【出生17 日本人父と事実主義を採る国の国民である外国人母との間に出生した嫡出でない子について日本人父の認知のないまま父母が婚姻した場合、子は準正するか】


後輩 「日本人父と事実主義を採る国の国民である外国人母との間に出生した嫡出でない子について日本人父の認知のないまま父母が婚姻した場合、子は準正するのですか」

通則法第30条第1項により、 父、母、又は子のいずれかの本国法により準正が成立するときは、子は嫡出子の身分を取得します。 そのため、一見、 認知がなくても母又は子の本国法により準正が成立するかのようにも思えます。 しかし、日本は認知主義を採用していることから、 父からの認知がない以上、 通則法第29条が指定するいずれの法によっても、そもそも準正の前提であるはずの法律上の父子関係は成立していません。 そのため、 通則法第30条第1項にいう「準正の要件である事実」 が完成していないことから子は準正しないことになります。

【参考文献】

設題解説渉外戸籍実務の処理ⅣV出生・認知編 85頁及び86頁

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