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♡ただ喋りたいだけ♡ #방탄소년단 信じて待つということ

2022年6月14日21時に配信された「防弾会食」は7人からアミへの告白だった。


翌日、世界中を駆け巡る大ニュースになり、彼らの真意とは程遠い切り取られ方でショッキングに報じた媒体も多かった。いかに自社(自身)のニュース(発信)に注目してもらうかがメディアの仕事、ある程度の誇張はあるかも、という予想をはるかに上回った。

私は、彼らの言葉で十分なので、第3者が掛けたフィルターで読む必要はなかった。だけどこれが世界のBTS、世間は一時大騒ぎだった。

ほぼ一日たった6月15日の23時過ぎ、末っ子のジョングクが個人Vライブを90分以上にわたって配信。
タイトルは「이 뭐선일이고」(What's going on) 何が起きてる?

世界中を駆け巡っている自分たちに対するニュースに接し、改めて「防弾会食」で自分たちが伝えたかった真意をVライブの冒頭に改めてハッキリと宣言した後は、マグカップに氷入りのワインを美味しそうに楽しみながら自身がデビュー記念日6月13日にBANGTANBLOGで公開した自作曲My You(アミのために作ったと彼が言ってくれている曲)をPCの音源をカラオケに熱唱し、そのあとはアミのコメントを読みながらそれは楽しそうに何曲も歌い、椅子から転げ落ち、皿洗いをし、ご家族の話もしたり、6月16日に日付が変わってもアミに寄り添ってくれた。
アミがわかってくれれば良い、ジョングクはそう言っているようだった。

正直、疲弊しきっていた心を救い出してくれた救世主ジョングクだった。
その後、深夜1:44にリーダーのナムジュンがweverseに長文を投稿した。
ニュースサイトで全文和訳を載せてくれた媒体があったので借用する。
kstyleの記事

彼らの言葉や行動だけを見ていれば生じない誤解なのに。
しみじみと、彼らが疲れてしまったことはこういうことの繰り返しなのだと実感した。

「防弾会食」の公式Youtubeには現時点で公式の日本語字幕がない。
当日は英語字幕のみであり、拙い英語力でも衝撃を受けたあの内容、もし、当日日本語字幕がついていたら卒倒していたかもしれない。
(後日、日本語字幕がフォローされるらしい)
今日になって、いつも和訳を提供してくださるアミ様のおかげで、相槌ひとつまで詳細に理解し、私の心は「防弾会食」から一歩も動けずにいる。
受け止めるにはあまりにも大きなメッセージであり、もうちょっと時間がかかりそう。

彼ら7人にそれぞれの人生があるように、巨大ファンダムのアミ一人ひとりにも人生があって、彼らを愛してやまない背景がある。
今回の「防弾会食」が私の心に、とても重いメッセージとして届いたのは、個人的な理由もある。
私の息子が乗り越えた出来事が、思い出されてしょうがないから。

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もともと3人兄弟の末っ子で、兄貴達の良いとこも悪いとこも全部見て育って、たくさん可愛がられて、天性の愛嬌を携えてタケノコのようにすくすく育った彼。運動音痴な兄貴達と違って、スポーツはなんでも得意で、友達に恵まれ、高校入学までは、この子はなんて楽しそうなんだと思っていた。
彼がメンタルの不調に陥ったのは、高1の前期だった。
合格した希望校の希望コースに、急に6月くらいから行けなくなってしまった。部活も退部してしまった。
担任の先生に相談したけど、明確な理由がわからなかった。
そのうちに、クラスの保護者情報により、何人か同じ状態の生徒が数名いること、すでに1名が中退していることがわかった。異常事態だった。
皆同じ理由で、学級担任の強硬な同調圧力に子どもたちが耐え切れなくなった結果だった。彼に聴くと自分も同じ理由だと言う。
問題が顕在化してきて、学校では担任以外によるケアが始まり、なんとか子どもたちが学校に戻ってこれるよう尽力してくれた。
ただ、一度大人に不信感を持ってしまった彼が、簡単に立ち直ることは難しかった。それまで彼の周りには、彼を温かく見守ってくれる「良い大人」しかいなかったのだ。
暫くの間、学校を休んだことで授業に追いつけなくなってしまったと思い、もっと学校へ行きにくくなってしまった。
食欲もなくなり、痩せてしまい、よく眠れなくなってしまった。
私達親は、心配が募り、あれこれ調べてクリニックに連れて行ったり、食欲のない彼に美味しいもの食べに行こうと連れ歩いた。
疲弊していた彼は、だんだんと親の声かけにも曖昧にしか返事をしなくなってしまった。
こんなに君を心配しているのに、その思いが募ったある時、私は彼に
「もういい加減にして」 と言ってしまった。

彼はとてもビックリした顔をして、黙って自分の部屋に帰ってしまった。
そのビックリした顔を、実は今でもとてもよく憶えていて、思い出すと辛い。私の疲労が限界だったのか、酷い失言だった。

そのあと、しばらくの間、彼との意思疎通が困難になった。
祖父母宅の助け船により、十分に彼を癒して、食べさせ、寝かせてくれた。

「自分でも自分がどうしていいかわからなくて、学校に行くべきだと思うけど行けなくなってしまった。」
「お父さんお母さんが心配してくれるのはわかっているけど、今は思うとおりに動けない。」
「いつまでかはわからないけど、少し休ませてほしい。」

彼の心の声は、祖父母を通じて私たち親に届けられ、親の思いも祖父母が彼に伝えてくれて、しばらくして彼の祖父母宅での暮らしは終わった。

秋休みの間に、学年主任の先生の尽力で辛い状況にある子ども達の面談が実施された。高校を中退することは最後でいい、それ以外にできることは何でもやってみましょうと、何度も親たちも言ってくださっていた。

担任は、前年から家庭内トラブルを抱えメンタルが不調だったことで、学校では生徒たちに厳しすぎる態度を取ってしまった、態度を改めたいと言っているらしかった。面談を重ね、元のコースに復学できた子もいたけれど、前代未聞なことに、後期から彼は新しいコースに変わることになった。

休んでいる間に励ましのLINEを送ってくれていた中学からの友達や部活の仲間達が、こっちに来いよと行ってくれる、コースを移ってやり直してみたいと、彼が面談で言ったそうだ。
君がそれで学校にもう一度来れるなら何でもやってみようと、学年主任の先生が校長の許可を取ってくれた。

その話を聞いて私たち親はとてもびっくりした。彼なりに一生懸命受験勉強をして希望のコースに合格したから、コース変更は少し惜しかった。
でもなにより、学校に行けなくなった息子に、ずっと声を掛け続けてくれていた友達の存在が泣くほど有難かった。
新しい担任や仲間たちが温かく迎え入れてくれ、彼の高校生活が再開した。

一時的に学校へ行けなくなった生徒の中には、結果的にその高校をやめて、別の高校へ移った子もいたそうだ。
あの時、高校を変わることも選択肢の一つだったけれど、その後は先生方の温かい見守りと、友達にも恵まれ、無事に卒業をすることができた。
後から聴くと、コースを変わったのは自分だけだったから転校したくらい緊張したと。だけど「俺たちがいるよ」と力強く味方になってくれた仲間と一緒になれたから、なんとか乗り越えられたそうだ。

彼は今、大学で心理学を専攻している。自分で自分のことが分からなくなってしまったとき助けてくれた人達のようになりたい、と言って受験した。
最近は、そんなこと言った?と、とぼけているが、大学生活は楽しそうだ。

今の彼は、中学生の頃の彼とは違う、少し成長した青年になった。
自分の意見を言う時に、ふさわしい話し方をするようになった。
人の話を、ゆっくり聴ける人になった。
辛い時期を乗り越えた彼は、少し大人になったんだと思う。

正直、彼が楽しそうなら他には何もいらないけど。
でも成長したことを感じるのは、嬉しい。

あの時の出来事、アウトラインはこんな感じだった。
信じて待つということ、実はとてもしんどい。そして難しい。
私には、失言で気持ちをさらに傷つけてしまった反省もある。
今は、少し成長した姿を実感している喜びからも、今回の「防弾会食」の彼らのメッセージが、ことさらに胸に響いてしまってしょうがない。

「防弾会食」は、本当に大きなチャレンジだったと思う。
7人が長い間に抱えきれなくなってしまった苦渋の思いを、僕らのアミならわかってくれると、彼らの言葉で配信して告白した。なにも罪をおかしていないのに、泣きながら、わかってほしいと話してくれる。
これほどまでに信用されているのだ。正直、家族と同じじゃないかと。
信用されたのだから、こちらも信用して待つ以外、選択肢は他にない。
彼ら自身の胆力で、必ずまた、新しいステージを魅せてくれる。
うちの息子も、そうだったように。

そうは思っているし、理解しているつもりだけど、
「防弾会食」の告白のあと、淋しかったり、嬉しかったり、心が忙しい。

約3年間、母国のアミの声援から遠ざかっていた彼らは、その声援をどうしても聴きたくて、韓国の歌番組の収録に参加した。テレビ局はコンサート会場のような素敵なセットを用意してくれ、幸運にも観覧に当選したアミたちが素晴らしい声援を送ってくれた。
その収録が全て終わった夜、「防弾会食」が配信された。

その3つの番組は、昨日から放送が始まったところだ。
新曲を披露する輝く彼らを見てしまうと、暫くの間、彼らが旅に出ることを応援しなくてはならないことが、正直、切ない。
今年こそコンサートで輝く7人の姿を観られると思っていたから。

もっともっと魅力的なBTSになるために。
7分の1である個人それぞれが、成長したいんだ。
僕たち、いっぱい冒険してくるよ。

彼らがそう言っているんだ。
ナムジュンが全てはYet to Come の歌詞に気持ちは込めたと言っていた。

成長には痛みがある。思春期に急に身長が伸びた時、膝がとても痛かった。
今はそういう時期なんだと思う。

信じてくれてありがとう。

約3年ぶりに歓声に包まれた6月10日収録KBS「ミュージックバンク」から


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