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日本ダービー(GⅠ)|皐月賞のポイントと例年の傾向

え~…大 反 省です。

先週、しっかり馬を見ようと言いながら、ハギノピリナだけ「ないな」と思って割と簡素に済ませたら来られるという失態。。

もちろん、差し優位の展開となったことは確かなのですが、可能性を一切廃してしまったのは流石にダメすぎました(持続力勝負向きだとは思いましたが)。

日本ダービーは全頭しっかり評価書いていきますので、こういった失態はないようにしたいと思います。

と、その前に9頭が出走するメインローテ、皐月賞について面白いことが分かったので、例年の傾向と併せて書きたいと思います。(長くなりそうなので、各馬評価はその次で…)

皐月賞をラップから分析して分かること

まずは、皐月賞について改めて振り返りたいと思います。細かな騎手の動きや、何が決定的だったのかといったことはこの方の回顧が非常に分かりやすいので、ご覧ください。

私が話したいのは騎手の動きといったものではなく、ラップ的な部分について。

キャプチャ

noteを見て頂いている方はご存知かと思いますが、私は上がり3Fの推移をストップウォッチ片手に測っているわけですが、今回ダービーに出走する馬たちの上がり3Fを計測していたところ、あることに気づきました。

あれ、、なんか、、、大体同じ推移じゃね?

で、グラフ化してみました。こちら。

図2

図3

13着のラーゴム以外については、全馬が12.0~12.7秒の間におさまっております。さらに、上がり3Fが37秒台後半以上のタイトルホルダー、ヴィクティファルス、ラーゴムを除くと、6頭が36.7~37.2秒という狭い上がり幅になっています。

上がり推移をチェックしていて、これだけの頭数がこれだけ近い推移で走っている例というのはほとんど見たことがありません。明らかに異常です。

つまり、皐月賞は何かしらの大きなバイアスがかかっていたと言えるわけです。

中山で発生する強烈な先行優位のトラックバイアス

昨年の9月から中山は馬場が渋るとこういうことが起こりがちです。

具体的に言うと、雨に祟られて馬場が重たく、結局後ろも前と同じような脚色になって先行優位という状況です。

ここでポイントなのは、前と後ろの上がりが近いという点。

象徴的なのは昨年で言えば、9/13の京成杯AHの日。この日も前日に雨が降り、土曜日は11.2だったクッション値が、日曜には10.1まで下がりました。

キャプチャ4

完全な前残り決着で、後方は何もできず状態なのがよく分かると思います。上がり最速が34.7秒で勝ったトロワゼトワルとは僅か0.6秒差。

今年のNZTなんかもそうですね。この日はバスラットレオンが上がり最速という状態。

キャプチャ5

この日のレースを見ていると前がかなり残る馬場であったため、スパークル本命だったのをバスラットに変えたくらいです。

実際、このちょっと前に行われた野島崎特別が以下の通り。

キャプチャ6

上がり最速は35.3秒ですが、エヴァーガーデンが上がり36.0秒で、上がり差0.7秒は最後方からだと番手にいた馬には届かないですし、次点でルヴェルソーが35.5秒を出して2着まで来ていますが、これも位置取り的には届くかどうかという具合。


前日の晩に雨が降った皐月賞の日も例に漏れず。

差し馬も来るには来ていましたが、全体的に先行勢に優位であったであろうことは、他のレースの上位馬の位置取りを見れば明白ですし、上がり差を見ても上に挙げた現象が起きていることは分かると思います。

4R 3歳未勝利戦 芝2,200m

キャプチャ1

8R 隅田川特別 芝1,600m

キャプチャ2

9R 鹿野山特別 芝2,000m

キャプチャ3

午後になると差し馬も来てはいますが、これは馬場が乾いていったことで徐々に外が差せる形になってきたこともありますが、差してきた馬は意識的に4角で位置を上げたり、内を突くなどしていたことが大きいと思います。

そして、この「外から差せる」という事実が、皐月賞の外枠勢の命運を大きく変えてしまうわけです。

図4

図5

内を回した3頭が上位に入り、以降、外になるにつれてキレイに着順が落ちていっています。ここまでキレイなのもなかなか珍しいくらい。

ステラヴェローチェは差し馬ではありますが、インを突き、かつ前の馬が上位に来られる脚色だったことで、スムーズに来られた恩恵が大きいと言えます。

これ、2017年の皐月賞と決着の仕方が似ているんですよね。上がり幅の狭いレースかつ、先行した2頭と、内を回して後方からスルスルとインを突いてきた1頭での決着。違うのは1着馬が突き離した差くらいかと。

こう考えると、着順をそのまま鵜呑みに出来るかと言えば、、どうでしょうか。

例年の傾向

図6

図7

B⇒Cへのコース替わり、5月の東京の良馬場、長丁場でペースは流れにくい、ということでスローからの上がり勝負になりやすいコースです。

ただし、2400mも走るので33秒台前半の超上がり勝負みたいなことになることは稀(マカヒキ世代の時くらい)で、むしろ34秒台の脚が使える先行勢がそのまま押し切ったり、或いは粘ったりということも多い傾向にあります。

実際、脚質別成績はこんな具合です。

日本ダービー 過去13年の馬券内脚質別成績

図8

差し馬よりも先行馬の方が高い馬券内率を誇っております。

特にここ4年は、先行馬か、道中で捲って位置を押し上げた馬(レイデオロですが)がそのまま押し切っています。

故に、軸はともかくとして、先行してそのまま残られる展開には要警戒し、相手には先行勢を多めに入れたいところです。

で、今年は?

図9

最もテンが速いのはタイトルホルダー。逃げ候補としてバジオウもいますが、前走はそこまで速くなくても楽に番手がとれたようです。

もう1頭の逃げ候補、バスラットレオンについては前走スタート直後に落馬したため、表では一番下ですが、テンの速さは過去で比較すれば3番目。

テンは恐らくこの3頭のいずれかになるでしょう。

以降、よくあるスローになるのか、2019年のようにとてつもないペースになるのか、は各馬の談話を見て判断していきたいところです。

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