小笠原諸島への移動手段「おがさわら丸」の過ごし方と船内設備の紹介
日本の世界遺産であり、ドルフィンスイムなどが楽しめる東京都の小笠原。
日本の他の地域では味わえない様々な体験を楽しめますが、定期運行の交通手段としては片道24時間の船旅しかありません。
この船旅で乗るおがさわら丸ですが、24時間(往復48時間)が暇と感じないほど、様々な設備があります。
今回はおがさわら丸で楽しく便利に過ごすための方法をご紹介します。
最初に
状況によってはかなり揺れます。これまで同じ規模の夜行フェリーや、沖縄から奄美大島行きのフェリーなどに乗っても船酔いしませんでしたが、おがさわら丸の航路は全く別という感想です。
安定している時は全く問題ないですが、外洋で揺れだすと船酔いする可能性が高いので、おがさわら丸で快適に過ごすためにも必ず酔い止めは持っていきましょう。また、船酔いした時は、就寝スペースで横になると少し楽になります。
私は行き帰りともに、八丈島〜大島付近で天気が悪く船が揺れて、人生初の本格的な船酔いになりました。
おがさわら丸での過ごし方
基本的にスマホなどでネットに接続することは、ほとんどの時間でできません。一人旅であれば、スマホやタブレットなどに映画などをダウンロードして持っていくのが良いでしょう。本も良いのですが、活字は波が荒れている時は船酔いしやすいので、映像の方がまだよいかと思います。
なお、帰りについては島内で知り合った人と話たりする機会もあるので、行きに比べると時間の経過を早く感じるかと思います。
複数人の旅であれば、他の人がいない部屋ならそこでのんびりするか、共有スペースなどで談話したりカードゲームしたりという過ごし方をしている人が多くいました。
また、この後紹介するイベントや施設などをうまく活用すれば、時間感覚としては24時間より短く感じると思います。
次に、出発からの過程と船内設備を紹介します。
出発場所
おがさわら丸の出発場所ですが、東京都内は竹芝桟橋、小笠原は父島の二見港になります。
・竹芝桟橋
竹芝桟橋の入口。奥に進むと、乗船券引換所や乗船口があります。中にはショップもあります。また、桟橋そばのファミリーマートでは酔い止めなども売っています。
竹芝桟橋の乗船券引換口
▼地図
・二見港
左側の建物内に乗船券引換所や乗船口があります。自販機やお土産物店が出港日には営業しています。
▼地図
乗船と出港
Tips:乗船券への引き換えは出港時間よりも前に開始されるので、時間に余裕があれば混み合う前に交換しておくとよいと思います。
並んでいる人がいますが、乗船は階が上の人からになるのであまり意味はありません。
竹芝桟橋の乗船口。
自分が利用する階が呼ばれたら乗船します。乗船後ですが、船旅を楽しむ意味でも荷物を置いたらデッキに向かいましょう。
・竹芝桟橋発
出発のお見送りを見る場合、接岸している側に出ましょう。この時、出港後に前または後ろのどちらに移動したいかによって、場所を決めておくとよいでしょう。
出港後、すぐにレインボーブリッジを通ります。また、1時間しない内に羽田空港近くも通るので、外を見て楽しめます。特に羽田空港は、普段とは違う角度から離発着を見ることができます。
・二見港発
二見港からの出港も見所が満載です。
船首からみて「右側デッキ」は場所の取り合いになるので、乗船して荷物を置いたらすぐに右側デッキの良い場所を確保しましょう。なお、屋上デッキは救命ボートなどがあって少し遠いので、6F、7Fデッキがおすすめです。
出港前には「太鼓」の演目があったり、宿泊施設やアクティビティ会社の人がお見送りに来てくれて、おがさわら丸のデッキにいる知っている人を見つけると手をふってくれたりします。
出港すると、ガイドブックなどでも紹介されていますが、マリンアクティビティを運営する会社の船が一緒に追走を始めます。
10隻前後の船が追走し、一隻ずつお別れのパフォーマンスをしては次の船が近くに来てお別れのパフォーマンスをしてくれます。こちらも船首から見て「右側」になるので、デッキを間違えないようにしましょう。
出発直後の見送りの船団
航海中の景観
船内の紹介の前に、もう一つ航海中の景観について紹介します。こちらもおがさわら丸で楽しく過ごせるお楽しみポイントです。
・夕日と日の入り
天気が良ければ、水平線に沈む夕日を見ることができます。また、太陽が沈む瞬間、運が良ければグリーンフラッシュを見られるチャンスもあります。
私も父島->竹芝航路の際、グリーンフラッシュを見ることができました。
・星空
日の入りした後は、星空を楽しめます。月の満ち欠けのタイミングなどもありますが、運が良ければ目視でもうっすら天の川を目にできます。なお、星空撮影については、船が動いているのでかなり難しいです。
・日の出
水平線から登る太陽を見ることができます。私が乗船した時は、雲がかかっていたのと、雨だったのでしっかり見ることはできませんでしたが、それでも美しい光景でした。
・島々
航路状況にもよりますが、航路中に島を見ることができます。また、ガイドできる人が紹介してくれる時間などもあります。
航路中のイベント
乗船する時期にもよりますが、船内ではいくつかイベントが開催されます。
船内アナウンスされるので、興味があれば参加してみると面白いでしょう。また、船内をまわるスタンプラリーなども開催されています。
就寝スペース
24時間の船旅ですので、就寝スペースがあります。
2等和室〜特等まで6つのタイプの船室があります。各タイプについては、おがさわら丸の公式ページを見てもらうとして、今回は私が利用した特2等をご紹介します。
特2等は10ベッド程度が1部屋になっています。最初に共通入口を入り、自分の指定されたベッドに移動します。
多くは左右に1ベットずつですが、特2等の各部屋ごとに2〜3ベットはこのように反対側がなく、ほぼ個室状態で利用できます。
荷物は入口付近またはベッドの下に収納できるスペースがありますが、それほど高さがないので、大きなキャリケースなどは入れられない可能性が高いです。ただ、部屋の入口付近などに大きなスペースがあるので、置き場所には困らないと思います。
・特2等の設備
ほとんどの日本人ならスペース的には十分寝られる広さがあります。
寝床には、コンセントが2口、テレビが1台、テレビ前にでっぱりのあるテーブルが備え付けられています。
テレビについては、東京湾内では地上波も見れますが、それ以外はBS放送のみになるのと、時間によっては見れなくなります。
テレビ前の出っ張りテーブルは13インチのMacBookProを置いてギリギリですが作業できるスペースがあります。
2等のベット部屋と比べると少し高いですが、24時間と考えると少し奮発して特2等を選んだほうがストレスなく過ごせるのではと思います。
食事場所
レストランとラウンジが1つずつ、それ以外にミニバーが1つあります。
・レストラン Chichi-jima
おがさわら丸で一番大きなレストランがChichi-jimaです。100人以上が入れる大きなスペースがあり、和食・洋食などがあります。
オープン時間が限られているので、利用する場合は注意が必要です。基本的にはレストラン前に航海中のオープン時間が掲載されています。また、船内アナウンスでの連絡もあります。
・展望ラウンジ Haha-jima
軽食類を提供しています。基本的に航海中の多くの時間で利用することができますが、店舗として提供している時間は限られているので注意しましょう。
出港後、ここに集まって飲んでいる人が多いですが、消灯時間後は比較的空いています。
・ミニサロン南島
メインの階段やエレベーターのあるフロアからは行くことができないため、少し分かりづらいのですが、人があまり多くいないのがミニサロン南島です。
人が常駐して何かを販売しているわけではなく、自販機でカップラーメンやお菓子類などが販売されています。この後紹介するショップドルフィンで買い物をしてここで食べている人などもいました。
ショップ
船内に唯一あるショップがドルフィンです。
お菓子やパンだけでなく、冷凍食品やアイスクリーム、コーヒーなどを販売しています。
船酔いして気分が悪い時、ここでコーヒー牛乳モナカを何度も買いに訪れたのが懐かしい思い出です。
自販機
船内には様々なモノを販売する自販機があります。
カップラーメンや電子レンジで調理する食品、パンやお菓子などが販売されています。また、飲み物だとソフトドリンクだけでなくビール類も販売しています。
食べ物の自販機
カップラーメンの自販機
自販機近くのキッチン。お湯も利用できますし、写真にないですがそばには電子レンジもあります。
船内コンシェルジュ
乗船・下船を行う4Fの入口近くに船内案内所があります。ここでは職員の方がいて、困ったことがあれば相談にのってくれます。また、1万円札しかない場合に自販機利用ができない時は、ここにある両替機を利用すると便利です。
船内案内所と同じ階には、船内すべての設備紹介の案内や、航海中のお店のタイムスケジュールなどが出ています。
シャワー
各階に数箇所、シャワールームが完備されています。
おがさわら丸のシャワールームですが、中に入ると鍵がかけられるようになっています。また、鍵をかけた後のシャワールームとの間に脱衣所があり、モノをおくことができる3段の戸棚も完備されています。
シャワー室には1つですがドライヤーもあるので、髪を乾かすのに困ることもありません。小笠原父島出港日にマリンスポーツや汗をかいている場合、出港した後にシャワーを利用できるので非常に便利です。
トイレ/洗面所
各階に数箇所用意されています。
なお、「トイレ」と「洗面所」は部屋が別れています。
トイレについてはウォシュレット付きでした。
貴重品ロッカー/冷凍ロッカー
船内の4Fには貴重品ロッカーと冷凍ロッカーがあります。
貴重品ロッカー。指紋認証でした。
冷凍ロッカー。乗船して少しすると満杯でした。満杯の場合も、相談すると預かってもらえそうでしたので、もし利用できなかった場合は相談してみるとよいと思います。
公衆電話
航海中、東京湾内や大島・八丈島近海、父島近海を除いて携帯電話は利用できません。そんな時に便利なのが衛星利用の公衆電話です。
喫煙室
船内には喫煙室も用意されています。私はタバコを吸わないので、中がどんな仕組みになっているかまでは不明です。
いかがでしたでしょうか。
おがさわら丸での過ごし方と船内の設備などをご紹介しました。
乗船前は24時間もどうしようと思っていましたが、実際に乗船してみるとあっというまでした。また、飛行機では寝ることのできない私でも熟睡できるぐらいに就寝環境は整っています。
ぜひ、おがさわら丸を利用する際に参考にしてみてください。
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