エリザベス女王杯(GⅠ)を予想するにあたって考えるべきこと

先週から関西主場は阪神競馬場へ。これまで京都の外回り2,200mで行われていたエリザベス女王杯が、阪神内回り2,200mへ舞台がガラッと変わります。

ここでデータとして使えるのが同じ舞台で行われるGⅠ宝塚記念のラップ・・・なんですが、エリザベス女王杯と宝塚記念とでは大きく違うことがあります。

それは、馬場です。

そりゃあそうですよね。片や、1,400m戦でも33秒台の決着になるような速い馬場。片や、1ヶ月に渡って使われて傷んでいる上に、梅雨時でグチャグチャになったり、雨の中で行われることもある馬場。

宝塚記念のラップをそのまま使って、今週のエリザベス女王杯はこうなる!と予想することが果たして正しいのでしょうか?

せっかく宝塚記念のデータを活用するのであれば、常に条件を合わせた方がより正解に近いのではないかというのが私の仮説です。

良馬場とボロボロ馬場の違い

ここで、2020年から某サイトにて馬場差(グリーンチャンネル発表)の記録が残っている2008年までの13年間分を、以下の2つに分けて比較してみます。

良馬場⇒馬場差がマイナス(13年間中5年分)
悪馬場⇒馬場差が0.0以上(13年間中8年分)

図2

図3

どうでしょうか?

まぁ色々書いておきながらアレですが、正直、全体的な傾向自体は良馬場・悪馬場問わず、ほぼ似たような推移です。

レースの流れとしては、最初の400mまではグッと加速をし、その後上り坂で減速⇒2コーナーから向正面にかけてはしばらく12秒台前半で推移し、じわじわと加速して直線へと向かうという具合です。

で、良馬場と悪馬場の違いですが、ラップは全体的に良馬場の方が速い(当たり前ですが)ですし、上位平均上がり(これは馬券内3頭の上がり3Fを平均したものです)も1秒の差がついてきます。

つまり、良馬場では速い流れに対応しつつ、上がりもそれなりに使える必要があるというわけです。

また、過去13年間の宝塚記念で最もマイナスの数値は2011年の-1.5、続いて2009年と2017年の-1.1、次が2019年の-0.4、2012年の-0.3となっています。先週の馬場差が-2.3ですから、さらに速い上がりが求められる可能性は高いでしょう。

ちなみに、2勝クラスの三田特別・境港特別(少頭数になりやすいので、10頭以上のレースに限定)と、2014年施行の花のみち特別など、計8レース分を混ぜた平均も見ましたが、ほぼ同じ傾向にあるので、阪神2,200m内回りの構造上、こうした推移になると結論付けて良いでしょう。

京都2,200mとの違い

画像2

では、これらのことを踏まえた上で、京都2,200mとの違いについて見てみます。

上グラフを見れば一目瞭然ですね。

京都2,200mのエリザベス女王杯は全体的にペースが遅い傾向にあり、4F目から一気に加速し上がり勝負になりやすいですが、阪神2,200mはもっと締まったラップになります。

緩いラップでしか戦ったことがない、或いは緩いラップでないと追走に脚を使ってしまう、といった馬は厳しく、先行・差し問わずロンスパ戦が得意な馬を中心に据えていくことが大事だと思います。

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