スイッチ

10代の頃から薄々感じてはいたけれど、
私はやっぱり生きることがどうも上手じゃないようだ。
人付き合いが苦手とか、人前に出るのが苦手とか
そんなんじゃなく“生きる“っていうこと自体が苦手
とにかく下手くそ 何もかも という感じ。


最近、息をすること自体がとても難しくて苦しくてたまらないことがある。
身体的に呼吸をしづらいという障害があるのではなくて、
何か嫌なことや悲しいこととんでもなく腹が立つこと
心が折れるような出来事にぶつかったわけでもなくて、
とにかく自分が自分として今生きてるっていうこと自体が
大きな絶望感になってどんどん呼吸が浅くなる。
鼓動なのか別の生き物が胸に棲みついているのか、胸がバクバクして
胃のあたりにブラックホールのような巨大な穴がぐるぐる渦巻いて
頭の先からつま先までじわじわと広がっていくような感じ。
飲み込まれる。涙が滲む。喉の奥がぎゅっと痛くなる。

誰かの悲しみ寂しさしんどさに触れた時にも同じようになる。
好きなお店の店主が経営難で嘆いてる…とか自分の半径数メートルのことから
戦争紛争飢餓飢饉自然災害人災差別問題環境問題…ていう大きなことまで。

特に1人で居る時はよく起こる。
私が一緒にいて心地よく感じる友だちと会って
しょうもない話で笑ったり将来の不安について嘆いたり
職場の不満を言い合ったり美味しいものを食べた後は
その息苦しさも少し忘れられる。

NZに来てたった1年でそんな友だちと出会えたことは
本当に奇跡としか言えない。みんなほんまにありがとう。

ちなみに友だちにもこの息苦しさについては話したことがない。話せない。

そして私には1人で過ごす時間もまた必要なのである。絶対的に。


鬱なんかなって考えることもある。
けどこれは多分私の持って生まれてきた特性であり、
今まで生きてきながら積み重なってきたパーソナリティなんやと思う。
きっとなんらかの治療を受けてももうこれは変えられんと思う。

一つだけ願いが叶うなら、
自分で自分を赤ちゃんからもう一回育て直したい。
自分のあかん(と自分で思ってる)部分も認めてあげたい。
自分の弱い部分もわかってあげて大丈夫やでって言ってあげたい。


これからもこんな自分と一緒にこんな終わっていく世界で
生きていかないとあかんのやなあ。
今まで出会った全ての人の記憶から自分の存在そのものを消せるスイッチが
この世のどこかにあるならそれを探しに行こうか。
誰も悲しまないように。


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