【連載】皐月賞(GⅠ)・各馬評価Ⅷ<ルーパステソーロ&レッドベルオーブ&ワールドリバイバル>

さて、いよいよ最後のパートになります。

明日、枠が決まりましたら、各馬の戦法、位置取り、展開予想などを書いていく予定です。

各馬評価⑭
ルーパステソーロ

寸評含めて書けないなというのが正直なところ…苦笑
頭数が揃わなかったために出られたようなもので、重賞やOPを勝ったわけでもトライアルで権利を取ったわけでもない馬で、1勝クラスすら勝っていないのはイルーシヴパンサーとこの馬だけ。

イルーシヴパンサーはまだ1600mを使っていたり、フリージア賞で2着だったりと見せ場もありましたが、この馬については戦績上言い訳が利かない負け方をしていますのでかなり厳しいでしょう。

3着に入った前走の1勝クラスにしても、ペースが流れて前が潰れて3着に来れましたという具合なので、特筆すべき点もありません。

1つだけ言えるとすれば、水仙賞であれだけスローだったにも関わらず、後方待機で上がり35.1秒では絶対的なスピード能力が低い、というところ。

各馬評価⑮
レッドベルオーブ

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基礎スピード:D(中距離上位条件級)
トップスピード:34.0秒(デイリー杯2歳S時)
持続力:A(良)
瞬発力:B(並)
寸評:厳しいペースへの耐性は問題ないも、折り合い・スタミナ面が課題

9月の未勝利戦で前半600m34.0秒というペースを番手から押し切る強い競馬で一気に注目を浴び、続くデイリー杯2歳Sで勝利。朝日杯FSではグレナディアガーズ、ステラヴェローチェに敗れるも3着に入りました。

そしてそこからの直行ローテで皐月賞に挑みます。

基礎スピード、持続力は世代上位。テンに課題があるだけに、距離延長もむしろ歓迎だと思われます。

また、この馬が最も高いパフォーマンスを示したのはデイリー杯2歳S。朝日杯FSの記事でも書きましたが、勝負所での反応の素早さは特筆すべきものがあります。

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前が開かないけどどうすんのかなと見ていたら、ホウオウアマゾンの左側が開いた一瞬の隙を見つけてサッと進路を確保します。これ、わずか1秒の間の出来事です。

レースラップ上、この600⇒400m区間は11.4秒とスパートをしているタイミングですが、このわずか1秒で、スッと前に行けるギアチェンジ能力の高さ(反応の素早さ)、他馬がスパートした時に出すスピードのもう1段上のギアの存在、を示しました。

デイリー杯2歳Sでも朝日杯FSでも前半引っ掛かっている仕草が見られただけに、距離を延ばしてしっかり折り合えるかが大きな課題になりそうです。

また、朝日杯FSでは、ステラとの違いも明確になりました。

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上位3頭の上がり3Fの推移と上がりの差を比較すると、この通りになっております。

ステラの方が少し後ろにいたこと、内を立ち回ったこと、レッドは少し前半掛かっていたことなどがありますが、それでもレッドベルオーブとステラとで上がりが0.6秒も違うのはかなり大きな差です。

このことを踏まえると、持続力という点ではレッドの方が上、勝負所でのトップスピードではステラの方が上、というイメージではないかと思われます。

皐月賞に向けての大きな課題は折り合い。デイリー杯2歳Sでは「大丈夫か?」と不安になる程ものすごい掛かっていましたし、かなり流れた朝日杯FSですら、少し口を割っている場面が見られました。

1,800どころか、いきなりの2,000m挑戦だけに、引っかかっての体力消耗は避けたいところ。策士藤原調教師による調整と、コントレイルを三冠に導いた福永騎手の手綱さばきがカギになります。

各馬評価⑯
ワールドリバイバル

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基礎スピード:G(中距離下位条件級)
トップスピード:34.5秒(あすなろ賞時)
持続力:B(並)
瞬発力:B(並)
寸評:実力では劣るも今のメンツで大逃げ打てば別。展開のカギを握る。

あすなろ賞勝ち馬。スプリングSでは逃げて6着と冴えませんでしたが、頭数揃わずで出走が叶いました。

この馬については、各馬評価Ⅰでも書いた通り、黄菊賞で溜め逃げして殿負けしており、タイトルホルダーのようにスローでさらにひと足が使えるようなタイプではありません。

むしろ、あすなろ賞のように、残り800mからのロンスパで、後続の脚を削いでセーフティリードを保って逃げ切るのが理想と言えます。

テンの速さを比較すると、前走ベースではタイトルホルダーが速いですが、最初の1Fが過去最も速かったのはこの馬。

談話を読んでの最終結論になりますが、タイトルホルダーは馬の力や騎手の性格を考えても番手でも良いと考えるハズなので、この馬が逃げる可能性はかなり高いと言えます。

この馬については、前にバイアスが掛かるような馬場であれば、残り目もあるだろうと踏んでいますが、3年前の皐月賞のアイトーンみたく、ガンガン逃げてしまうと恐らくもたないでしょう。

ただ、個人的には締まったレースが見たいので、ガンガン行って欲しいとも思います。ただ、そうすると、番手にタイトルホルダーが位置どって2番手以下をスローに落とし込むことをしそうな気もするので、ちょっと考えどころだなとは思っていますが・・・。


これまでの各馬評価はこちら↓↓↓↓

■各馬評価Ⅰ アサマノイタズラ
■各馬評価Ⅱ アドマイヤハダル&ヴィクティファルス
■各馬評価Ⅲ イルーシヴパンサー&エフフォーリア
■各馬評価Ⅳ グラティアス&シュヴァリエローズ
■各馬評価Ⅴ ステラヴェローチェ&タイトルホルダー
■各馬評価Ⅵ ダノンザキッド&ディープモンスター
■各馬評価Ⅶ ヨーホーレイク&ラーゴム

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