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母とミスド

私は子どもの頃、斜視で名古屋の病院へ通っていました。

母と2人、自宅から電車と地下鉄を乗り継いで1時間半ほど。今思えば大した距離ではないのですが、幼い私にはとても遠い場所に感じられました。

大きな病院なので待ち時間も長く、朝一番で受付をしても、お会計が終わるのはお昼過ぎ、帰宅したらもう晩ごはん、と、まさに一日がかりの大仕事でした。

決してわくわくするおでかけではありませんでしたが、そんな中でもひとつだけ楽しみがありました。それは、受付に診察券を出してから視力検査までの待ち時間に、病院からひとつ横断歩道を渡った先にあるミスドに行って、ドーナツを食べることでした。

注文はいつも決まって、私がハニーチュロ、母がコーヒーロールでした。スクラッチカードを集めて、「次に病院に来る時には、10点集まるかな?」と思えば通院も待ち遠しくなりました。

完治して通院することがなくなってからも、ミスドを見かけるといつもこのことを思い出します。

時が経ち、残念ながら、母の好きだったコーヒーロールは定番メニューからなくなってしまいました。以前ミスドの創業50周年を記念して期間限定で販売される機会があったのですが、それは大阪にある一号店においてのみでした。

今では私も母になり、ばぁばになった母と娘と3人でミスドに行くことがあります。娘はチョコファッションがお気に入りです。ぜひ3人でコーヒーロールとハニーチュロとチョコファッションを食べたいので、コーヒーロールの再販売を願っています。

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