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NHKマイルC(GⅠ)考え方・各馬評価


(5/4 21時追記)
東京の馬場、クッソ速いですね。。
想定馬場差は-1.8でしたが、今日の1,400m戦、1,600m戦の結果を踏まえた計算ではもっと速く-2.3程度。
そのため、好走レンジを修正しました。

また、馬場が非常に軽いため、追走負荷が減っています。前に行く可能性がある馬については、後述の各馬評価に関わらず、押さえておいた方が良いかもしれないですね。


今年は良いメンバーが揃いました。
近年で一番レースレベルが高く、かつ戦前からテンションが上がったのは2021年。シュネルマイスター、ソングライン、グレナディアガーズの年ですが、今年もそれに近いなと。

2021年NHKマイルC

朝日杯FS勝ち馬と阪神JF勝ち馬が史上初めて対決するというのも面白いですし、ニュージーランドトロフィー、アーリントンC、そしてファルコンS、と前哨戦で勝ち上がってきた馬たちも順当に出走予定。(って書いてたら、エコロブルーム回避…)

個人的にどのレースも、そりゃこの馬が勝つよね、連対するよね、という結果だったので、文句なしのメンツです。これだけ「あ~良いメンツだなぁ」と思うのも珍しいです。
(正直、昨年は前哨戦がどれもこれも雨に祟られて、世代レベルも相まってかなり酷かったなと思っているだけに…)

世代レベルはまだ分かりませんが、きっと面白いレースになるのではないでしょうか。


NHKマイルカップに求められる適性

では、早速NHKマイルカップとはどんなレースか、を過去のレースから紐解いていきましょう。

以下は、過去のNHKマイルカップの馬場差、そして中盤の400m(600m~1,000m区間)を補正した、馬券内に来た馬たちの前半3Fと上がり3Fをプロットした、好走レンジです。(過去6年分)

比較対象として同コースの古馬GⅠ安田記念を置いていますが、この表から読み解ける、求められる能力は以下の2つです。

求められる能力① 高い追走力

さすがに3歳、そしてマイルGⅠということもあって、ペースがきつくなる分、上がりは全体的に掛かり気味。

2023年からさかのぼって2008年まで、前半3Fの平均は34.3秒、中盤は23.7秒。前半3Fが速いのはもちろんですが、中盤も12秒台が2Fも続くようなラップにはなりにくいということです(マイルで12秒台は息がつけるスピードです)。

とにかく追走力が問われるので、中盤もほとんど緩まないレースを経験しており、かつそのレースを好走していることが必須になります。

※中盤の想定を23.0秒としているのはこのためです。23秒なら11.0-12.0なんてラップにはまずならず、おおよそ11.5-11.5とか、11.4-11.6というラップになるので、中盤緩まない場合を想定する際には便利な数値です

NHKマイルCで度々追込馬が突っ込んでくるのはこのためで、逃げ先行勢が追走に手一杯となり、垂れてきたところに差し追込み馬が襲いかかるという構図になりやすいのがNHKマイルCというレースなのです。

ただし、注意したいのは、追走力が必要⇒前が潰れる、という単純な話ではなく、逃げ先行馬だけでなく、後ろも相応の追走力がないと、前の馬と同じように垂れてしまう可能性があるという点

今回出走している馬の中に、過去の前半3Fが36秒後半とか37秒で走る馬もザラにいますが、好走レンジを見て分かるように、NHKマイルCは36.3秒より遅く走って好走している馬はいません。(2013年まではチェック済)

つまり、差し追込馬もそれ相応に速く走らないと、これまでのようにのんびり待機しているわけにはいかないのです。


求められる能力② 上がりの持続力

安田記念では①に加えてトップスピードが問われます(先行しても33秒台の脚がないとまず通用しない究極のスピード勝負)が、3歳のこの時期だと、そこまでの能力はまだ持てていません。
そのため、上がり、つまりラストスパートにおいては、安田記念のような高いスピード能力は必要ありません。

逃げ・先行馬は言わずもがな、前にいる分だけ、どれだけバテずに速い脚を維持できるかの問題になります。

また、追込で好走する馬については、基本的に「持続力」の馬で、トップスピードは低い傾向にあります。
なので、このレースで追い込んで好走した馬は、その後トップスピードも問われるようになるため、大抵の場合成績が低迷します。

これは、過去追い込んできた馬のラインナップを見れば明らか。
(2023年はレベルや馬場の問題があるので論外とします)

NHKマイルCで過去追い込んで馬券内に入った馬
(またはそれに近しい事例の馬)
2022年 マテンロウオリオン、カワキタレブリ―
2021年 リッケンバッカー(4着)
2020年 該当馬なし
2019年 ケイデンスコール、カテドラル ※2頭とも差し
2018年 ケイアイノーテック
2017年 該当馬なし
2016年 ロードクエスト

皆「持続力」の馬なので、NHKマイルC以降、トップスピードが求められるようなマイルのレースでは好走出来ません。仮に好走しても条件クラスでのもので、大抵は2、3着止まり。

逆に好走しやすい条件は、
・1,200~1,400m戦
・トップスピードが必要ないマイル戦
・小回り1,800m

と、かなり条件が限られます。中には脚質転換に成功して成績が浮上している馬もいますが、上記の原則からは外れていません。

そのため、同じ条件である東京マイルのGⅠ、安田記念ではまず好走することはありません。
理由は好走レンジを見れば、もうわかりますよね。後方から走るのであれば上がり32秒台が必要だからです。

とまぁ、NHKマイルC”後”の話ばかりしていますが、つまりはトップスピードではなく、とにかく上がり勝負では差し届かないような馬を買う、というのがポイントになります。

ただ、今年は例年と比べ先行或いは中団で強い馬がいるので、あくまで相手以下で押さえる候補選びの基準にするのが良いかと思います。

位置取り

テン比較は以下の通り。

前走で逃げたユキノロイヤルは大外。テンの速さは全体的に横並びなので、行くにしても結構飛ばす必要がありそう。
次点の逃げ候補としてはキャプテンシーですが、ボンドガールが先手を取るという可能性も。

人気を集めるアスコリピチェーノとジャンタルマンタルは共に外枠。
内枠で閉じ込められたりするような変な不利を食らうことはなさそうですが、ジャンタルマンタルは前に行く分、どこにどう位置取るかが難しいところ。

逆にアスコリピチェーノは、自分より内側にテンが速い馬が多いので、その後ろに入りながら内側に移動することが可能。
ただ、ジャンタルマンタルをマークするわけにはいかないので、ゴンバデカーブースなど他の馬の動きを見ながら外に出す形をとるか。(この辺は外がどれだけ伸びるかにも依る)

各馬評価

アスコリピチェーノ

9 / 10点
追走力:★★★★★
上がりの持続力:★★★★☆

3歳世代上位の脚力の持ち主。
前半35秒台で入って、上がり33秒台でまとめてきますし、中盤が緩まないレースも桜花賞で経験済。

阪神コースでの実績なので、そのまま鵜呑みにするわけにはいきませんが、近年の阪神コースの馬場の軽さは東京に匹敵するものがあるので、信頼度は高め。

復活のルメール騎乗ということで、鞍上のレース勘などの影響がどれだけ出るかですが、グランアレグリアの時のようにぶつけられたり徹底マークを受けない限りは凡走が考えにくい馬だと思います。
(今回はジャンタルマンタルと人気を二分するでしょうし)

アルセナール

5 / 10点
追走力:★★☆☆☆
上がりの持続力:★★★☆☆

同コースのクイーンCで3着の経験あり。中盤も緩んでないレースなので、一見良さそうなのですが、前半35.9秒で走って上がり34秒は遅い。
好走レンジを見ると、前半3F35.9秒で走る場合は33秒台の脚が欲しいところです。

2月以来の実戦となるので、必ずしも対応できないとは限りませんが、桜花賞で通用しなかったクィーンズウォークに負けている以上、相手関係的にも強調しづらいです。

アレンジャー

6 / 10点
追走力:★★★☆☆
上がりの持続力:★★★☆☆

個人的にアーリントンCでは大大大大変にお世話になった馬。
前走はだいぶ舐められていましたね。とは言え、ペースがハマったことも事実。ペースがスローになりそうということ、かなりの高速馬場になるであろうことを踏まえて、前に行かれると怖いと思っての穴評価でした。

上表のジュニアカップ、白梅賞を見れば分かりますが、中盤が緩んでいないと、11.1⇒11.8、11.8⇒12.6、と差すにしても、自身もバテてしまいレースラップと同じような推移になって差し損ねています。
つまり、中盤が緩まない1,600mだと、どうしても距離の壁が出てきてしまうということだと思われます。

仮にポツンからの追込を狙ったとしても、前が結構バテないとやっぱり差し損ねるというパターンになりそう。

イフェイオン

7 / 10点
追走力:★★★☆☆
上がりの持続力:★★★★☆

フェアリーS勝ち馬。この馬は完全に「持続力」の馬で、過去4戦すべて上がり3Fが34秒台です。

桜花賞ではこのことに気づいて33秒ないと無理と即切りしましたが、NHKマイルCでは前にいたら粘りそうだなと思っています。

というのも、過去の上がり3F推移を見て頂ければ分かりますが、桜花賞以外は最後までラップが極端な落ち方をしていませんし、桜花賞でも最後の1Fが11.9秒と悪くはないんですよね。

もちろん、エトヴプレやセキトバイーストがもっと前で粘ってもいるので、超面白い穴!とか、高評価!という程前のめりではないのですが、35秒前半で先行して34秒前半でまとめられるなら、ノーマークにするにはちょっと怖いなという印象です。

ウォーターリヒト

4 / 10点
追走力:★☆☆☆☆
上がりの持続力:★★★☆☆

後方待機、持続力の馬、と条件ピッタリと一瞬思うところですが、この馬についてはペースが上がったり、中盤が緩まないレースの場合、シンザン記念のようにかなり時計が掛からないとダメだと思います。

後方から運んでいくスタイルですが、自身が前半3Fを一番速く走ったのがシンザン記念で、それ以外は全部36.5秒より遅いですし、中盤も緩みっぱなし。時計の掛かる馬場であることを加味しても、出した上がりが遅すぎます。

また、皐月賞で追走力が問われた際にも、同じく後方一気のスタイルで朝日杯FS2着だったエコロヴァルツと同じような位置にいたにも関わらず、1.7秒も上がりで差をつけられていますし、先行していたジャンタルマンタルにすら上がりで0.7秒も負けています。

シンザン記念は馬場とペースがハマっただけで、基本的に今後古馬とマイルで戦っても通用するレベルにないと思います。

エンヤラヴフェイス

5 / 10点
追走力:★★☆☆☆
上がりの持続力:★★★☆☆

ウォーターリヒトと比べるともう少し前で競馬が出来る分、追走力はそこそこありますが、ペースが緩んでもトップスピード能力は低いのでキレ負け(新潟2歳S、共同通信杯)をします。

なので、デイリー杯の時のように、中盤緩み、かつ馬場が渋って速い上がりが求められなくなれば、ダラダラ脚を使って浮上してくるタイプと言えます。

ただ、朝日杯FSのようにどギツイペースや、NZTのように中盤が緩まないと、成す術なく終わるので、あまりマイルでどうにかなるようなタイプとは言えないですね。。

中距離で上がりが掛かるレースの方が適性はあると思います。

キャプテンシー

7 / 10点
追走力:★★★★☆
上がりの持続力:★★★☆☆

NZTでは不可解な敗北を喫しましたが、ペース経験は十分にあったので、単純に馬場が合わなかったと解釈するのが自然な気がします。

実際、NZTの時とジュニアカップの時とでは馬場差がかなり違うので、中盤緩まないレースで馬場が重いとバテてしまうのではないでしょうか。

お母さんのアドマイヤリードもGⅠのヴィクトリアマイルを勝ったと言っても、ゴリゴリの中盤も緩まないマイルレース、ではなく中盤緩んだレースですからね…しかも、2,000m以上では結果が出ていないのでスタミナ面で脆さがあってもおかしくはありません。

さて、この馬については、未勝利2戦目とジュニアカップのラップを見れば追走力面では十分な力があります。

あとは、これが東京になってどうか。ジュニアカップの時の馬場はかなり軽いですし、そもそも中山のマイルは400m過ぎた辺りから中盤までは下り坂なので、多少スピードが出ても負荷は低いんですよね。

前半34.8秒で入った場合、33秒後半~34秒前半くらいでまとめられる脚が欲しいところ。ジュニアカップの時は34.6秒なので、ちょっと足りない。
※阪神で勝った未勝利戦でも36秒で入って、34.0秒でまとめているので、やっぱり足りない

馬場の軽さとスピードを生かしてガンガン逃げた方が残る率もありそうな気はします。


ゴンバデカーブース

7 / 10点
追走力:★★★☆☆
上がりの持続力:★★★★☆

レース経験が2戦しかないので、正直一番わからない馬です。
字面だけで評価すれば、ペース経験がないですが、お父さんがブリモルなので恐らく持続力の持ち主。(ということで上記のような評価)

サウジアラビアRCで、前半35.7秒で入り、上がり33.5秒でまとめていること自体はプラスです。これだけなら好走レンジにも入ってきます。

ただ、中盤が12.0-12.3とかなり緩んでいるので、ここが締まったペースになった時にどれだけ上がりの脚に影響するかが未知数。
理屈では上がりの脚は落ちますが、成長と血統面を踏まえると耐えられる可能性はあります。


ジャンタルマンタル

8 / 10点
追走力:★★★★★
上がりの持続力:★★★☆☆

皐月賞3着馬。
朝日杯FSのように厳しいペースを先行して勝っているので、共同通信杯はキレ負けするんじゃないかと思ったのですが、まさかの上がり32.6秒。全く異なる適性のレースで両方好走しているので、能力はかなり高いと思われます。

翻って今回。皐月賞で中盤締まったレースを経験していますが、問題は上がり。全体的にスローの極端な上がり勝負と、中盤緩んだ中での消耗戦には対応しましたが、ペースが流れて中盤も緩まないレースでどれだけ脚が残せるのか、という問題が残っています。

共同通信杯で32.6秒使えているので、そこそこの上がりでまとめてくるであろうことは間違いないのですが、シンリョクカやレイベリングの例もあります。

極端にスローなら上がりは使えるが、ペースが流れる中でスピードも問われるとちょっと微妙だった…みたいな馬もいるので。。

シュトラウス

5 / 10点
追走力:★★☆☆☆
上がりの持続力:★★★★☆

朝日杯FSで制御不能となった後、ファルコンSで教育のため後方からの競馬に。再び制御できるように教育中ということもあり、勝ち負け以前の部分も。

能力面で言うと、サウジアラビアRCでコンバデカーブースと前半で0.3秒しか違わないにも関わらず、上がりで0.8秒も負けており、力差は明らか。

また、ファルコンSでもダノンマッキンリーより遅く走っていたにも関わらず、上がりで0.5秒も負けています。

後方一気でハマる可能性を考えましたが、例えば2022年のマテンロウオリオンやカワキタレブリ―はどこかしらで33秒台の脚は使っています。この馬の場合それがないので…?

ダノンマッキンリー

7 / 10点
追走力:★★★★☆
上がりの持続力:★★★☆☆

クロッカスSでキレ負けしているように、モーリス産駒らしく持続力の馬

クロッカスSも決して緩んでいるわけではないのですが、馬場差が-1.5とファルコンSよりも高速化しており、上がりが求められました。
一方のファルコンSは馬場が渋っているわけではありませんが、中京らしく、上がりが多少掛かる傾向にはあったため、後方差しが鮮やかに届きました。

NHKマイルCの場合は、前述の通り、ものすごい速い脚は不要で適度に時計は掛かる傾向にあるので、この馬にとってはおあつらえ向きの展開となる可能性は高いと思われます。

ただし、問題は距離。朝日杯で11.5-11.3と推移した後、残り200mで12.5までガクンと垂れており、完全に距離の壁があるように見えます。
後方差しなら違うのでは?と思うかもしれませんが、前半3Fを比較するとほぼ同じような時計になっており、単純にファルコンSの方が前が速くなったと言えます。

つまり、ファルコンSがさらに200m延びていたら、11.8-10.5-11.3と辿っていた推移が次の200mでどうなっていたか?というと…落ちていた可能性も多分にあるように思います。

チャンネルトンネル

6 / 10点
追走力:★★★☆☆
上がりの持続力:★★★☆☆

デビュー以来すべて4着以内の善戦マン。
東京で二度走っていますが、2度目の1勝クラスはかなりのスローになりキレ負け。次走のスプリングSでも同じくキレ負けを喫しており、持続力に寄った馬であることがよく分かります。

じゃあ何故アーリントンC間に合ったの?という疑問が出るかもしれませんが、これについては、先行出来ていたことと、相手関係も大きいように思います(戦前、レベルが低いなと感じていたので)。

今回は適性は向いていそうなのですが…単純に力が足りない可能性もあります。

というのも、ジュニアカップを見ると、キャプテンシーより後ろにいるのに、上がりがキャプテンシーより遅いんですよね。で、最後の1Fはキャプテンシーと同じ11.8。

もちろん、こういうのは展開次第なところもありますし、成長によって変わってくることも多々あるので、ダメだから切る!とはなりませんが、馬券内になるには騎乗に少し工夫が必要な気もします。

ディスペランツァ

 6 / 10点
追走力:★★☆☆☆
上がりの持続力:★★★★☆

アーリントンC勝ち馬。マイル路線に転向して結果を出していますが、ネックなのは追走力。

見れば分かりますが、前半3Fを最も速く走ったのは36.4秒でホープフルS。マイルでは後ろからの追走となっています。

1勝クラスでは中盤が緩んでいませんし、馬場差もそこまで高速化してはいないため、一定の評価は必要ですが、前半3Fを今までで最も速く走らないといけない、というのは本番を考えるとちょっとマイナスですよね。

末脚が自慢ではありますが、追走での消耗度合によっては後方で何もできないまま終わる、という可能性も。

ノーブルロジャー

 6 / 10点
追走力:★★★★☆
上がりの持続力:★★☆☆☆

この馬でどうにも引っかかるのが上がりの遅さ

新馬戦は上がり33.3秒ですが、そりゃこれだけ遅ければ上がりは出ます。ですが、38秒で入って33秒台でまとめるのはさすがに遅い。

以降、シンザン記念にしても毎日杯にしても、35秒台の時計が掛かるレースでの好走なので、追走に脚を使った際の上がりは未知数ですが、さすがにもう少し速い上がり(34秒台前半)を使わないと、差されて終わるのではないか?という気がします。

川田騎手がこの馬ではなく、ジャンタルマンタルを選んでいるのもネック。

ボンドガール

 6 / 10点
追走力:★★★☆☆
上がりの持続力:★★★☆☆

新馬戦で負かした馬たちが次々重賞で好走し、ハイレベルだと話題になり、勝ったこの馬の評価も自動的に上がっていきました。
が、一線級の馬が集まった「伝説の新馬戦」なんていうのはそう簡単に出現するものではなく、結果的にどの馬もGⅠでは通用していません。

レースレベルというのは一定の能力は保証してくれますが、それが一線級で通用する保証はどこにもありません。

で、この馬についてですが、サウジアラビアRCを見る限り、シュトラウス同様に上がりが物足りません。前半35.5秒で入るなら33秒台が欲しいところ。

新馬戦のようにスロー&中盤の緩みがない限りは、そこまで速い上がりは出せないのでは?というのが2戦を見ての印象。
実際、ダイワメジャー産駒なので、上がりの速さが求められるレースよりも、持続力の方が期待できるのではないでしょうか。

そう考えると、もっとゴリゴリに前で運んで34秒台で耐える戦法の方が勝ち目はありそうな気がします。


マスクオールウィン

 5 / 10点
追走力:★★☆☆☆
上がりの持続力:★★★☆☆

前半36秒台で運んで、上がりが33.9~34秒前半なのでトップスピードに限界があるタイプと思われます。実際、3F戦となった新馬戦では先行してもキレ負けして差されています。

明らかに1,400mの持続力勝負の方が向いていると思います。
後方追込でハマるかという観点で見ても、桜花賞で全く上がりが使えていないので望みは薄いかなと考えています。

ユキノロイヤル

4 / 10点
追走力:★★☆☆☆
上がりの持続力:★★☆☆☆

中山マイルのような時計の掛かるマイル戦が得意。NZTは自分のペースに持ち込み、かつ時計が掛かる稍重になったことでかなり向いたと言えます。

スローでも上がり3Fの中に12秒台があるくらい上がりが使えませんし、東京マイルでは新馬戦の3着が最高で、全く向いていません。

ロジリオン

8 / 10点
追走力:★★★★☆
上がりの持続力:★★★★☆

京王杯2歳Sではコラソンビートの2着。
そのコラソンビートは、桜花賞でこそ引っ掛かって自滅してしまいましたが、阪神JFではアスコリピチェーノに肉薄していますし、もし人気がないなら逆に狙いたいところ。

また、中盤が緩まないレースを何度も経験していますし、そのレースで全く垂れていないのもプラス。(もちろんダノンマッキンリーみたいに、流れる1,600mだと距離の壁が生じる可能性もないとは言えませんが)

そもそも、前走のファルコンSは完全に鞍上の騎乗ミス(3~4角でどう馬を導くか考えておくべきなのに、直線に入っても周囲をキョロキョロキョロ…)で、ノーカン。


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