーの速い踏み込みに反応しきれていないようにも見える。
と思ったらチャンドラーのローにジャブをヒットさせたファーガソンがダウンを奪う。
フラッシュダウンだったかそこまでのダメージは無さそう。
このチャンスは凌がれるも、
チャンドラーの動きが見えてきたかファーガソンのパンチが合い始めたように見える。
と思ったらチャンドラーがテイクダウン。
なんだあのタックルは。
弾丸のように吹っ飛んでった。すげえ。
テイクダウンされたファーガソンも下からサブミッション狙うが、チャンドラーがトップキープ、パウンド打って1R終了。
難しいラウンド。
両者共に動きは良さそう。
このあと楽しみだな。

と思った2R開始早々、
チャンドラーの顔面前蹴りがクリーンヒット。ファーガソン失神。
チャンドラーKO勝利。
いやこれは衝撃的。痺れた。

チャンドラーの素早い踏み込みの打撃、1R終盤のタックルでファーガソンは意識が散漫していたか、
同じような低い姿勢からの前蹴りが見事にヒットしてしまった。
まあこれはチャンドラーが見事すぎた。

ファーガソンは動きのキレが戻ってきていたように見えただけに残念。
これでまさかの4連敗。
前戦の敗戦から1年間ダメージを抜いてからのこのKOは痛いなあ。 

勝ったチャンドラーの次は一体?
オリベイラ、チャンドラーには直近で負けているし…
ガチ路線ならポイエーあたりか。
けどもしポイエーとやって勝ってしまっても次タイトルマッチとはなかなかならない気がする。
オリベイラがマカチェフに負ければ話は別だが。
マネーファイトならマクレガーか。
どうせならマクレガーが観たいかもな。


③ アンドレ・フィアーリョ vs キャメロン・ヴァンキャンプ (5/7 UFC274)

フィアーリョは4/16以来3週間隔での登場。
前戦はミゲル・バエザを1RKOで降し、パーフォマンスボーナスを獲得。
対するヴァンキャンプは今回がUFCデビュー戦。
ここまで4連勝中で3連続サブミッション勝利中。

スッと距離を詰めるフィアーリョ。
真っ直ぐのパンチが綺麗。
相手のジャブに合わせる右クロスが良い。
しかし先に効かせたのはヴァンキャンプ。
フィアーリョの打ち終わりに放った右フックがテンプルを捉え、フィアーリョは後退。
ヴァンキャンプは詰めるもパンチが大きい。
フィアーリョが逆にコンパクトなフックを当て、ヴァンキャンプの前進を止める。
ヴァンキャンプは更に圧を強めるもやや不用意な感あり。
と思ったらヴァンキャンプの右アッパー打ち終わりにフィアーリョが左フックでKO。

フィアーリョはカウンターだったり、打ち終わりを狙うのが上手いな。

これにて2戦連続パーフォマンスボーナス獲得。
緊急代打出場でUFCデビュー戦となった1月のペレイラ戦では惜しくも敗れるも、2戦連続でのボーナス獲得。
そしてそして早くも6月には次戦が決定。
仕事しすぎ。
でも夢があるなあ。
結局、いつでも準備できてる奴にチャンスが回ってくる。
特にこのコロナ禍では。
新たなUFCの名物男になりそうな予感ですね。


④クレイドソン・ロドリゲス vs CJ・バーガラ (5/7 UFC274)

6連勝中、7勝1敗ロドリゲスのUFCデビュー戦。
相手はデビュー戦でオデ・オズボーンに敗れるもそれまで5連勝のバーガラ。

バーガラは上半身が分厚い。これでフライ級ってマジか。
上体を振りながらグイグイと歩くように圧をかけ左右のローを蹴っていくバーガラ。
上体も柔らかく詰めながらもスウェーでパンチもかわす。
頻繁に構えを入れ替えながら、踏み込んでのパンチなども良い。
対するロドリゲスも蹴れて良いし
パンチからタックルと組みを混ぜられて良い。
グランドの展開になっても両者ポジションの奪い合う好ファイト。
試合はバーガラ判定勝ち。

バーガラのスタイルは好きだな。
ただちょっと的になりすぎる感あり。
特に後半はもっと上体振ったり角度変えたり、的になりたくない。


⑤ヤン・ブラホビッチ vs アレクサンドル・ラキッチ (5/14 Vegas54)

昨年10月にグローバー・テイシェイラに敗れ王座陥落となったブラホビッチの再起戦。
ラキッチはアンソニー・スミス、チアゴ・サントスとタイトル挑戦経験者に2連勝も約1年2ヶ月ぶりの実戦。
新王者テイシェイラがタイトル挑戦権を手にしてからなかなかタイトルマッチが決まらなかったり、王座戴冠後も挑戦者としてイリーが内定していたにも関わらずなかなか防衛戦を行わなかったりと、やや停滞感あり試合間隔空いてしまったか。

試合は、ブラホの打撃スキルの高さが目立った内容に。
フェイントなど上下に身体を動かしながら飛び込むように強打打っていく『動』のラキッチと
改めて考えると最近のMMAでは珍しいのか上体がスッと立っていてバランスの良いというかディフェンス重視?の構えの『静』のブラボビッチの構図。

序盤からポンポンとカーフキック&ローキックを蹴っていく両者。
本当ここ数年でカーフキックの蹴り合いが増えた。
カーフキックを蹴れること、そしてディフェンス方法がマストになってきている。
キックボクシングでもそうだけど試合展開・技術形態が変わってきますよね。

上下に身体を動かしながらパンチ打ちこむラキッチ。
スピード、キレ、パワー申し分なさそうだけどやや遠いか。
そしてやや素直か。
前傾していないブラホビッチはスウェーのように上体を逸らしてパンチをかわす。
目元をカットしているもののクリーンヒットはほとんど無さそう。
対してブラホビッチのパンチは、ボディを打ってからストレートへ繋ぐパターンが多い。
先にボディを触っているからその時点でパンチが当たる距離になっている。
ボディ→ストレートそこから更にキックへ繋げられる場面も良い。
ただボディからのパターンが多くなると合わされる危険性も。

2Rになるとラキッチも
ボディ→ストレートというブラボビッチのパターン読んできたか、パンチかわして片足タックルからテイクダウン。
ブラホビッチは下から三角狙うも凌がれ、そのままラキッチがトップコントロール。

そして迎えた3R。
踏ん張ったところで右膝を負傷したかラキッチが倒れ込みブラホビッチTKO勝ち。
どうやら前十字靭帯をやってしまったよう。
元々悪かったのか、試合中のダメージなのかわからないが
ブラホビッチのカーフで左足もダメージありそうで、庇った結果の怪我のようにも感じる。

そうなるとやはり勝敗を分けたのはカーフの蹴り合いか。
ブラホビッチはカーフに限らずローやミドルに対してしっかり足を上げてカットする。
ムエタイだと当たり前の技術だと思うのですが
MMAはおろか、パンチ重視となった近年のキックボクシングでもカットは疎かになってきている傾向。
ブラホビッチのバランスの取れた構えだからこそ可能なのか、
カットし易いようにのあの構えなのか、
これだけカットができるMMA選手は珍しいし、凄い。
どのキックに対してもほとんどの確率でカットしようとするから
これだけカーフの蹴り合いになれば
100%のカットが出来なくても足を上げるだけで逃がせるし、ダメージの差は出てきますよね。

ブラホビッチの次戦はどうなるか?
グローバー・テイシェイラvsイリー・プロハースカの勝者か?
テイシェイラは相性的に良く無いと思うんですよ。
前回もそうでしたけど
やや後ろ体重のバランス型の構えだからタックルを抱えてしまいテイクダウンされてしまう。
プロハースカだったら観たいな。
あの変則的で躍動感ある打撃に対してブラホビッチがどう出るか気になる。
アンカラエフとの次期挑戦者決定戦でもいいな。
ラキッチは怪我の具合が心配。


⑥マニュエル・トーレスvsフランク・カマチョ (5/14 UFC Vegas54)

3連勝3フィニッシュ中のトーレスのデビュー戦。
カマチョは2連敗中、UFCでは2勝5敗と苦しんでいる。

リーチ差も身長差もないはずなんだけど
トーレスがやたら大きく見える。

トーレスは思い切りが良いと言うか
ガードの上からもガンガン打ってく。
これはガード上からでも効くでしょう。
構えも左右に頻繁にスイッチ。
良いよ良いよ。

ただやや大振り。
カマチョもパンチもちょくちょく当たってるし、カウンター貰いそうで怖い。

しかし最後はカマチョの右をスウェーし、左フックから返しの右フックでKO勝ち。
このフィニッシュシーンは見事だわ。
ボクシングが上手い選手相手だと怖いけど
おもしろい選手。
実は真っ直ぐも綺麗だったりする。


⑦平良達郎 vs カルロス・カンデラリオ(5/14 UFC Vegas54)

この試合に触れない訳には行かないでしょう。
10戦全勝、日本の平良選手のUFCデビュー戦。
相手は8勝1敗で同じくUFCデビュー戦のカンデラリオ。
カンデラリオは、前戦コンテンターズシリーズでビクター・アルタミラノに敗れるも、異例の契約。
アルタミラノ戦までは8連勝を記録。強敵。

本来このカードは、
4/30の大会で予定されていたものの、両者計量パス後にカンデラリオが体調不良で当日キャンセルという結果に…
2週間後に延期された形。
計量後の体調不良って…
もう不戦勝でいいんじゃないか。
水抜きもしてるだろうし2週間また体重をキープして、なんなら一度リカバリーした体重をもう一度落としてまた水抜きって
ちょっと考えるだけでしんどい。
こっちのほうがよっぽど不健康じゃないか?
実際前日計量でのカンデラリオの顔を見ると覇気が無いし…明日試合できんの?また当日キャンセルはやめてよねと心配になりました。

試合は平良選手が2Rにダウンを奪いそのままコントロール。
3Rもトップコントロールからパウンドを打ち続け判定勝ち。
見事UFCデビュー戦を勝利で飾った。

3Rのギロチンにはややヒヤリとしたものの
UFCでこんなに安心して日本人の試合を観れたのも久しぶりな気がする。

ただ平良選手はやや動き固かったかな?
打撃は伸びるし綺麗なんだけど
やや単発気味。
動きも前後の動きが多く、もう少し変化が欲しいかなと言ったところ。
あとはなかなか取りきれなかったけど
タックルのタイミング素晴らしい。
グランドでの動きも滑らかで、次へ次へと移行しながらコントロール。
フィニッシュを狙う姿勢も良かった。

兎にも角にもこの勝利は大きい。
1戦目だしフィニッシュよりも5分3Rやり切ったことは大きいし、
当日に2週間延期ってなかなか無いシュチュエーションを経験できたのもプラスになればいいな。
期待できちゃいますよね。


⑧サンチアゴ・ポンジニッビオ vs ミシェル・ペレイラ (5/21 UFCVegas56)

ポンジニッビオは僕の推し選手のひとり。
とにかく圧をかけてケージに張り付け状態のように追いやって強打を打ち込んで行くスタイル。
一時は7連勝を記録しもうタイトル挑戦も近いのかなと思ってたら怪我だったかなんだったか長期離脱。
約2年ぶりの実戦となった昨年1月のジンリャン戦でまさかの1RKO負け。
その後ミゲル・バエザとの死闘を物にするも、ジェフ・ニールには判定負けと
いまいち乗り切れない。
ニール・マグニー戦とかやばかったからあの頃のポンジニッビオをもう一度観たい。
対するペレイラは四次元殺法とも呼ばれた変則的なスタイルの選手で回転系の技や飛び蹴り系の技をよく使う。
現在4連勝中。
ここを勝てばやっとランキング入りを果たせそう。

試合はいつも通り中央取って圧かけていくポンジニッビオ。
ペレイラはフットワークを使って捕らえさせない。
下がりながらも前後の動き、飛び込みも混ぜて距離をキープしている。
左右の前蹴りも良い。
ポンジニッビオとしてはもっと詰めて行きたいが前後の動きと前蹴りに注意が行って自分の距離まで詰めきれない。
逆に飛び込みや前蹴りから詰めるシーンも作るペレイラ。

今更だが、ペレイラでかいな。
ポンジニッビオが小さく見える。
この大きさで四次元殺法なんてされたらめちゃくちゃ怖いのかもな。
振り下ろすようなストレートも怖い。
それとペレイラはジャブ&ストレートやコンパクトなパンチがちゃんと打てるのよな。
ポンジニッビオの大きいパンチに内から当てたり、強いジャブとかなかなか厄介。

3Rになるとポンジニッビオも半ば強引に圧を強め盛り返す。
終盤は激しい打ち合い。

試合はペレイラ判定勝ち。
ポンジニッビオの良さが出なかったというか、消されたというか、上書きされたというか…
ペレイラが上手く戦ったという印象。
大きさと四次元殺法でなんかイロモノ的に見えてしまうけど
基礎がしっかりできている印象。
だからこの変則的な攻撃も当たるのだろうけど。

ポンジニッビオはここでノーランカーに敗戦は痛いな。
ペレイラも正直この先のランカーは厳しいと思うけど
この大きさはなかなか幻想を抱けたり?


⑨チディ・エンジョクアニ vs ドゥスコ・トドロビッチ (5/21 UFC Vegas56)

前戦1R秒殺KOでUFCデビュー戦を飾ったエンジョクアニのUFC2戦目。
秒殺すぎたけどムエタイチックな動きが気になる選手。
現在3連続KO勝利中。

やはりのらりくらりとムエタイっぽいスタイルのエンジョクアニ。
トドロビッチのタックル切ってそのままダースチョークに入るエンジョクアニも、
これを凌いだトドロビッチが上を取る。
エンジョクアニはケージを使って上手く立とうとするもバックを取られる。
ここら辺のディフェンスはやや不用意というかなんか危なっかしい気もする。

トドロビッチはしつこくテイクダウン狙うもなんとか凌ぐエンジョクアニ。
スタンドへ戻ると膝。
更に首相撲のような状態からボディへ膝。
これを嫌ったか、背を向けるトドロビッチのバックへ回るエンジョクアニ。
そして身体を向かい合わせてきたトドロビッチに肘打ち一閃。ノックアウト。

これにてエンジョクアニ4連続KO勝利。

ムエタイチックな蹴り、首相撲からの肘・膝と好きなタイプだなあ。
打撃の殺傷能力も高い。
やや組みの展開に不安がありそうだが、楽しみな選手。


⑩ チェイス・フーパー vs フェリペ・コラレス (5/21 UFC Vegas56)

11勝1分という戦績でUFCと契約も、アレックス・カサレス、スティーブン・ピーターソンに破れ、勝利したピーター・バレット戦も追い詰められ何とか3Rに逆転の一本勝ちと化けの皮が剥がされてしまった感のある'元'プロスペクトのチェイス・フーパー。
サブミッションの技術は高いのだろうけど、スタンド、フィジカル面に難ありか、極めきれないとズルズルと判定で負けてしまう印象。

この日のフーパーは良かった。
スタンドでも自分からどんどん仕掛けていく。
スタンド勝負になるからこそ組み付ける。
グランドになると次から次へとサブミッションを仕掛けてフィニッシュを狙う。
試合は3RパウンドアウトでフーパーTKO勝利。
どんどん仕掛けていく姿勢が良かった。

ただ組み付いて逆に投げられたりやはりフィジカル面がやや弱いかな。
でもでもメンタル面で成長を感じられて良かった。

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