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機動戦士ガンダムという夢から醒めてまた夢を見る

 「子供の頃から好きで」「ワクワクする」事と言われれば、宇宙だ。宇宙開発のニュースを聞くとワクワクするし、映画やアニメも大好きだ。そしてその原因となったのは「機動戦士ガンダム」(ファーストガンダム)である。

 ガンダムという物語に出て来たスペースコロニー、ガンダムやホワイトベースという現代ではまだ存在していない高い技術。アムロやシャアというニュータイプの存在は、憧れ、夢見る存在であるのは十分だし、今でもガンプラが宇宙を飛んだとか、横浜に動くガンダムが出現したなどのニュースを見る度に胸を躍らせている。

ニュータイプとは

ジオン・ズム・ダイクンが提唱
”宇宙で暮らせるようになったわれわれは、人の革新の道を歩んでいるニュータイプである”

人類の革新。未来への希望

News Picks富野由悠季と語る「ニュータイプ」内解説文

 その中でもニュータイプになりたいと思っていた。シャアが地球に住む人々を非難していた言葉がある

「地球に残っている連中は地球を汚染しているだけの、重力に魂を縛られ
ている人々だ!」(逆襲のシャアより)

私は、宇宙に出ない限りニュータイプになれないのだと愕然したし、2022年、自由に宇宙に行ける人は、莫大な資産の持ち主に限られている以上、私がニュータイプになる道は、閉ざされたに等しいと思っていた。

 2022年4月、落合陽一さんと富野監督の対談を何気なく見た時に、私が旧ガンダムで見ていた未来像と富野監督が見るそれのずれが大きく異なっていた。

ガンダムを作った富野監督、ガンダムを好きな自分と年を撮ってきたとの認識に大きな差が開いていた。はっきり言って夢から覚めたと言ってもよい。

  1. 地球資源が足りないから宇宙に移民するなど傲慢。

  2. ガンダム。1/1スケールのガンダムが地上で動かしてはいけない。決して乗り心地の良いものでもないし、歩けば地震が起こり、破壊しかしない起きる。

  3. 人類が宇宙に出たらニュータイプが発現すると思っていたがあり得ません。

1.2.は分かる。1.有限である地球資源を前提に暮らし方を再設計する方法を考えれば良い。人口が減れば良いという発想も実行方法の具体案は別にして選択肢の1つとして私も賛成だと思うし、2.確かに地震が起きそうだし、実現するなら設置場所は人気の無い場所、少なくとも近くに建物が密集している横浜では無いはずだ。


問題は3.だ。いつかはニュータイプは発現するのでは無いかと、富野監督も50年程願ってはいたものの、諦めたという話をしていた。いつか、世の中にアムロやシャアの様なヒーローが現れて、世の中を変えていくという私の夢は完全に醒めてしまった。

しかし、番組の最後の方で「人類の革新とは?」という質問に対して富野監督はこう答えた。

「夢の先には夢がある」錯誤であろうが、誤解であろうが夢を見ないと生きていけない。錯誤であろうが誤解であろうが革新しうると思うこころはあってもいいのではないか??

News Picks富野由悠季と語る「ニュータイプ」内 富野監督の発言

作中にあるニュータイプが出現するという夢は無くなってしまったが、それとは異なる新しい夢を見ればいいという考え方もできる。

最後に今日のまとめとして黒板に、富野監督は大きく”○”を書いてサインを書いて締めていた。

人は寛容であるべきだし、寛容であることが、その人にとっても幸せである、その人に接していると周りの人も寛容であり得る。自分の我である所の個ではなく、世界の全てが”○”(循環)である。

News Picks富野由悠季と語る「ニュータイプ」内 富野監督の発言の要約

本当の意味、我は、ものを知らない無知であるということを自覚しなければならない。一番危険なのが、イデオロギスト。論を通すということは他者を無視する事。

News Picks富野由悠季と語る「ニュータイプ」内 富野監督の発言の要約

 これから、地球に生きる限り重力に魂を縛られることは変わりは無い、しかし、寛容であろうとすれば、自らの力でニュータイプになれるのでは無いか。他者を無視せずに自論を通さない様になるのではないか。逆襲のシャアのラストシーンの様に枠組みや立場を超えて1つの目的を達成する様な生き方ができるのでは無いかと思った。



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