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黄砂の匂い 意地悪な女のくぐもった声 書類のケアレスミス どこか遠くの 離れてゆくサイレン 誰ともしゃべる必要はないよ
南天にそそり立つおぼろげな月 眠れぬ者たちを支配するよう 心臓をつかまれぬように 胸を抱えて 丸くなって眠れ
朝はまだ幼かった蔦の葉が 今日は一気に碧くなったよ さぁ始まるね
かたづけ始めたら あれもこれも捨てたくなってきたよ あれもこれも捨てたらどうなるかな 生きてはいけるよね 後悔はしても わたしは 収める場所が広がるほうを取るよ
わたしの機嫌は 大根おろしでわかるよ
入り口は出口にもなり得るからね 塗り固めて 二度と開けられないようにしてしまったらいいよ 中からなのか 外からなのか わからないけどね
胸の中の空洞に虚がいるとき それはちょこんと体育座りをしていて 首をかしげていたりする かわいいんだよね…虚って
コーヒーと牛乳をかわりばんこに飲んでいる でも、コーヒー牛乳の気分でも カフェオレの気分でもない めんどくさい日
すべてを閉じる 大きな音を立て何かを壊しながら 派手な孤独のジレンマに 堪えきれないことを晒しながら
それは確かに私の「言葉」です さらわれた「言葉」が帰ってきたよ
人間は人間として生きられる場所でしか生きられない だから地球は大切でしょう?
ヘンデルとグレーテルのように 言葉を落として歩いたとして それをたどってどこかに帰れるのだろうか わたしは
わたしはまずは旅に出たい どこかに座るために どこかに座って時を過ごすために 何かを思い出して編み直すために
明日は種まきをしよう 雨の日はよく芽生える気がするから わたしのちいさな畑が 恵みの雨で青く香りますように