コラム【3】ちゃんと位置取りと展開見てますか?
日頃グリーンチャンネルやTwitterでプロアマ問わず色んな方の予想を見るのですが、時々「?」と思うものがあるんですね。
その中の最たるものが、明らかに展開に恵まれて好走しているのに強いと勘違いされている、というものです。
普段から軸馬を選ぶ際、戦績を見てこいつは恵まれたな、強い競馬したな、と判断しているのですが、自分は以下のような判断軸を持っています。
【逃げ・先行】
スローペース⇒恵まれている、再現性なし、軸不適
ミドル/ハイペース⇒強い、再現性高い、軸最適
【差し・追込み】
スローペース⇒強い、再現性やや高い、強い逃げ先行がいなければ軸
ミドル/ハイペース⇒恵まれている、前が潰れただけで基本は弱い、軸不適
例えば、これを4/27(土)の出走馬に当てはめてみましょう。
【逃げ・先行】
○スローペース(恵まれている)
東京5R チャーチスクエア(新馬・未勝利)⇒10着
○ミドル/ハイペース(強い)
東京5R コスモエスパーダ(2走前未勝利4着時)⇒3着
青葉賞 リオンリオン(水仙賞3着時)⇒1着
青葉賞 ランフォザローゼス(葉牡丹賞2着時)⇒2着
【差し・追込み】
○スローペース(強い)
青葉賞 ピースワンパラディ(Fウォーク賞)⇒3着
○ミドル/ハイペース(恵まれている)
東京7R キングリッド(前走500万下2着時)⇒4着
青葉賞 アドマイヤスコール(水仙賞)⇒9着
どうでしょうか?どれが好走してどれが凡走してるか、一目瞭然ですよね。チャーチスクエアは確か3番人気、キングリッドは1倍台の断然1番人気、アドマイヤスコールは4番人気。でも、上記のような考え方からすれば、展開に恵まれた馬であって決して強くないと判断出来るわけです。
展開が働いているとどうやって判断するか?
例えば4/27(土)の東京7Rはレベルが低いレースだったのでやりませんでしたが、キングリッドなんて戦績パッと見ただけで危ないなこいつっていうのは分かります。
前走は確かに2着と好走しているんですが、その前が5着続き。3走前はスローペースで、2走前はミドルペースで前を差し切れていません。しかし、前走は中京で2着。ペースはハイとなっており、この時点で展開が向いたと察知します。で、実際データを見ると・・・
4着馬以外は中団より後ろにいた馬ばかり。こうなると、異常状態、つまり展開利が働いていると考えるわけです。
過去3走でキングリッドは展開に左右される馬だということが既に分かっているわけですから、いくら全体的に低レベルメンツとは言え1倍台はやり過ぎですし、危ないなこれ…と思ってしまいます。
まぁ実際蓋を開けてみると、デムーロも強気に乗ったのか何なのか、3番手から競馬していましたが…。
もう1つ、チャーチスクエアを見てみましょう。
こういうのは、新馬戦と2走目はどスローの前残り競馬、3走目は上記の通りミドルペースと道悪のダブルパンチで大敗したと見ます。
実際、新馬戦は1,000m1分2秒、2走目は1,000m1分1秒…
えーと…これ2,000m戦でしたっけこれ?
違いますよね?マイルですよね?こんな緩いペースで走っていれば、いきなり1,000m1分を切る真っ当なマイルレースになった瞬間沈没するのは当たり前です。
また、この馬が弱いのは相手関係からも推測がたちます。相手関係から力を推し量る際、同じような位置取りで戦った馬がその後どうなっているかを見るとよく分かります。
これは新馬戦ですが、同じような位置取りで好走した1、3着馬はものの見事に負けまくっています。こうなると、チャーチスクエアの実力自体に疑問符がつきますし、4番人気だろうが、誰が乗ろうが全く評価しないわけです。
レース結果から相手関係を測る上で留意すべきこと
ちなみに、たまに見かけるんですが、○○の3着だから強いとかっていう予想をしている方がいますが、こういう方の予想方法、間違っているので要注意。相手関係を見る上では位置取りもしっかりと見ないといけません。理由は上記で分かりますよね?
展開利が働いた場合、展開で恵まれて好走した馬と強い競馬をした馬とが上位で入り混じります。ちょうど良いので水仙賞を見てみましょう。
水仙賞は1,000m59秒8のかなり流れたペースになりました。そんなハイペースの中で2番手先行して粘ったのが青葉賞勝ち馬のリオンリオン。次走はスローに落とし込んでの競馬で勝ちましたが、水仙賞で既に強さを証明しているので、前走の勝ち方(スローで前残り)に関係なく、青葉賞でも十分狙えたし直前まで本命でした(何で変えちゃったかな…)。
また、ダディーズマインドも次走で勝っています。これもスローでの勝利でしたが、今日の競馬でこれだけの流れるペースなんてそもそも珍しいですから、次走が狙いどころだったわけです(大儲けしました)。
一方アドマイヤスコールやサンアップルトンは上記の通り、前が力尽きて差し切れた形になっており、到底評価出来るレースではありません。しかもアドマイヤスコールの前走、セントポーリア賞もスローの瞬発力勝負レースで到底評価出来るレベルではないので、青葉賞ではアドマイヤスコールは自信の消しでした。
ですから、例えサンアップルトンがアドマイヤスコールやリオンリオンの2着だからと言って、差して好走している以上は、リオンリオンと同列の評価をしてはいけないわけです。こういうことを考慮せず、同列に評価する人、トラックマン、結構いますので騙されないように(自分は内心、よくこんなことも考えないでプロ名乗れるな、金とれるな思ってしまいます)。
的中の鍵は展開に左右されない馬を探すこと
もちろん、頭の悪い騎手のせいで狙いたかったのにクソ騎乗されて連続馬券外なんてのもあったり、「再現性なし」とは言いつつ、たまたま次走も同じような展開になったなんてこともあり、全部が全部思った通りの好走をするわけではありません。
ただ、貴重なお金を賭ける以上、たまたま来れたとか、そういう偶然性に頼らず、どんな展開であろうとも馬券内に来れそうな、強い馬にこそ馬券を託したくないですか?
それに、展開に左右されずに好走する馬というのは、昇級しても通用します。だから、一度そういう馬を見つけたら長い期間お付き合いが出来るわけです。
こういうことを知っていれば、たまたま展開が向いただけ、見せかけだけの弱い馬を評価するアホなマスコミや予想家に騙されず、しっかりと本質を捉えた競馬予想が出来るようになると思います。そういうのに振り回されてオッズ上位になっている様子を見ながら、「騙されてやんのw」ってほくそ笑むのも楽しいですよ(性格悪いけど)。
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