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ドッペルゲンガー現象

ドッペルゲンガー現象をご存じだろうか。
自分自身の姿を自分で見る幻覚の一種で、「自己像幻視」とも呼ばれる現象である。 自分とそっくりの姿をした分身。  同じ人物が同時に別の場所に姿を現す現象を指すこともある。自分自身のドッペルゲンガーを見た人は死ぬといわれている。

このドッペルゲンガー現象を体験したのは17年前のこと。

私は三島市という、静岡県の東部の町に住んでいて、静岡市内のオフィスに新幹線で通っていた。新幹線の三島駅の前に、私立の学童保育があり、子ども達を預けて働いていた。創業したばかりの頃で、とても忙しい毎日を送っていた。

私の高校時代からの友人、M子の話をする。


彼女とは、高校の入学式で隣に座ったのが縁で、そのあと、高校3年間行きかえり一緒に登下校する仲となった。M子はとても明るく元気で、運動神経万能だった。私たちはとても気があう友人だった。高校3年間一緒に過ごしたのち、短大も同じ学部に通い、一緒にアメリカ留学もした。うちによく泊まりにきていたし、一緒に旅行もした。洋服を貸し借りしたり、姉妹のように仲が良かった。

いつも一緒に登下校した友人M子

就職先は二人とも違ったが、仕事が終わった後、よく一緒に遊んだ。お互いの結婚式のスピーチを担当し、子どもが出来てからも、お互い子連れでたびたび一緒に旅行した。それはそれは長い時間、ずっと変わらず友人だった。
M子は九州に嫁に行っており、博多に住んでいた。

三島駅にM子の姿が

ある日、私がいつも通りに新幹線の三島駅のホームにいると、M子が同じく三島駅のホームを歩いていた。顔もはっきり見えたので本人だ。私は名前を大声で呼んで、追いかけ、階段をかけ降りて追っかけた。改札を出たところで見失った。あれ?今日は三島に来てるのかな? 改札を出たところでM子に電話をしてみる。

まったく本人にしか見えない。

今、三島駅で見かけて追いかけたけど、見失ったから電話したんだよ。三島に来てたの?

と聞くと、本人は博多から出てないという。

私が、「 黒いパフスリーブでAラインのロングコートを着て、金色の花のバレッタを髪につけてたよ。黒いショートブーツを履いてた。」 と見かけた当時の服装を言うと

そのコート・・・先週買ったばかりのお気に入りのコートだわ。金色の花のバレッタもお気に入りのやつだわ。ブーツも、今日今着てるよ。怖いわ!
なんか嫌な予感がしたから、今年はお正月にお祓い行ったんだよ。

という。 でも本人が博多にいるのは本当のようだ。 
では、私がさっき見かけて追いかけた人は誰?

三か月後、行方不明の末、身元不明遺体で見つかるM子

その3か月後のことである。M子が行方不明の末、博多市内で、身元不明遺体でみつかったのは。


今でも信じられない。新聞記事にもなったしニュースにもなった。
事故・自殺・事件の可能性があるとし、警察の捜査が入った。M子のご両親は、行方不明になった夜に、関西の家から博多入りし、もしかしたら、関西の家にM子がいるかもと、博多、関西間を2往復もしたらしい。

M子のご両親から初めに連絡をうけたのは、うちの母親だった。母は、「なんか嫌な予感がする。人死にがあったかも。」と私に言った。
実際に、M子のお母さんに電話して事実を知った日、私は一睡もできなかった。そして、3か月前のあの電話が、M子との最期になったんだと知った。

M子のお父さんが、必死で当日の足取りを調べたり自分で調査した内容を、警察に話したそうだが、結局、犯人は存在しないという事になったんだそうな。私の前でとても無念だという話をされた。

M子はその後、何度も私の夢に出てきて、この事件の真相を見せてくれた。なので、私はこの事件が起きた理由を知っている。犯人が出ない理由も。

この犯人にはいずれ天罰が下ると思う。そう願う。

ドッペルゲンガー現象・・・自分とそっくりな人が同時に2か所で目撃される現象。 このような現象が起きたときは要注意だ。何かとてつもなく黒くて大きいものに巻き込まれるかもしれない。


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