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5歳のわたしは、フランスに恋をした

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二度のパリ生活や、留学、家族旅行などでフランスを訪れては、第二の故郷のように感じてきた筆者の目にうつる「フランス」を言葉にしていくエッセイ集。家族とのゆかいな思い出や、フランスの…
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2023年8月の記事一覧

お茶菓子とカセットテープとフランス語

自分の人生に、大きな影響を与えてくれた3人との出会いをあげるとしたら・・ 家族をのぞいて、最初のふたりはパッと思いつく。 この人との出会いがあったから、今の自分がある。 出会ってなかったら、きっと今、全然ちがう趣味とか、暮らしとか、働き方をしているかもしれない。おおげさではなくて、そんな風に思う人がいる。 わたしにとって、それは、一人目は中学の友人だ。映画日記を何冊も持っているほど大の映画好きで、出会った12歳の頃には、すでにずいぶんと映画を見ていた。彼女と仲良くなって、

南フランスのアプリコット畑のある家で

夏の盛りになると、甘酸っぱい香りとともに、蘇ってくる光景がある。 フランスに留学していた大学3年の夏、帰国する前の最後の一週間を、南フランスのマルセイユの郊外にある、友人の実家で過ごした。 マルセイユのあるプロヴァンス地方といえば、オリーブ畑やラベンダー畑がたくさんあって、地中海に面したおだやかな気候がきもちいい観光でも人気のエリアだ。アヴィニョンやアルルなど、印象派の画家たちも親しんだ素敵な古い町や、おいしい塩で有名なカマルグ湿原なども、この地域にある。 マルセイユ育