中京記念(GⅢ)・見解

皆様、夏競馬はいかがお過ごしでしょうか。

私、TSUBA久郎はと言えば、
得意の小回り1,800mがたくさんある季節ですが、

10番人気と12番人気のワイド80倍が何かに割られたり、
梅雨時期で高速1,800mにならなかったりして、悶々とするレースが続きます。

そして、気付けば小倉は早くも明日で今年最後の開催だそうです。
小倉記念も、小倉2歳Sも中京で行われますので、皆さんお気をつけください。

さて、そんな小倉最後の開催を飾るのは、サマーマイルシリーズなのに1,800m、小倉なのに中京記念、というツッコミどころ満載の重賞。

最後くらい有終の美で終わらせたいので、noteにて見解をば。


確実に速くなるペースにおけるポイント

テン1F/3F比較表
テン1Fに基づく想定位置取り

逃げるのはどれ?

皆さんご存知の通り、逃げそうなのがいっぱいいます。

特に、1枠のテーオーシリウス、3枠のセルバーグは逃げてこその馬で、どちらの陣営も自分の競馬に持ち込みたいと意気込んでいます。

一方、ワールドリバイバルは小倉日経OPでの2着に良いイメージを持っているようなので、番手かなという印象。
アナゴサンは前に行かせて控えることを示唆し、
ソレイユヴィータは先行すると甘くなるからと差しに回ると明言しています。

というわけで1か3が逃げることがある程度予想されます。
問題はどちらが行くか?或いはせり続けるか?というところですが、いずれにしても、2頭とも前3Fは35秒半ばなので、ペースは結構速くなりそうです。

カテドラル馬券外の要因

このnoteを定期的に見て頂いている方ならおなじみですが、「小回り1,800mはマイラーを狙え」というスローガンに基づき、

同じ舞台である小倉大賞典では、自信満々にカテドラルを狙いましたが・・・馬券外に。。。

2024年小倉大賞典の結果

で、理由を考えたのですが、カテドラルの成績、そして小倉大賞典と中京記念(小倉1,800mでの開催)を見直して分かりました。

今年の小倉大賞典であまりに後ろ過ぎたのです。

カテドラルの小倉1,800m戦績

上の表の一番右、3F通過差というのは、3F通過時点で先頭からどのくらい離れているかを表しています。中京記念では1.7秒、1.8秒だったのが、小倉大賞典では2.8秒、3.1秒。

去年の小倉大賞典は、重馬場だったのでその恩恵で間に合いましたが、今年の小倉大賞典は馬場が傷んでいたものの、当日に気温が上昇したことで馬場が急に軽くなりました。

これにより、前が多少速くなってもそこまで垂れなくなった。結果として、3.1秒も後ろから行っては間に合うわけがなかった、というわけです。

好走するならどの辺り?

小倉大賞典と中京記念(小倉1,800m)の過去の3着内馬が、3F通過時点でどのくらい離れていたかを調べてみました。

重馬場など極端なケースを除いてみましたが、2014年まで遡っても2.4秒以内。やはり3.1秒は後ろ過ぎたと言えます。

この位置取りについては、もはや騎手次第、運任せなところもありますが、好走時の中京記念の前半3Fが35.9~36.1秒であったことを考えると、これよりも速くなればなる程、カテドラルには厳しくなるかもしれません。
※中京記念は安田記念の後、小倉大賞典は中山金杯や福島記念の後、という違いがあるので、もう少し位置は取れるかもしれませんが…

特に、今回もセルバーグ、テーオーシリウスがいる以上、36秒前後のぬるいペースになる可能性はだいぶ低いと思われます。

そう考えると、36秒半ば(+1.5秒程度)でしっかり脚が使えるマイラーを狙う方がより的中の可能性が上がると言えるかもしれません。


各馬評価

1:テーオーシリウス

小倉1,800mを逃げ切った実績はありますが、基本的なスピード能力が高いわけではないので、セルバーグよりも垂れるのは早いと思います。
玄海特別を見ると、残り800mで既に12秒台まで落ちてそれ以降ペースが落ちています。これでは勝てない。
(この時の馬場差は-0.1で、今年の小倉大賞典と同レベルです)

小倉2,000mの小倉記念では馬券内に入りましたが、1,800mはそれより200m短いから良い、というわけではありません。
2,000mは基本的に中距離馬が多いので、速いペースを刻めばそれなりに後続の脚を削ぐことは出来ますが、1,800mの場合は基礎スピードが高い馬、マイラーを相手にしなくてはなりません。今回はそういったレースでの実績馬も多く、さすがに荷が重いです。

2:アルナシーム

この馬の戦績を縦に見れば特徴が分かりやすいです。
①マイルだとスピード能力が足りない
②1,800mの方が戦績が良い
③ただし、中盤が緩まない1,800mだと、今年の小倉大賞典やエプソムCの
 ように、最後にスタミナ切れを起こす


なので、都大路SやカシオペアSのように、中盤ちょっと12秒台が入る高速上がり勝負みたいなレースの方が適性は高いです。
消しはしない方が良いですが、狙いどころがここか?というと…。

3:セルバーグ

今年の小倉大賞典で3着の実績があるので、何かしらの印は打つ必要があるでしょう。
ただし、小倉大賞典は2つの偶然に恵まれたことは念頭に置いておきたいところ。

1つは競る相手がいなかったこと。本来はホウオウアマゾンが競る相手の役割を担う可能性もありましたが、残念ながらスタート後すぐに躓いて落馬します。

そして2つ目にそのホウオウアマゾンの存在。カラ馬になった後、2番手にいたボルドグフーシュと一緒に走っています。

今年の小倉大賞典(残り1,000m地点)

たまに能天気なファンが「かわいい~」とか笑いながら言ってるのを見かけますが、マジでもうちょっと想像力を働かして欲しいですね。

コントロールが利かない馬がこんなところにいたら、抜こうとしても急に斜行されてぶつかる事故にもなりかねません。なので、後続は位置を上げようにも上げられない状態になります。
(実際、6/29の小倉4Rで、ゴール前でカラ馬が斜行し、後ろにいた馬がものすごい不利を受ける、かつあわや事故というシーンがありましたよね)

これにより、3番手以降が蓋をされたような状況になり、その間にセルバーグがどんどん後続を離していきました。

今回はさすがに後続も捨て置いてはくれないですし、蓋の存在は基本的にいません。後ろが躊躇している間に離すことは難しいでしょう。

4:ワールドリバイバル

テーオーシリウス同様に、基礎スピード能力は低く、36秒前後のミドルくらいのペースで上がりが掛かるレースが得意。
(なのでマイル戦のポートアイランドSで4番人気とか、あまりに不思議過ぎるんですけどね)

小倉日経オープンでの2着がありますが、この時はマイラーがほぼ不在、レースレベルもオープンでやっと上位かどうかみたいなメンツばかりなので、今回の相手と比べると雲泥の差。

今回のメンツでは、自分の得意なペースにもっていくのはさすがにかなりハードルが高い印象です。

5:カテドラル

馬券内になるとしたら、あまり後ろ過ぎない位置にいること。或いはセルバーグ以外が逃げて36秒前後のペースになった場合、でしょうか。

ただ、、鞍上はあまり考えて乗るようなタイプではないので、期待はそこまで出来ないですね。

一応この馬からの馬券も買いますが、期待は薄目。

6:エピファニー

この馬の買い時は1,800mです。2,000m以上では基本来ません。ケフェウスSは前が自滅したので展開利で勝ちましたが、どうも距離の壁があるようです。

小倉大賞典で勝っていますし、ペース経験もしているので特に大きく嫌う理由はありません。

7:エルトンバローズ

そもそも東京マイルは絶対に合わないので、前走安田記念は戦績無視して構いません。むしろカテドラルより速く走って上がりも速かったので偉いと思います。

中山記念は馬場。自身が経験したことのない重たい馬場で最後の600mに入るまで12秒が一度もないしんどいペースだったことを考えれば、致し方ないでしょう(2,200mで大敗しているようにスタミナはそこまで豊富ではないので)。

最近スタートが遅くなってきているので、好位とまではいきませんが、3Fは速いので中段くらいの位置はとれるのではないでしょうか。
良馬場でのペース耐性はあるので、最重量ハンデではありますが、中段から差しに行く形が作れれば。

8:タガノパッション

マーメイドSでは鞍上が途中で上がっていくことをしそうで不安、って書いたら、ペースが緩んでもないところで位置を上げていったので何とも言えない感情になりました。もうちょっと考えて乗っては?

で、また同じ鞍上。1,800mだとどうしてもマイラーにスピード負けしますし、牝馬同士の2,000mくらいが一番合うかもしれませんね。

9:ボーデン

人気がないところではこの馬を狙いたい、って書こうとしたら割と人気していますね…残念。

オープン入りするまでにかなり時間を要しましたが、
そもそも、
①上がり勝負が苦手(この馬が33秒台出すときは他の馬も出している)
②位置が後方になりがち
なので、展開ハマり待ちの面が多分にありました。

で、錦Sは騙馬になって最初のレースだったようですが、何かが改善されたというよりは展開が向いたよね、という印象の方が強いです。同じような特徴のリッケンバッカーが2着ですからね。
(そのリッケンバッカーは次のレースで上がり勝負に巻き込まれて馬券外)

で、この特徴ってカテドラルと同じなんですよね。

鞍上はそのカテドラルを中京記念で2着に導いた団野騎手、かつ継続騎乗。
ボーデンの位置は先頭から+1~1.5秒程度(前走は2秒でしたが)。

少なくともカテドラルよりは狙いたい馬。

10:ソレイユヴィータ

デビューから松島特別までのレースラップを見ましたが、別にそこまでスピード能力が高いわけではありません。

まず厳しいでしょう。

11:アナゴサン

ナムラクレアもそうですが、ミッキーアイル産駒って時計が掛かるか、超高速馬場が得意ですよね。
というわけで、前走はこの考え方に基づき、前残りを警戒して押さえたら見事に粘ってくれました。

時計が掛かるか、超高速馬場が得意、というのは一見真逆のように思うかもしれませんが、前に行ける強みと、11秒台の持続レースに対応できる基礎スピード能力があることで、
○時計が掛かる⇒後続も脚を使って垂れるので、結果残り目の可能性が出る
○超高速馬場⇒自分の脚が垂れにくくなるので、結果残り目の可能性が出る

という理屈です。

これが、前に行ける力がなかったら、基礎スピード能力がなかったら…成立しないんです。

それはともかくとして、今回はペース次第。

アナゴサンは、中盤どこかで12秒台が1Fでもあるか、高速馬場でないと、最後の1Fで12秒台に落ちるという特徴があります。

なので、ペースがかなり速いなら無理に追いかけないのが重要。
前がやり合っているのを3番手くらいで焦らずに自分のペースで進んでいたら、前が勝手に垂れてくれた、という展開になれば。

12:セオ

これは個人的な感想ですが、ディオ、トゥードジボン、そしてこの馬は基本的に高速上がり勝負が得意という印象。

この馬が勝ててないレースがどんなレースだったかを分析し、つないでいくと分かるのですが、
・馬場が重い
・にも関わらず中盤が緩まず速い脚を使い続ける必要がある
というレースでは必ず負けている
んですよね。

セオが勝ててないレース
■清水S
馬場差-0.6
後半1,000m 12.0-11.2-11.1-11.3-11.2と4Fロンスパ

■石清水S
馬場差+1.7
後半1,000m 12.4-11.9-11.8-11.4-12.1と4Fロンスパ

■斑鳩S
馬場差-0.3
後半1,000m 11.8-11.4-11.8-11.3-11.5と5Fロンスパ

上がり馬ということで人気ですが、今回みたいに速い脚を前半から使い続けないといけないようなレースでもつか?という疑問。
消しはしませんが、人気馬の中では疑いたい1頭。

13:ニホンピロキーフ

基本は中距離の馬なんですが、そこそこテンが速いので、ペースには対応してくるというあまり見たことがない、ちょっと変わったタイプです。

ただ、基礎スピード能力は高くないので、速いペースでは上がりが如実に遅くなります。

なので、鳴尾記念なんかはまさにその特徴が完全に裏目に出ましたよね。ベレヌスのペースにスイスイついて行ってしまったがために、自身も垂れてしまった。

また、マイルを2戦して2回とも好走しているんですが、2勝クラスの時はペースが遅い上に稍重。マイラーズCの時はペースが速いがやっぱり稍重。
恐らく上がりが求められるマイル戦ではほぼ来ないと思うので、そういうレースに出てきたら軽視することをおススメします。(鞍上込みで変に人気しますし…)

今回は…というと、アナゴサンと同じような立場だと思っています。ペースがかなり速いなら無理に追いかけない方が良い。自分も垂れて、後続に差されるパターンが濃厚です。

隣には同じようなテンの速さのセオに乗る岩田騎手がいますし、1番人気になる以上、そう簡単に良い位置に入らせてくれる感じがしません。

14:ロングラン

この馬も買い時は1,800mです。2,000m以上では基本来ません。面白いくらい来ません。距離が長いようで、最後の1Fで12秒台に落ちます。なので、追い込んでも止まって差せません。

この馬はエピファニー同様に小倉大賞典で3着に好走しているので押さえておく必要がありますが、最大の不安はカテドラル同様に位置取り。

基本的にスタートが遅いですし、今回は大外。最後方になる可能性もあります。ただ、ディセンバーSのように、11秒台連発のラップで追い込んでくるだけのスピード能力があるので、あまり後ろ過ぎなければ。

個人的な印

◎エルトンバローズ、ボーデン
▲エピファニー
△△カテドラル
☆ロングラン
△2、3、11、12、13


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