皐月賞(GⅠ)・各馬評価(簡易版)


ちょーっと思うところあり、テン1F/3F比較表はこちらに載せさせて頂きます。普段から見て頂いている方々に向けて。

テン1F/3F比較表

前走逃げた馬のうち、メイショウタバルが最も内側に。

談話や諸々の情報から、逃げ候補陣営は以下の通り。
・メイショウタバル:自分で逃げても好位でも
・シリウスコルト:逃げか先行、スピードを生かす
・アレグロブリランテ:先行
・ホウオウプロサンゲ:逃げ、一発を狙いたい

メイショウとアレグロブリランテ以外は明確に逃げを示唆。
メイショウは状況次第で出方を考えると思われますが、メイショウ以外が逃げるとなると、すんなり1頭がマイペースでということは叶わず、前が速くなる可能性も。

騎手は当日の馬場を強く意識すると思うので、ここまでの芝のレースでの結果次第にはなりそう。

どれどれ、皆どのレースに乗って確かめr・・・・・

アレグロの和生以外誰も芝のレース乗らんやんけ!!!!!!!!!!!!

見た結果のイメージだけで乗りそうです。怖ぁぁぁ…特に三浦騎手は…

馬場の状態

どのレースもスローで前残りではありましたが、

中山5Rを走っていた馬の内、3着馬と4着馬の過去の中山マイルでの比較で、何となく「軽いな」というのは把握できました。(もちろんもう少し綿密な計算式に基づいて判定していますが)

そして、ポイントになったのは9Rの山藤賞。
ここで弥生賞4着だったエコロレイズが出てきました。

弥生賞より馬場が軽いなら、「スローになったらエコロレイズ」危険じゃね?と思っていたわけですが、案の定馬券外。しかも、弥生賞で1秒以上突き離した相手に先着されるというおまけ付き。

レースの結果見れば分かりますが、エコロレイズ自身は弥生賞と同じ34.8秒という上がりを使っています。

でも、全然遅いんですよね。それどころか、逃げた馬、番手にいた馬より上がりが遅い。

つまり、これが弥生賞の本質なんです。
中盤が緩まなかった、上がりが掛かった。
だからコスモキュランダやシンエンペラーが上位にきた。

そんなレースで上がり1位だった馬が、スピードが求められたレースで大凡走(と言って良いでしょう)した。

先日書いたコラムで私はこう言いました。

この世代はスパート経験が乏しい。
というか、残り3Fのうち12秒台があるレースがとにかく多い。

後半を速く走るよりも、12秒台が入るタフ寄りの適性がある馬が賞金を積んで皐月賞に出ている可能性が高い。(スプリングSは上がり勝負だが、少なくとも前にいたタフ寄りの馬は展開に恵まれた)

奇しくも、このことを証明しそうなことが前日に起こりました。
もちろん、すべてが思い通りに進むとは思いませんが、ここまで繰り広げられたレース、額面通り受け取って良いものなんでしょうか?

明日の皐月賞に挑むにあたり、もう一度点検した方が良いかもしれません。

各馬評価

さて、ここからは各馬評価です。
が、時間の都合により、随時更新予定です。。。

1:サンライズジパング

以前に記事でも指摘しましたが、恐らく軽い馬場、11秒台が連続するようなラップに対して対応出来ないタイプと思われます。

キャリアハイの上がり3Fが東京の新馬戦、しかも35.8秒で、後続の馬にどんどん差されていました。

何故ホープフルSできたか?と言えば、中盤が特段緩まずにスタミナ勝負になったこと、そして残り600mになっても12.4-12.0と12秒台のラップが続いたこと、この2つの要素がとてつもなく大きいです。

実際、若駒Sでは重馬場とはいえ、唯一勝負所で11秒台に入ったタイミングで全く加速ができていません。

2:メイショウタバル

この馬については説明不要でしょう。
毎日杯では、渋った馬場にも関わらず、前半3F35.2秒で入って上がり34.4秒でまとめました。

しかも、残り400m区間では10.9秒という数値を叩き出しました。

つばき賞で4Fロンスパに対応して先行押し切りをしていたように、長く脚を使う能力に長けているタイプで、スタミナタイプの馬たちにとっては厄介と言えるでしょう。

ややスピード寄りの血統?のようですが、
母系を見ると母親メイショウツバクロ(ん?)の母親ダンシングハピネスは京都大賞典勝ち馬を輩出しているので、全くダメということは無いはずです。

3:エコロヴァルツ

個人的に…ですが、共同通信杯で軽視していたので、スローの東京1800mと適性が異なる今回は逆に買います。(能力的に足りるかはともかく)

朝日杯は最後方にいましたが、この馬自身の前半3Fは36.2秒。今回のメンツならむしろ先行勢と遜色ない前半3Fです。
そして、中盤の400mは23.6秒程度で走っており、レース全体のペース(24.3秒)よりも速く走っています。

スタミナタイプが多い今年の皐月賞において、展開恩恵などがあったにせよ、スピードが求められたレースに対応できている点は評価を上げるべきでしょう。

4:シリウスコルト

前哨戦の弥生賞では中盤も緩めず、全体的に締まったペースを作ったことで皐月賞に駒を進めてきました。

この馬については、なによりもまず「逃げられるの?」ということでしょう。元々スタートがそんなに速い馬ではなく、テン1F平均だと差しにまわりかねません。
(トライアルで逃げたり、出が良くて権利獲得した馬って周囲のレベルが上がって本番で全然逃げられないみたいなことも多いですし…)

行けるなら行くと明確に逃げを主張しているホウオウプロサンゲの方が、安定して速いので、まず大きな壁はそこでしょう。

次いで能力面ですが、好走してきたレースは上がり3Fのどこかで12秒台が必ずあるような状況なので、完全にスタミナタイプです。

自分で中盤緩まないラップを敷いて、後続を封じる能力はあるものの、メイショウタバルと違うのは上がりが全く使えない点。
そのため、弥生賞の時のように適度に時計が掛かるようなレースではそれで好走も出来ますが、馬場が軽くなればなるほど後続に通用しなくなるので、かなり厳しくなるでしょう。

5:ミスタージーティー

新馬戦でロングスパートに対応する能力を見せていた素質馬。

母親リッスンの特徴がめちゃくちゃ出る家系で、本馬も例に漏れず、とにかく高速上がり勝負には向きません。
共同通信杯ではPOGにも関わらず、「多分無理」「陣営も何故ここを使った?」と評価しました。

逆に持続力も問われる阪神や中山2,000mはめちゃくちゃ適性が高い。上がり3F11秒台が続いてもしっかり差せるだけのスピードも持ち合わせており高評価したい1頭です。

ネックなのは、共同通信杯で輸送して引っ掛かったというところ。あとは調教後馬体重が輸送前で、前走より10kgも減っているので、その点が不安。

6:アレグロブリランテ

とにかく上がりが使えない馬であるという点と、そもそも能力的にこのクラスではないという評価。言い方は悪いですが、賞金を積んでしまった分、3勝クラスで古馬と争うにしても、相当に苦労するのではないでしょうか。

スプリングSで史上稀に見る超スローで逃げて恵まれた面がかなり強いので、特に評価すべきポイントはありません。

7:ルカランフィースト

個人的に「よく分からない馬」なんですが、
ペースが流れた京都2歳Sで、後ろにいたにも関わらず、残り400mのラップ推移が12.0-12.3と明確に垂れているので、ペースが流れるのはあまり良くない印象。

1,800のスローでは好走していますが、2,000mの皐月賞で・・・?

8:ジャンタルマンタル

産駒的に、あまり上がりが使えないと思い、共同通信杯では先行出来る点を踏まえての押さえでしたが、まさかの32秒台の上がりを使ってきたことに驚きました。

朝日杯のように時計の掛かるレースで7番手から上がっていっての押し切りと、共同通信杯での好位上がり32秒6、という真逆のようなレース両方に対応してきているので、能力はかなり高いと思われます。

問題は初の2,000mという点。
スピード能力は恐らく世代上位だと思われるので、ネックなのはこの点だけでしょう。

9:アーバンシック

百日草特別のロンスパや、スロー前残りの京成杯をしっかりと差してきており、ロングスパート能力はかなり高い馬だと思われます。

この手の馬でよく不安点として挙げられるのが追走力なのですが、百日草特別の京成杯も1,000m60秒台。
極端に緩んでいたわけではないのと、特に百日草特別は中盤も12.2秒が最も遅いという具合で、極端にペースが速くならない限り追走で脚を削がれるということもなさそうです。

馬場が軽くなる点もプラスですが、ペースと馬場とが相まって2017年のような状況になるとさすがに後方一気では間に合わないので、騎手の判断がかなり重要になります。

また、個人的には本命候補でしたが、放馬があったりと調教過程がスムーズでなかったという情報もあり、扱いが難しくなりました。

10:レガレイラ

究極の上がり勝負となったアイビーSでホウオウプロサンゲを差せなかったように、極端な上がり勝負は苦手(洋芝で勝ってますしね)。
むしろ少し時計が掛かった方が良いタイプだと言えるでしょう。

ペース経験はホープフルSで経験済ですが、
この馬の上がり3F推移は12.2-11.6-11.2と400mだけしか競馬をしていません。

ホープフルSは極端な緩みがなく、12秒前半が延々と続いたことで、前への負荷がかなり強かったレースです。その後、差し勢が軒並み凡走したように、差しに優位になったことは確か。

突き抜けるだけの末脚を持っているという点では、その後凡走した差し勢とは違いますが、11秒台のラップが続くようなロンスパに対応できるかどうかについては未知数。

11:ホウオウプロサンゲ

そこまでスタミナはないので、後ろに脚を使わせたりするような器用な逃げ方は出来ないタイプ。
むしろアイビーSや若葉Sのように、スローに落とし込んで上がり3F勝負にする方が残る率が高いように思います。

今回はさすがにスローに落とし込むような簡単な逃げ方はさせてもらえないのでは?


12:コスモキュランダ

この馬もサンライズジパング的な側面があり、上がり3Fのキャリアハイが34.9秒。

実際、新馬戦の東京マイルでは大敗(上がり3F36.9秒なので他にも要素が合った気もしますが…)していますし、その後のレースでも上がり3F推移を見ると、どこかしらで12秒台が入っています。

弥生賞は中盤が緩まなかったこと、馬場が重かったことなど、条件がいくつも重なったことで好走した面が大きいと見ています。
モレイラが乗るのは怖いですが、個人的には切り。

13:ジャスティンミラノ

共同通信杯勝ち馬。皆さんお分かりの通り、上がり性能は世代随一ですが、東京のみ、そしてペースもスローの上がり勝負しか経験していないというのがかなりネック。

スタートもそんなに速いタイプではないので、追走に脚を使う形になると思われます。

中山の馬場が軽くなってスピードが求められるという点はプラスに働くでしょう。

14:シンエンペラー

京都2歳S、ホープフルS、弥生賞、と重賞で連対が続く実力馬。
この馬で一番引っかかるのは、やはり上がりの掛かるレースで常に上位という点。

東京1,800mも経験していますし、勝ってはいるのですが、馬場がかなり軽い中で上がり33.8秒というのは物足りなさもあり、基本は時計が掛かる方が良いタイプと見て良いと思われます。

ペース経験はあるので、もちろん追走力面で不安はありませんが、かつ速い上がりも求められるとなった時に脆さを出しそうな馬です。

15:サンライズアース

すみれSは個人的に本命でした。
新馬戦で最後まで垂れなかったので、ロンスパもいけるんじゃないかという思考過程の下で判断したのですが、

そのすみれSでは、残り1,000m手前から仕掛けて道中で位置を上げ、さらにロンスパに対応するという強い競馬を見せました。

ロンスパ性能だけならかなり高く、評価を上げたいところではあるのですが、相手面で恵まれたこと、そして手前で中盤が13秒台が400mも続き、かなり緩んでいたため、ペース面でも助けられた部分があり、強くは推しづらい馬です。

16:ダノンデサイル

京成杯勝ち馬。
何が強いのかわからん、とか京成杯は恵まれた、とか、結構舐められてはいますが、この馬のポイントはスタミナ。と言っても、シンエンペラーのように時計の掛かるレースよりももう少し軽めの方が適性は高そう。

というのも、上がり3F推移を見ると、下記(下の表の順番に意図はありません)の通り、最後まで垂れていません。特に、京都2歳Sはシンエンペラーとほぼ同じ位置で上がり推移もほぼ同じです。

京都2歳Sは前が塞がったり、ちょうど隣にシンエンペラーが一緒に進出していて外に出せなかったりとスムーズさに欠いていたことを考えると、シンエンペラーとこの人気差はさすがにどうなの?と。

17:ビザンチンドリーム

きさらぎ賞勝ち馬。
新馬戦で上がり3Fの推移で10秒台を2連発していたので、能力は確かですが、きさらぎ賞はスローで差し遅れるとみていました。

が、以前に指摘した通り、きさらぎ賞は、下り坂の600~400m区間が12秒台で全くペースが上がっていなかったところを、後方勢が差を縮めてきた⇒ヨーイドンの上がり勝負。
こうなると後方勢の方が有利になるので、完全に展開に恵まれた感が強く、全体のペースが上がるとどうか。

18:ウォーターリヒト

どうにも展開に恵まれてここまで来た感の強い馬。

シンザン記念⇒前潰れ後方から追込
きさらぎ賞⇒前述の通り、下り坂で差を縮めてのヨーイドン。また、この馬にとっては京都の芝が重たかったこともプラスに働きました。

スプリングSはさすがにあまりに極端なスローだったので、情状酌量の余地はありますが、全体ペースが上がって上がりも求められて…というレースには不向きなようにも思います。

なお、京都の2,000m未勝利戦の2戦の上がり3F推移を見ると、いずれも最後まで垂れてはいないので、スタミナはそこそこあるんだろうなと思います。

ただ、阪神2,000m未勝利戦では最後の1Fが12.2秒とかなり垂れてはいるので、坂がそんなに良くない可能性も。

また、血統的にも短距離馬が多く、2,000はギリギリかなという印象。

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